院長の独り言
整形外科、リウマチ治療に携わる医師として
整形外科、リウマチの治療に長年携わり、いつも自分に問いかけていることがあります。 今、自分が行っている治療は正しいのか。 間違った治療を行っているのではないかという、自分に向けての問いかけです。
一応、大学病院で長年整形外科、リウマチ治療を行ってきましたので、間違った治療を行っているとは思いませんが、目の前の患者さんにとって、ベストの治療を行っているかどうかの問いかけです。
整形外科、リウマチ疾患の多くは、原因が未だ明瞭でない為、それに対する絶対的な治療は存在せず、各人それぞれの経験で治療を行っているのが現状です。
ひとつの治療を行って、それが良かったかどうかという結果は、長い年月が必要ですが、その結果を待っていたのでは、病気がどんどん進行し、手遅れになってしまいます。
要するにわれわれのできることは、保存療法(くすり等の治療)であれ、観血治療(手術等の治療)であれ、その時点で最も優れ、良いと認める治療を行うこととなります。
われわれ医師は、ある人にとって毒であるかもしれない薬物や、障害を残すかもしれない手術を治療として行うことが許されています。 これは国が認可しているというよりも、むしろ、(私は宗教家ではないですが)神のもとに許されているといっても良いと思います。
そのため、治療を開始するには、疾患に対し十分教育を受けた上、更に研究を行い、十分理解した上で、患者さんに不利益を与えないように、期待に沿うように、治療を行わなければなりません。 命は限りあり、誰もが何時かは死を迎えるわけですが、その時まで人生を豊かに、最大限の活動が可能となるようにお手伝いするのが、医師の役割と考えます。