J. Org. Chem. 2025
Org. Bimol. Chem. 2022
J. Org. Chem. 2021
ACS Omega 2021
ACS Omega 2021
45) Yamamoto, Y.*; Koike, Y.; Konakazawa, Y. in preparation
44) Yamamoto, Y.*; Kani, R. in preparation
43) Yamamoto, Y.*; Ogino, M.; Konakazawa, Y. in preparation
42) Yamamoto, Y.*; Konakazawa, Y. in preparation
41) Yamamoto, Y.*; Iino, K.; Konakazawa, Y. in preparation
40) Yamamoto, Y.*; Kani, R. in preparation
39) Yamamoto, Y.*; Yamakawa, C.; Okada, A.; Ogawa, A. in preparation
38) Yamamoto, Y*.; Tsuji, M.; Kani, R.
Adv. Synth. Catal. in preparation
37) Yamamoto, Y.*; Konakazawa, Y.; Hirai, Y.; Makita, Y.
Org. Lett. submitted.
36) Ogawa, A.; Tamai, T.; Fujiwara, K.; Tanaka, R.; Kurata, D.; Yamamoto, Y.
"Gold-Catalyzed Hydrothiolation of Alkenes and Allenes with Thiols"
Chemistry, 2026, 8(4), 38.
https://www.mdpi.com/2624-8549/8/4/38
反応性の乏しい不活性アルケンや反応の位置・立体選択性制御が困難なアレ
ンに対して、チオールと金触媒から形成される安定な金四核錯体が位置・立
体選択的なヒドロチオレーションを促進することを見出しました。
また、錯体上でのチオール交換反応や金四核錯体の反応系中での安定性に
関して、31P NMR測定により詳細に追跡しました。
(大阪公立大学 小川先生との共同研究)
35) Yamamoto, Y.*; Iino, K.
"Palladium/Copper Dual Catalysis in the Cross-coupling of Stable Diphosphine
Disulfides and Terminal Alkynes in the Presence of Molecular Iodine"
Asian J. Org. Chem. 2026, 15(1), e70296.
https://aces.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ajoc.70296
空気や湿気に安定で取り扱いの容易なジホスフィンジスルフィドにヨウ素を
作用させて系中で発生させたP(V)-I結合化合物を合成中間体として、Pd/Cu二
元触媒系による末端アルキンとのクロスカップリング反応を開発しました。
本反応はわずか1時間で完結し、対応する1-アルキニルホスフィンスルフィド
を最大収率90%で得ることができます。
当研究室 B4 飯野くんの研究成果です。
34) Yamamoto, Y.*; Kani, R.
"Palladium-Catalyzed Complete Regio- and Stereoselective Vicinal trans-
Bisphosphination of Terminal Alkynes with Air- and Moisture-Stable Diphosphine
Disulfides"
J. Org. Chem.2025, 90 (48), 17005-17014.
https://pubs.acs.org/joceah/article-abstract/90/48/17005/3662269
空気や湿気に安定で取り扱いの容易なジホスフィンジスルフィドをリン源
として、従来その達成が困難とされてきた Pd触媒を用いた末端アルケンへ
の完全位置・立体選択的trans-ビスホスフィン化反応を開発しました。本反
応はPd触媒が2つの異なる触媒サイクルを協奏的に促進することで円滑な反
応進行と環境調和性の実現を達成しています。
本研究成果はFront Cover に採択され、学科hpでも紹介されました。
当研究室 M1 可児くんの研究成果です。
33) Fujiwara, K.; Kawaguchi, S-i.; Yamamoto, Y.; Gonda, Y.; Ogawa, A.
"Acyl Iodide Synthesis from Carboxylic Acids Using a Novel Ph2P(O)H-I2 Binary
System and Its Application to Facile Preparation of Amides, Esters, and
Thioesters"
ChemistrySelect. 2024, 9 (39), e202404567.
https://chemistry-europe.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/slct.202404567
優れた反応剤である一方でその発生法に制約があったアシルヨージドを、
I₂-ジフェニルホスフィンオキシド二成分系によりカルボン酸から簡便に調
製する手法を見出しました。
さらに、生成したアシルヨージドを様々な求核剤とワンポットで反応させ
ることで、対応するアミド・エステル・チオエステルを優れた収率で得る
ことに成功しました。
(大阪公立大学 小川先生、佐賀大学 川口先生との共同研究)
32) Yamamoto, Y.*; Konakazawa, Y.; Fujiwara, K.; Ogawa, A .
