真夏の翠

夏の果実よりも
瑞々しい感情の発露
色とりどりの裸石
つんと澄んで
綺羅

白砂の大地に
映える彩度のように
めくるめく君の情緒が
僕の孤独を飾る

病弱な世界の
細い肩を抱いた
その頼りなさに
ふと泣きたくなった

陶器の手首を
伝う雫は
悦びに似て
その残滓で在り
苦し紛れの
恋の連なり