世界線A

始まり

私は一人っ子で、中学に入ってからは外でほとんど遊ばずによく家で勉強をしていたの。

16歳、17歳、18歳、普段通りの日常を送る。

ループ

また始まるいつも通りの朝。 ......私は16歳だった。

カレンダーやスマホでよく確認する。確かに16歳だ。

しかし18歳頃までの記憶は確かにある。

私は数日様子を見た後、夢ではないと確信し、時間にまつわる文献を調べ始めた。

調べていくうちにまた18歳のあの日が訪れる。

目覚めたとき、やはり体や身の回りの環境は16歳のころに戻っている。

記憶は確かにある。私は研究をはじめ、いろいろなことを試す。

ループを繰り返しているうちに『NewWorld(NWd)』と名乗る研究所に参加する。

......ほかにも複数の名前を持っているみたいだけど。


研究所へ

研究所に初めて参加したループ。ここでは予期せぬことが起きた。

18歳のループが起きる日。ループすることをわかった上で研究を続ける。

…警報が鳴り響く、侵入者だろうか、脱走者だろうか。

次の瞬間、ループが起こる。

どうやらループの原因はこの研究所にあったらしい。

でも、他の研究室には入れそうにない。今回のループの中で既に学んだことだ。

研究を続けてループを破壊するしかない。

幸い、ループを破壊すればその時間にループが再構築されることはないようだ…。


記憶の積み重ねで、実施する研究はどんどんと高度なものになっていった。

私の目的はループから抜け出す、もとい破壊することだから簡単にはいかないだろう。


研究室に入ることはできないけど実験途中の薬を分けてもらうことができるようになった。この薬は兵器…?を作るのに使っているらしい。真相はわからないけど調べて見ればわかるよね。


この薬を使うと対象が黒いアルコールに近い物質になることがわかった。でも生物としての状態を維持することも可能ではありそう。研究を重ねれば活用も夢じゃないかも。


完成

黒塗回目のループでついに薬を完成させることができた。

早速服用してみると視界が揺らぎ、体が溶けるような感覚に見舞われる。

そのまま地面に倒れこみ、意識を失った。


次に目を覚ますとそこは同じ研究室だった。

数分しかたっていなさそうだ。

体が今と同じ、フォルテの姿になっていて、隣には自身の体が横たわっている。

どうやら精神と体が分離したらしい。

この体ならループを破壊できるかもしれない。

エネルギーを一点に集めてタイムホールを作成する。

力が不安定でうまくコントロールできない。でも、ループを破壊するには十分だ。

覚悟を決め、タイムホールに飛び込んだ。