"Transition-Metal-free Synthesis of Arylboronates via Thermal Generation of Aryl
Radicals from Triarylbismuthines in Air"
Beilstein J. Org. Chem. 2024, 20, 2577-2584.
https://www.beilstein-journals.org/bjoc/articles/20/216
本研究では、空気下でトリアリールビスムチンをアリールラジカル源として用いるこ
とにより、アリールボロネートの簡便かつ汎用性の高いメタルフリー合成法を開発し
ました。従来の特別な機器が必要とされた手法に対して、本手法ではベンゾトリフル
オリド(BTF)に各化合物を溶解させ空気下で加熱するだけといったシンプルな手法で
あり、対応するアリールボロネートを中程度から良好な収率で得ました。
当研究室 B4 小中澤くんの研究成果です。
31) Ogawa, A.; Yamamoto, Y.
"Efficacy of Radical Reactions of Isocyanides with Heteroatom Radicals in
Organic Synthesis"
Beilstein J. Org. Chem. 2024, 20, 2114-2128.
https://www.beilstein-journals.org/bjoc/articles/20/182
イソシアニドは、1炭素増炭試薬や含窒素化合物の窒素源として有用であり、一酸化
炭素と等電子構造をもつことから、多様な反応種と反応する重要な合成試薬です。一
方、ヘテロ原子ラジカルとの反応例は限られていますが、窒素含有分子に多様なヘテ
ロ原子を導入できる有望な手法です。そこで本総説では、ヘテロ原子ラジカルとイソ
シアニドの付加・環化反応を概説し、その合成化学的展望を示しました。
30) Yamamoto, Y.; Ogawa, A.
"Green Oxidation of Amines Using Salicylic Acid Derivatives as
Organocatalysts and Its Application to One-pot Synthesis of Pharmaceutical
Molecules"
J. Synth. Org. Chem. 2024, 82 (4), 357-366.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yukigoseikyokaishi/82/4/82_357/_article/-
イミンは含窒素医薬品分子合成における重要中間体であり、アミンのグリーン酸化
反応 が盛んに研究されてきました。従来の遷移金属触媒法は有効である一方、金属残
渣や副生成物の除去が課題でした。そこで本研究では、これまで研究を進めてきた4,6-
ジヒドロキシサリチル酸(サリチル酸系有機触媒)を用いた常圧酸素によるベンジル
アミンのメタルフリー酸化法を基軸に、本手法のワンポット合成、多成分・多段階反応
への適用性、工業化に向けた触媒系の改良について検討した内容を概説し、医薬品中
核骨格合成への有効性と将来展望を示しました。
29) Yamamoto, Y.; Fujiwara, K.; Tanaka, R.; Watanabe, H.; Ogawa, A.
"Iodine-Catalyzed One-pot Formation of Phosphorus-Heteroatom Bonds
from Stable Diphosphines in Air"
Asian J. Org. Chem. 2024, 13(4), e202300654.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ajoc.202300654
本研究では、Ph2P(S)-P(S)Ph2とヨウ素の反応によりPh2P(S)-Iが生成されることを見出
し、多様な求核剤(アルコール、アミン、チオールなど)と連続的にワンポットで反
応させることで、対応するリン-ヘテロ原子間結合元素化合物を得ることに成功しまし
た。さらに、系中で生じるHIを空気酸化によりI2として再生することで、本変換の触媒
化を達成しました。
28) Yamamoto, Y.; Kurata, D.; Ogawa, A.
"Palladium-catalyzed direct carbonylation of thiophenes and furans under
CO/CO2 -binary conditions leading to carboxylic acids"
Catal. Sci. Technol. 2023, 13, 7116-7122.
https://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2023/CY/D3CY01379K
本研究では、触媒量のPd(OAc)₂(min. 1 mol%)を用いて、不活性なチオフェン・フラ
ン誘導体の直接触媒的カルボニル化反応を見出しました。本触媒系はCO/CO2 混合条件
下で優れた触媒性能を示し、酸化剤として p-ベンゾキノンを併用することで、対応する
カルボン酸を最大100%の収率で合成することができます。また、触媒活性種の形成挙
動や触媒耐久性などに関する実験を行い、本手法の有用性と適用範囲の広さを実証し
ました。
27) Yamamoto, Y.; Ogawa, A.
