卵子と卵丘細胞にコンタクトする蛍光精子(マウス)

佐藤 裕公


生殖生物学はまだまだ不明な点が多い領域です。少子高齢化が進む現代で、例えば質のいい卵子や受精卵(胚)を選んだり、どうしたらよりよい胚が得られるのかという疑問に答えるためには、生殖や受精という現象をもっとよく知る必要があります。

私は、新たな視点と技術を用いて生殖や受精について生物学的な理解を進めることを目指して研究を行っています。

このサイトは個人のHPであり、この場を通じて研究成果や考えを発信できたらと思っています。ご意見等は下記のボタンからお寄せください。 

経歴:

2020.04:(兼任)文科省科学技術学術政策研究所 専門調査員 

2018.10: 群馬大学 生体調節研究所  准教授 (現職)

2017.04: 大阪大学 微生物病研究所 講師

2013.03: 大阪大学 微生物病研究所 助教

2009.04: 大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 特任助教

2007.04: 日本学術振興会特別研究員 PD 

2007.03: 東北大学 生命科学研究科 博士課程  (学振DC1) 修了


出身地: 秋田県

論文の解説はこちら→

最近の研究活動 (2021年度~)

2023/Dec/30 biorxivに建部君と取り組んだELYSA論文のpreprintを公開しました

2023/Dec/08 biorxivに鈴木さんと取り組んだEP論文のpreprintを公開しました

2023/Aug/01 Plos One誌に野澤さんとの共著論文が載りました

2023/Mar 建部君が卒業しました

2023/Jan/28 Reprod. Med. Biol. 誌に総説論文が載りました

2022/Jul/14 Med. Mol. Morphol. 誌に森田さんとの共著総説論文が載りました

2022/Mar/31 Semin. Cell Dev. Biol. 誌に総説論文が載りました

2022/Mar/03 Reproduction誌に総説論文が載りました

2022/Jan/01 Front. Cell Dev. Biol.誌に横浜市立大松村さんとの共著論文が載りました 

2021/Dec/01 Int. Immunology誌に大阪大の榊原さんとの共著論文が載りました 

2021/Sep/02 J. Cell. Sci. 誌に大阪大のJulioさんとの共著論文が載りました

2021/Aug/02 Development誌の内容が上毛新聞に掲載されました

2021/Jul/16 Development誌の内容が研究所大学のHPに載りました

2021/Jul/15 Development誌に森田さんとの卵膜タンパク質分解の論文が載りました(eqaul first)

2021/Jun/10 MRD誌に福島県立医大の井上さんとの共著論文が載りました

2021/Apr/01 大学院生の建部君が研究に参画しました

2021/Mar 大学院生の鈴木さんが卒業しました

最近の発表等

2023/Nov/27-30 第15回オートファジー研究会:(運営+)ポスター発表

2022/Sep/10-11 第8回生殖若手の会主催

2022/Sep/8 第93回動物学会:シンポジウム主催&発表

2022/May/11-13 第78回顕微鏡学会:”受精・生殖研究の最前線”シンポジウムで発表

2021/Dec/01 第44回分子生物学会:”有性生殖をささえる膜ダイナミクス:機能と分子機構”シンポジウムで発表

2021/Nov/12 第16回生命医科学研究所ネットワーク国際シンポジウム:発表(英)

2021/Oct/07 EMBO-EMBL symposia: Seeing is Believing ポスター発表(英)

2021/Sep/01 第92回動物学会:シンポジウム主催

2021/Jul/02 第73回細胞生物学会:口頭発表WS19-2

2021/May/29 第62回卵子学会:若手企画セミナー講演

メッセージ:

生命には限りない可能性があります。まだまだ、計り知れないほどです。

<研究者って...>

「なんで傷が治るんだろう」とか、「なぜ私とあの人は違うん だろう?」、「なんで私と兄弟は似ているんだろう?」と、ふ と疑問に思ったことはありませんか?それは難しいことではなく、誰にでも現れる素朴な疑問で、自分のからだやペットのからだ、自然のことや環境のことを通して、"生命の神秘"のようなものを感じさせます。

われわれ生命科学の研究者は、そんな風にみんなが感じる好奇心を、自分が向き合う重要な課題と感じて、気がつくとそのことに夢中になっている人々だと思っています。そして、それを職業として選んだことで、われわれには、自分の発見したことや思いついたことを社会に還元するという使命が生まれます。

だから私は、自分の発見したことをどんどん外に提供できる研究者を目指しています。

<生命科学って...>

昔...

