この記事では、僕がおすすめする仙台のラーメン店を紹介します。
2022年にも紹介記事を書いたのですが、そこから更に色々なお店に行ったのでバージョンアップ版としてこの記事を書きます。
まず結論を書こう。
出張で仙台にいらした方にはえびすけ。
濃厚な海老の風味が味わえる、僕が仙台で二番目に好きなラーメン店である。
美味しいラーメンを食べるためなら30分程度の移動は厭わない、という方にはふじやま。
煮干し中華そばの頂点に出会える、僕が仙台で一番目に好きなラーメン店である。
車や自転車で移動できる方にはらぁ麺屋09。
気鋭の一杯を堪能できる、僕がいま一番応援しているラーメン店である。
これらの店に共通するのは、「重層的な風味が調和する濃厚ラーメン」を出すということである。
上三つのラーメンはいずれも味が濃い。
だがそれは「脂っこい」とか「塩味が強い」ことを意味しない。
味わいが濃厚なのである。
そして様々な風味が何層にも重なり合い、繊細なバランスで調和しているのも特長である。
煮干しに醤油に鶏白湯、さらに時には山椒のアクセントが入るなど、非常に複雑な味わいを楽しむことができる。
一体どれほどの食材が使われているのか、正直言って僕の舌では全く把握できないが、だからこそ僕はその複雑さに魅了されているのだと思う。
仙台には他にも美味しいラーメン店がたくさんある。
温故知新の中華そばなら嘉一や一休、杉のやに長町ラーメン、新進気鋭の中華そばとしてはくろくや一丞が強い。つけ麺ならしずくやおんのじ、油そばと言えば一二三や政宗、担々麺は吟。家系ラーメンならBIGやビリー、博多豚骨としては一閃閣、熊本ラーメンはおっぺしゃんがある。ラーメン二郎や一蘭、一風堂といった県の内外にファンが多い店も揃っている。
とかく仙台は多種多様なラーメン店が群雄割拠である。
札幌ラーメンや喜多方ラーメン、博多ラーメンのような「ご当地ラーメン」として「仙台ラーメン」が無いのは、バラエティーに富んだ店が多いという事情があるからだろう。
そのような街で生まれ育った僕のラーメン観は、ミーハーというか新しいもの好きなところがある。
いや、単にミーハーというと語弊があるかもしれない。
より正確に言うなら、
自分の中の〈ラーメン観〉を粉々に打ち砕いてくれるラーメン
を求めているのである。
冒頭の「結論」で挙げたふじやまの一杯、これがまさにそのようなラーメンだった。
初めて入店し、スープを一さじ口にした時の衝撃ときたら!
僕の中の〈ラーメン観〉が音を立てて崩れ去っていくのが肌で感じられるほどであった。
同じく冒頭に挙げたえびすけとらぁ麺屋09も僕の〈ラーメン観〉を破壊し、「こんなラーメンがあるのか!」と驚かされた名店である。
余談だが、ラーメンに限らず「自分の固定観念が打ち砕かれる体験」というのは僕の人生における至上の喜びの一つである。
例えば苦手だった辛い料理の美味しさが分かるようになったとか、今まで全く興味を持たなかったヒップホップにドハマりするとか、そういう無意識の自分が勝手に引いていた線を飛び越えて世界が拡張される感覚というのがたまらなく好きである。
僕にとってラーメンとは、そのように自分の世界を押し広げてくれる存在なのである。
仙台を訪れた方にもそのような体験を味わって頂ければと僕は願っている。