"Transition-Metal-Catalyzed Addition of Organosulfur Compounds to Alkynes
and Alkenes: Catalysis and Catalyst Poisons"
Chem. Eur. J., 2023, 29 (64), e202302432.
https://chemistry-europe.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/chem.2023
ヘテロ原子化合物のアルキン・アルケンへの付加反応は、原子効率の高い炭素–ヘテ
ロ原子結合形成法として重要です。一方、硫黄やセレン化合物は触媒毒と考えられて
きたため、第16族ヘテロ原子化合物の遷移金属触媒反応の例は限られてきました。近
年、硫黄化合物を用いた触媒反応がいくつか開発され、触媒作用と触媒毒に関する新
たな知見が得られています。そこで本総説では、有機硫黄化合物のアルキン・アルケ
ンへの遷移金属触媒付加反応に焦点を当て、触媒機構と触媒毒の理解を深めるととも
に、第16族ヘテロ原子化合物の新たな触媒反応開発の指針を示しました。
26) Ogawa, A.; Yamamoto, Y.
"Multicomponent Reactions between Heteroatom Compounds and
Unsaturated Compounds in Radical Reactions"
Molecules , 2023, 28(17), 6356.
https://www.mdpi.com/1420-3049/28/17/6356
本総説では、逐次的ラジカル反応を基盤とした多成分反応の設計概念を概説しまし
た。ラジカル反応は、官能基許容性が高く溶媒の影響を受けにくいため、多成分反応
に適しています。特に、ヘテロ原子-ヘテロ原子単結合をもつ異元素化合物の光反応に
より生成するヘテロ原子中心ラジカルに着目し、これらの不飽和化合物との光誘起ラ
ジカル付加反応を説明しました。
25) Yamamoto, Y.; Mita, S.; Sato, Y.; Yano, K.; Ogawa, A.
"Practical Synthesis of 1,3-Benzoazaphosphol Analogues"
Front. Chem., 2023, 11, 1174895.
https://www.frontiersin.org/journals/chemistry/articles/10.3389/fchem.202
本研究では、リンと窒素を含む五員環複素環化合物である1,3-ベンゾアザホスホル類
をターゲット分子として選択し、芳香環へのリン基導入および環化反応によるリン・
窒素含有五員環の形成に関する基盤技術を確立するため、様々な合成経路を検討しま
した。その結果、2-アミノフェニル(フェニル)ホスフィンが、安定性が高く取り扱い
が容易な、非常に有望な合成中間体であることを明らかとしました。さらに、2-アミ
ノフェニル(フェニル)ホスフィンを合成中間体とすることで、対応するアザホスホー
ル類縁体の合成法の開発に成功しました。
24) Yamamoto, Y.; Ogawa, A.
"Photoinduced Synthesis of Bisphosphinated Quinoxalines via Radical
Cyclization of o-Diisocyanoarenes with Diphosphines"
Chem. Asian. J., 2023, 18 (8), e202201269.
https://doi.org/10.1002/asia.202201269
本研究では、リン-リン単結合を持つ一連のジホスフィン誘導体とo-ジイソシアノアレ
ーンとの光照射反応を検討し、ラジカル環化経路を経る新規なビスホスフィン化キノ
キサリンの光誘起合成を達成しました。さらに、シアノ基やエテニル基などの-官能基
を有するイソシアニドとジホスフィンとの光誘起反応を実施することで、反応経路と
生成物選択性の解明を行いました。さらに、開発した手法を応用することで、PdII-キ
ノキサリン錯体のワンポット合成にも成功しました。
23) Yamamoto, Y.; Fujiwara, K.; Ogawa, A.