生命の神秘は恐ろしいもので、数学や物理の勉強だけでは想像もできない複雑さが存在しています。工学が昔から多くのものを作り出して来たのに対し、ここまでの生命科学(古典生物学)というのは、そこにあるものを観察し、解析し、報告するだけにとどまることが多 かったのが現実です。(そのかわり、昔の研究者は、素晴らしい観察力を持っていました。)

近年...

遺伝子の本体がDNAであることがわかり、DNAの解析は急激に進みました。人間(生物)が細胞の核に封じ込めているDNA情報をすべて解読してしまったゲノムプロジェクトや、その遺伝子を作り変える、 遺伝子組み換え技術は、これまでのように、世界に散ら ばった"生命の神秘"を観察するだけではなく、人間の手で新たな可能性を創り出すことを可能にしました。 

今...

さらに、そういった新しい"創り出す"生命科学(生命工学ともいえる)は、これまで培われた生化学・細 胞生物学といったすぐれた解析技術や、目をみはるような最新のイメージング技術や高感度解析技術と出会いました。 ごくわずかな試料から驚くほど大きく、美しい情報が得られるようになったこの頃は、生命工学から生み出された生命の様々な姿が、神秘を理解する大きな手助けになっています。

<私と生命科学>

私が小さい頃(昔)は、ファーブルやシートンのような観察するのが私にとっての"生物学者"でした。図鑑を見ては、まだ見ぬ生物のことを想像していました。このころ、世界では遺伝子の解析技術が急速に発展していきました。私が高校生の時(近年)に、クローン羊の"ドリー"が誕生しました。また、広くゲノムや遺伝子操作などの単語が取り上げられるようになりま した。私も教科書を片手に、内容を理解し始めるようになります。大学院生になり、研究を始めてからのイメージング技術や解析技術の進歩については、ついていくのに精いっぱい、というところです。そして、研究者となった現在は、多くの技術や知識が花開き、かつては信じられなかった技術が花盛りです

学生時代初めて使った顕微鏡には、フィルムに記録するスチールカメラが付い ていましたが、今は、宇宙線も画像にしてしまうような高感度デジタルカメラを使う時代に なっています。 新聞を読んでいても、紙面には、"遺伝子組み換え~~"などの文字が毎日のように登場しています。生物学が今まさしく急激な流れで活性化されているのを感じることはありませんか?

私は、花が実をなそうとしているこの時代こそ最も楽しい時代だと思っています。

技術はいずれより新しいものによって置き換わりますが、生命の根本は長い長い間変わらずに生き続けます

今私は、長い歴史で確立された技術と、今の最新の技術を組み合わせることで、これまでにはわからなかった素朴な疑問が解きほぐされていく、そんな現場にいるのを感じます。

<佐藤研究室>

(僕の主宰する研究室ではありません。佐藤健先生の研究室です。)

ここ、佐藤研究室は、研究にとことん集中できる貴重な場所 です。 また、セミナーやディスカッションでは、みんなが自由に発想し、意見し、研究を進めることができます。 自由な発想には、"独りよがりな研究"が生まれがちな側面もありますが、研究を外に向けて発表するためには、十分に実験の普遍性を検討しなければいけません。 常にラボ全体でディスカッションをする佐藤研では、こういった危険性を回避でき、自分の研究をブラッシュアップすることができます。

Contact information : 

E-mail: yuhkohs (at) gunma-u.ac.jp

Address:371-8512 群馬県前橋市昭和町3-39-15 

Institute for Molecular and Cellular Regulation, Gunma University 3-39-15 Showa-machi, Maebashi 371-8512, Japan

TEL: 027-220-8842(内線: 8842)

FAX: 027-220-8844

賞罰:

2018.05 日本卵子学会 学術奨励賞

2018.01 大阪大学 微生物病研究所 優秀学術賞

2015.07 大阪大学 総長奨励賞

2014.08 3rd Poster Competition Prize in 12th international Symposium on Spermatology

2014.07 大阪大学 総長奨励賞

2014.06 Best Poster Award in International Symposium of Institute Network

2013.05 第60回 日本実験動物学会 若手優秀発表賞

2013.01 大阪大学 微生物病研究所 優秀学術賞

2012.12 第27回 日本生殖免疫学会 学会賞

2012.10 Best Poster Award in International Symposium of the Mechanism of Sexual Reproduction in Animals and Plants.

2007.03 東北大学 生命科学研究科研究科長賞(博士)

2004.03 東北大学 生命科学研究科研究科長賞(修士)

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