Comprehensive Historical Research on Eugenic Policies through the Utilization of Digital Archives
研究概要
優生断種法による強制不妊手術は、医療技術ガバナンスのELSI(倫理的・法的・社会的問題)としてきわめて重要である。北米やドイツなどではこの領域の実証研究が進展しているが、日本では関係する公文書や診療録などの多くが廃棄または非開示とされ、資料へのアクセス自体が困難であった。
本研究では日本の優生政策に関わる資料を広範かつ組織的に収集し、共同研究により強制不妊手術の運用実態を分析して、強制不妊手術問題に含まれるELSIの現代的意義を明らかにする。そして、構築したデジタル・アーカイブとともに成果をウェブで発信する。また、強制不妊手術の記録は差別につながる内容を含むため、当事者の参画を得ながら情報の開示と保護の方針を検討し、公開ルールを策定する。本研究は日本を代表する優生政策史のデジタル・アーカイブを構築し研究成果を発信することによって、総合的な優生政策史研究のオープンサイエンスに貢献する。
研究構想図
詳しくは「研究計画」をご覧ください。
★キーワード★
【優生政策史】【強制不妊手術】【ELSI】【デジタル・アーカイブ】【当事者参画】