"Palladium-Catalyzed Hydrophosphination of Terminal Alkynes with
Diphenylphosphine Oxide in the Presence of Tetraphenyldiphosphine
Monoxide"
Organometallics, 2023, 42 (18), 2590-2597.
https://doi.org/10.1021/acs.organomet.2c00659
本研究では、P-P結合を有する様々なジホスフィンを用いて末端アルキンのPd(OAc)2
触媒による水素化ホスフィニル化反応を詳細に検討しました。その結果得られた詳細
な反応機構の知見に基づき、リン源および水素源の両方としてPh2P(O)Hを用いる新
規なPd触媒による末端アルキンの水素化ホスフィニル化反応の開発に成功しまし
た。本触媒系は、触媒量のPh2P(O)-PPh2存在下で劇的に反応が促進され、対応する付
加体が良好な選択性かつ優れた収率で得られました。
22) Yamamoto, Y.; Chen, Q.; Ogawa, A.
"Diphenyl Diselenide-Assisted Radical Addition Reaction of Diphenyl
Disulfide to Unsaturated Bonds upon Photoirradiation"
Molecules, 2023, 28(6), 2450.
https://doi.org/10.3390/molecules28062450
本研究では、元素間化合物を同族ヘテロ原子化合物と組み合わせた触媒を用いるこ
とで、不飽和化合物の重合を抑制し、目的の付加反応による高選択的な炭素-ヘテ
ロ原子結合形成を光照射ラジカル反応により達成しました。
21) Yamamoto, Y.; Ogawa, A.
"Metal-Free One-Pot Multi-Functionalization of Unsaturated Compounds
with Interelement Compounds by Radical Process"
Molecules, 2023 , 28(2), 787.
https://doi.org/10.3390/molecules28020787
本総説では、環境調和型の有機合成における課題を提示し、機能性分子創製に不可欠
な多官能基の同時導入を実現するラジカル反応の進展を概説するとともに、資源再利
用と環境に配慮した将来の合成戦略を解説・提案しました。
(Selected as the Feature Paper)
20) Yamamoto, Y.; Kodama, S.; Nomoto, A.; Ogawa, A.
"Innovative green oxidation of amines to imines under atmospheric oxygen"
Org. Biomol. Chem., 2022, 20 (48), 9503-9521.
https://doi.org/10.1039/D2OB01421A
本総説では,常圧酸素下で実施可能な、アミンからイミンへの革新的かつグリーンな
酸化反応系と、医薬品や機能性分子のワンポット/環境調和型/持続可能な合成法への
応用に焦点を当てました。特に、分子状酸素を活性化する触媒系を、遷移金属触媒
系、光照射触媒系、有機分子触媒系に分類し、詳細に解説しました。
本研究成果はInside front cover に採択されました
19) Yamamoto, Y.; Yamakawa, C.; Nishimura, R.; Dong, C-p.; Kodama, S.; Nomoto,
A.; Ueshima, M.; Ogawa, A.
"Metal-Free Synthesis of 2-Substituted Quinazolines via Green Oxidation of o-
Aminobenzylamines: Practical Construction of N-Containing Heterocycles
Based on a Salicylic Acid-Catalyzed Oxidation System"
Front. Chem., 2022, 9, 822841.
https://doi.org/10.3389/fchem.2021.822841
従来のキナゾリン合成法は多段階の反応を必要とし、生成物の選択性を制御するため
に過剰な基質を必要とすることが多く、資源の浪費が大きいです。そこで本研究で
は、o-アミノベンジルアミンとベンジルアミンの4,6-ジヒドロキシサリチル酸触媒に
よる常圧酸素を用いた酸化的縮合により、優れた原子経済性と環境調和性を兼ね備え
た2-アリールキナゾリン誘導体の新規メタルフリー合成法を開発しました。さらに、
工業的合成を視野に入れたグラムスケール合成に展開するため、サリチル酸自体を有
機触媒として用いた酸化プロセスの開発を検討し、一連の含窒素複素環の実用的なグ
リーン合成法を確立しました。
18) Yamamoto, Y.; Tanaka, R.; Kodama, S.; Nomoto, A.; Ogawa, A.
"Photoinduced Bisphosphination of Alkynes with Phosphorus Interelement
Compounds and Its Application to Double-Bond Isomerization"
Molecules, 2022, 27(4), 1284.
https://doi.org/10.3390/molecules27041284
本研究では、テトラフェニルジホスフィンモノスルフィドを用いてアルキンの光誘起
ビスホスフィン化を達成し、重要な遷移金属配位子である(E)-vic-1,2-ビスホスフ
ィノアルケンを立体選択的に合成することに成功しました。ビスホスフィン化反応の
条件を最適化することにより、広い基質範囲と優れたトランス選択性が得られまし
た。さらに、アルキンの末端位置と内部位置にそれぞれ5価、3価のリン基を完全に位
置選択的に導入することに成功しました。加えて、連続して塩基触媒による二重結合
異性化反応を行うことで、従来では合成困難であった高機能性リン配位子前駆体の合
成にも本手法が応用可能であることを見出しました。
Selected as Editor's Choice Articles
17) Yamamoto, Y.; Sato, F.; Chen, Q.; Kodama, S.; Nomoto, A.; Ogawa, A.
"Transition-Metal-Free Synthesis of Unsymmetrical Diaryl Tellurides via SH2
Reaction of Aryl Radicals on Tellurium"
Molecules, 2022, 27(3), 809.
https://doi.org/10.3390/molecules27030809
本研究では、アリールラジカルとジアリールジテルリドのラジカル置換反応を活用す
ることで、空気中でアリールヒドラジンからアリールラジカルを生成し、ジアリール
ジテルリドで捕捉することにより、高収率かつ従来では合成困難であった非対称なジ
アリールテルリドの選択的合成法を開発しました。また、アリールヒドラジンとジア
リールジテルリドの両者の置換基がテルル原子上でのラジカル置換反応に及ぼす電子
的効果についても詳細に議論しました。
16) Yamamoto, Y.; Tabuchi, A.; Hosono, K.; Ochi, T.; Yamazaki, K.; Kodama, S.;
Nomoto, A.; Ogawa, A.
"A two-phase bromination process using tetraalkylammonium hydroxide for
the practical synthesis of α-bromolactones from lactones"
Beilstein J. Org. Chem., 2021,17, 2906-2914.
https://doi.org/10.3762/bjoc.17.198
本研究では、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(R4N+OH-)を塩基
として用い、温和な条件でα-ブロモラクトンを生成する簡便かつ効率的なラ
クトン類のα-臭素化反応を開発しました。本手法では、Br2 と触媒量の PBr3
をラクトン類に作用させる開環反応により得たα-ブロモカルボン酸に対し
て、R4N+OH-を含む二相反応系により、対応するα-ブロモラクトンを反応時
間1時間で良好な収率で得ることができました。本手法は簡便な操作で10
mmolスケールまで適用可能であり、環境に配慮した大規模合成に向けた溶
媒最適化や系中で発生させたα-臭素化ラクトンを鍵中間体とするワンポット
反応により、機能性ラクトンへの直接変換を達成しました。
15) Yamamoto, Y.; Ota, M.; Kodama, S.; Ueshima, M.; Nomoto, A.; Ogawa, A.;
Furuya, M.; Kawakami, K.
"Excellent Catalytic Performances of a Au/C–CuO Binary System in the
Selective Oxidation of Benzylamines to Imines under Atmospheric
Oxygen"
ACS Omega, 2021, 6 (50), 34339–34346.
https://doi.org/10.1021/acsomega.1c04046
本研究では、ごくわずかな触媒量の金担持触媒と酸化銅を組み合わせた金属
複合レドックス系がアミンのイミンへの酸化変換に非常に高活性を示すこと
を見出しました。本触媒系は金触媒基準で触媒回転数が8000回以上と優れ
た触媒活性を示しており、さらに対応するイミンを高純度で形成できるた
め、医薬品基盤分子である含窒素ヘテロ環やジペプチドのone-pot合成も可
能でした。本触媒系は触媒を10回以上回収・再利用しても全く触媒活性が劣
化せず、対応するイミンを極めて良好な収率で得ることができる高耐久性
リサイクル触媒系です。
本研究成果はsupplementary cover art に採択されました。
14) Kodama, S.; Hung, V. T.; Saeki, T.; Mihara, K.; Yamamoto, Y.; Sonoda, M.;
Nomoto, A.; Ogawa, A.
"2,2-Bis(phenylselanyl)-1-(p-tolyl)vinyl 2-Oxo-2-(p-tolyl)acetate"
Molbank, 2021,2021(4), M1283. https://doi.org/10.3390/M1283
本研究では、p-トリルアセチレン、ジフェニルジセレニドおよび過酸化ベン
ゾイルをベンゼン溶媒中、空気下で反応させることで表記の化合物が合成可
能であることを見出しました。合成された化合物の分子構造を単結晶X線構
造解析およびスペクトル分析により評価しました。今回報告した手法は、末
端アルキンを対応するジェミナルなジセレノ置換アルケンに直接かつ選択的
に変換することが可能な、珍しい反応例です。
13) Hung, V. T.; Tran, C. C.; Yamamoto, Y.; Kodama, S.; Nomoto, A.; Ogawa, A.
"Clarification on the Reactivity of Diaryl Diselenides toward
Hexacyclohexyldilead under Light"
Molecules, 2021, 26(20), 6265.
https://doi.org/10.3390/molecules26206265
本研究では、アルキル-鉛結合を有する有機鉛化合物に対する有機カルコゲ
ン化合物の光照射下での反応性を詳細に検討しました。光照射により、
Cy6Pb2(Cy=シクロヘキシル)のCy-Pb結合は均一開裂を引き起こし、生成
した二級炭素ラジカルを優れた炭素ラジカル捕捉能を持つジカルコゲニドに
よって捕捉することで、対応するモノカルコゲニドが中程度から良好な収率
で得られることを明らかとしました。
12) Nomoto, A.; Okada, T.; Yamamoto, Y.; Kuroda, S.; Marui, K.; Yamamoto, M.;
Tsujimoto, H.; Ueshima, M.; Nishigahana, T.; Itoh, K.; Kobata, G.; Kodama, S.;
Ogawa, A.
"Oxidative Synthesis of Acid Blue 7 Dye Catalyzed by CuO/Silicotungstic
Acid in Water-Phase"
Materials, 2021,14 (16), 4505.
https://doi.org/10.3390/ma14164505
本研究ではディスプレイ用青色機能性色素の一つであるAcid Blue 7を水溶媒
中、酸化銅とケイタングステン酸を触媒として組み合わせた過酸化水素酸化
により高選択的・高効率かつ10gスケールで合成が実施可能な新規手法を開
発しました。
11) Kodama, S.; Yamamoto, Y.; Kobiki, Y.; Matsubara, H.; Tran, C. C.;
Kawaguchi, S-i.; Nomoto, A.; Ogawa, A.
"Transition-Metal-Catalyzed Diarylation of Isocyanides with
Triarylbismuthines for the Selective Synthesis of Imine Derivatives"
Materials, 2021,14 (15), 4271.
https://doi.org/10.3390/ma14154271
遷移金属触媒を用いたイソシアニドとトリアリールビスムチンのジアリール
化を詳細に検討し、[RhCl(nbd)]2などのロジウム触媒を使用した場合はN-ア
ルキルジアリルケチミンを選択的に得ることができることを見いだしまし
た。一方、パラジウム触媒を用いたジアリール化では、2分子のイソシアニ
ドの金属-炭素結合間への多段挿入が進行し、N,N'-ジアルキルまたはN,N'-ジ
アリールα-ジイミンが優先的に得られることを明らかとしました。加えて、
パラジウム触媒を用いたジイミン合成を鍵段階とすることで、2,3-ジアリー
ルキノキサリン類のカスケード合成にも成功しました。
10) Yamamoto, Y.; Kodama, S.; Nishimura, R.; Nomoto, A.; Ueshima, M.; Ogawa, A.
"One-Pot Construction of Diverse β-Lactam Scaffolds via the Green
Oxidation of Amines and Its Application to the Diastereoselective Synthesis
of β-Amino Acids"
J. Org. Chem., 2021, 86 (17), 11571–11582.
https://doi.org/10.1021/acs.joc.1c01128
本研究では、4,6-ジヒドロキシサリチル酸を触媒とし、分子状酸素を用い
てアミンをイミンへと触媒的酸化することにより、β-ラクタム骨格をワン
ポットで構築することに成功しました。イミンは非常に不安定であり、従
来法では単離が困難なものも多いですが、本手法では有機触媒によるアミ
ン酸化と塩基存在下でのアシルクロリドとの連続的な直接反応により、従
来報告されている方法では合成および単離ができなかった、cis選択性に優
れた一連の新規βラクタム誘導体を得ることができました。さらに、これ
らのβ-ラクタムを加水分解することにより、対応するβ-アミノ酸をほぼ単
一 のジアステレオマーとして最大99%の収率で得ることに成功しました。
本研究成果はsupplementary cover art に採択され、Synfact誌で紹介され
ました。
9) Tran, D. P.; Sato, Y.; Yamamoto, Y.; Kawaguchi, S-i.; Kodama, S.; Nomoto, A.;
Ogawa, A.
"Highly regio- and stereoselective phosphinylphosphination of terminal
alkynes with tetraphenyldiphosphine monoxide under radical conditions"
Beilstein J. Org. Chem., 2021, 17, 866-872.
https://doi.org/10.3762/bjoc.17.72
テトラフェニルジホスフィンモノオキシド中のPV(O)-PIII結合の均一開裂によ
り、反応性の異なる5価および3価のリン中心ラジカルが同時に生成するこ
とを見出し、この特性に基づきラジカル開始剤を用いた末端アルキンへの位
置および立体選択的なホスフィン化反応の開発に成功しました。本手法では
trans体を極めて優れた立体選択性で得ることが可能であり、多彩な基質に適
用可能であることを明らかとしました。
8) Tran, D. P.; Sato, Y.; Yamamoto, Y.; Kawaguchi, S-i.; Kodama, S.; Nomoto, A.;
Ogawa, A.
"Photoinduced selective hydrophosphinylation of allylic compounds with
diphenylphosphine oxide leading to γ-functionalized P-ligand precursors"
Res. Chem. Intermed., 2021, 47, 3067-3078.
https://doi.org/10.1007/s11164-021-04433-7
本研究では、γ-官能化ホスフィン配位子前駆体として有望な一連の二官能性
ホスフィン化合物を、光照射下でアリル化合物に対するジフェニルホスフ
ィンオキシドのラジカル付加により簡便に合成することに成功しました。
光誘起付加はanti-マルコフニコフ的に位置選択的に進行し、γ位に多様な置
換基を有するホスフィンを簡単な操作で調製することが可能です。また、ア
リルエーテル類2分子に対してジフェニルホスフィンオキシドが連続的に付
加する新規な分子変換を見出し、本反応についてアリル基の置換基効果お
よび立体的効果に関して考察しました。
7) Yamamoto, Y.; Ota, M.; Kodama, S.; Michimoto, K.; Nomoto, A.; Ogawa, A.;
Furuya, M.; Kawakami, K.
"Au/Ag/Cu-Mixed Catalysts for the Eco-Friendly Oxidation of 5-
Hydroxymethylfurfural and Related Compounds to Carboxylic Acids under
Atmospheric Oxygen in Water"
ACS Omega, 2021, 6 (3), 2239-2247.
https://doi.org/10.1021/acsomega.0c05526
本研究では、金・銀・銅触媒を用いた新規なレドックス触媒酸化系を構築
することで、水溶媒中で実施可能な常圧酸素を酸化剤とするアルコール酸
化法を新たに開発しました。本手法により、5-ヒドロキシメチルフルフラ
ールから、石油由来のポリエチレンテレフタレートに代わる生分解性プラ
スチックの原料である2,5-フランジカルボン酸を選択的かつ高収率で得る
ことに成功しました。
本研究成果はsupplementary cover art に採択されました。
6) Yamamoto, Y.; Tanaka, R.; Ota, M.; Nishimura, M.; Tran, C. C.; Kawaguchi, S-i.;
Kodama, S.; Nomoto, A.; Ogawa, A.
"Photoinduced Syntheses and Reactivities of Phosphorus-Containing
Interelement Compounds"
J. Org. Chem., 2020, 85 (22), 14708-14719.
https://doi.org/10.1021/acs.joc.0c02014
テトラフェニルジホスフィンジスルフィドと種々の有機ジカルコゲニドの光
誘起反応により、ラジカル反応を経てリン(V)-カルコゲン結合を有する一連の
インターエレメント化合物を直接的に得ることに成功しました。有機ジカル
コゲニドのジホスフィン類に対する光照射下での反応性について詳細に検討
し、さらに本反応により得られた P-E (E = S, Se) 複合分子を鍵中間体として、
種々のホスフィン試薬や有機カルコゲニドへのワンポット変換を達成しまし
た。
5) Yamamoto, Y.; Kawaguchi, S-i.; Nishimura, M.; Sato, Y.; Shimada, Y.; Tabuchi, A.;
Nomoto, A.; Ogawa, A. "Phosphorus-Recycling Wittig Reaction: Design and
Facile Synthesis of a Fluorous Phosphine and Its Reusable Process in the
Wittig Reaction"
J. Org. Chem., 2020, 85 (22), 14684-14696.
https://doi.org/10.1021/acs.joc.0c01926
近年、希少なリン資源の枯渇に対する危惧から、リン資源を回収・再利用可
能な有機合成法の開拓が強く望まれています。特に、炭素–炭素不飽和結合
形成に汎用される Wittig反応では、等量副生するリンオキシドの分離回収が
困難であり、リン試薬のリサイクル利用に関して大きな課題を抱えていまし
た。そこで本研究では、フルオラス基を有する新規リン試薬を設計すること
で、フルオラス二相系によるリンオキシドの回収・再利用に基づくリン源再
生型Wittig反応の開発に成功しました。
4) Yamamoto, Y.; Kawaguchi, S-i.; Kodama, S.; Nomoto, A.; Ogawa, A.
"Highly Selective Hydroiodination of Carbon-Carbon Double or Triple Bonds"
Curr. Org. Chem., 2020, 24 (18), 2153-2168.
https://doi.org/10.2174/1385272824666191227111257
炭素–炭素不飽和結合に対する位置・立体選択的ヨウ素化反応と、得られたヨ
ウ素化体を基盤骨格形成に重要な鍵中間体として活用した合成化学的応用に
ついて解説しました。
3) Kawaguchi, S-i.; Yamamoto, Y.; Ogawa, A.
"Catalytic synthesis of sulfur and phosphorus compounds via atom-economic
reactions"
Mendeleev Commun., 2020, 30 (2), 129-138.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0959943620300523
有機硫黄化合物および有機リン化合物の合成に用いられる高原子効率的反応
として、触媒を用いた付加型反応に焦点を当て、最近に報告された有用な合
成反応について解説しました。
2) Dong, C-p.; Uematsu, A.; Kumazawa, S.; Yamamoto, Y.; Kodama, S.; Nomoto, A.;
Ueshima, M.; Ogawa, A. "2,4,6-Trihydroxybenzoic Acid-Catalyzed Oxidative
Ugi Reactions with Molecular Oxygen via acHomo- and Cross-Coupling of
Amines"
J. Org. Chem., 2019, 84 (18), 11562-11571.
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.joc.9b01422
有機触媒として2,4,6-トリヒドロキシ安息香酸を用いることで2種類の異なる
アミンとイソシアニドおよびカルボン酸から常圧酸素 (または空気)下メタル
フリーで実施可能な酸化的4成分Ugi反応(U-4CR)を新たに開発し、多彩な
ジペプチド類の合成に成功しました。アミン類のクロスカップリングによる
U-4CRはほとんど報告例がなく、金属を使用せず簡便に実施可能な本手法
は、医薬品や複素環合成へのさらなる応用に有効であると期待されます。
1) Yamamoto, Y.; Sato, F.; Kodama, S.; Nomoto, A.; Ogawa, A.
"Reaction of arylhydrazines with diaryl ditellurides in the air: Insight into
bimolecular homolytic substitution on tellurium via Aryl–Te bond accleavage"
Heteroat. Chem., 2018, 29 (5-6), e21471.
https://doi.org/10.1002/hc.21471
空気下でアリールヒドラジン塩酸塩から発生させたアリールラジカルがテル
ル原子上でラジカル置換(SH2)反応を引き起こし、これまでに達成が困難とさ
れていた芳香族Csp2-Te結合のラジカル反応による結合活性化が進行すること
を見出しました。また、アリールラジカル側の置換基による反応性を比較す
ることで、非対称ジアリールテルリドの選択的one-pot合成にも本手法が応
用可能であることを明らかとしました。
The top 10% most downloaded papers (2018-2019)