クモについて Spiders
クモの紹介, 画像等.
クモの紹介, 画像等.
クモ類は, 節足動物門・鋏角亜門・クモ綱(クモガタ綱)・クモ目に属する生物であり, 世界に約5万種, 日本からは1700種あまりが記載されています. 海岸の潮間帯や淡水中, 湿地, 草地, 森林, 高山, 洞窟, 砂漠, 都市部など, ありとあらゆる環境に生息しており, 私たちにとってごく身近な生き物のひとつです.
クモは, 8個の眼と8本の歩脚, 一対の毒牙をもち, 基本的に生きた虫を捕らえて食べる"真の捕食者(true predator)"です. 野外では膨大な量の虫を消費していると推測されており, 陸域食物連鎖の中間捕食者として重要な役割を果たしています.
彼らを特徴づける形質のひとつが, 糸です. クモは体内で合成した糸タンパク質を腹部末端の糸疣から繊維として紡ぎ出し, 卵嚢の保護や隠れ家, 命綱などの材料として用います.
クモの多くは, 複数種の糸を組み合わせて網(web)をつくることにより, 餌を捕らえます. 代表的な網は放射状の縦糸とらせん状の横糸からなる円網(orb web)ですが, 他にもシート状の網や立体的な不規則網, ドーム網や皿網, ナゲナワなど, 網の形は種によって様々であり, その形態や機能の多様化は様々な環境への適応や餌の特殊化と関係しています. 特に, 円網という洗練されたデザインがどのように進化したか, という疑問は, 古くからクモ学研究の中心的命題となっています.
また, 多くのクモが二次的に網を失っており, 徘徊や待ち伏せによって餌を捕らえるスタイルを獲得しています.
クモは様々な生物を餌とします. 昆虫や他のクモ類をはじめとする節足動物に加え, 魚類やカエル・トカゲ, ヘビ, ネズミ, コウモリ, 鳥類なども餌に含まれることがあります. また, 花粉や花蜜といった植物由来の資源も餌として利用します.
多くのクモ類は多様な餌生物を捕食するジェネラリストですが, アリ食性(myrmecophagy)やクモ食性(araneophagy), ガ食性(Lepidopterophagy)など, 特定の餌への特殊化(dietary specialization)も繰り返し生じています. これに加え, 網や捕獲行動, 毒といった捕獲形質も多様性に富んでいるため, 動物の食性特殊化や多様化の進化的背景を探るうえで非常に有用な分類群として扱われています.
体長1-3㎜程度の微小種から構成されるグループです. 世界の熱帯域等から130種あまりが知られます.
森林や草地, 湿地, 洞窟など多様な環境に生息し, 種や生息環境によって異なる網型や採餌習性を示します.
(画像は全て上記ブログより引用)
他のクモを主な餌とする習性をもち, 様々な系統で複数回生じています1).
多くの種は造網能力を棄て, 他種の網に侵入することで網主を捕獲します.
網への侵入やクモの捕獲は反撃のリスクを伴うため, 様々な行動2)や形態形質3)が進化してきたと考えられています.
(画像は全て上記ブログより引用)
1) Pekár S, Coddington JA, Blackledge TA. 2011. Evolution 66: 776–806. 2) Jackson RR, Wilcox RS. 1994. Behavior 127: 26-36.3) Pekár S, Sobotník J, Lubin Y. 2011. Naturwissenschaften 98: 593–603.センショウグモ科 family Mimetidae
科レベルでクモ食いに特化しています. クモの網に侵入し, 網主を前脚および牙で捕獲します.
コガネグモ科 family Araneidae
クモ食性種はカナエグモ属Chorizopes属しか知られていません. 餌を咬み伏せて捕獲します.
ヒメグモ科 family Theridiidae
複数の属からクモ食性種が確認されています. 粘球糸を用いてクモを捕縛します.
普段はクモの網に居候して餌を得ているものの, 網主が脱皮した直後などに襲い掛かる種も知られます.
ハエトリグモ科 family Salticidae
日本からはPortia属が知られます. 視覚・振動・化学感覚などをフルに活かしてクモを狩ります.
ユウレイグモ科 family Pholcidae
造網性のグループですが, 一部の種はクモも捕食します.
新分類群 New taxa
Agelenidae タナグモ科
Coelotes kunigamiensis Okumura, Suzuki & Serita, 2020 クニガミヤチグモ
Amaurobiidae ガケジグモ科
Callobius breviprocessus Okumura, Suzuki & Serita, 2020 オキナワガケジグモ
Callobius cavernarius Okumura & Suzuki, 2022 エラブホラアナガケジグモ
Callobius shimojanai Okumura & Suzuki, 2022 モトブガケジグモ
Araneidae コガネグモ科
Araneus matsumotoi Suzuki & Tanikawa, 2021 カクレコケオニグモ
Gnaphosidae ワシグモ科
Cladothela bicolor Suzuki in Suzuki & Tatsuta, 2022 ヒムネワシグモ
Micaria longimana Suzuki in Suzuki & Tatsuta, 2022 テナガツヤグモ
Linyphiidae サラグモ科
Arcuphantes bandoi Suzuki, 2025 バンドウヤミサラグモ
Oonopidae タマゴグモ科
Ischnothyreus ogatai Suzuki, Hidaka & Tatsuta, 2023 オガタヨロイダニグモ
Theridiosomatidae カラカラグモ科
Sennin Suzuki, Hiramatsu & Tatsuta, 2022 ホラアナカラカラグモ属
Sennin tanikawai Suzuki, Hiramatsu & Tatsuta, 2022 イリオモテホラアナカラカラグモ
Theridiosoma alboannulatum Suzuki, Serita & Hiramatsu, 2020 シロワカラカラグモ
Theridiosoma dissimulatum Suzuki, Serita & Hiramatsu, 2020 ナンゴクカラカラグモ
Theridiosoma fulvum Suzuki, Serita & Hiramatsu, 2020 アメイロカラカラグモ
Theridiosoma nigrivirgatum Suzuki, Hiramatsu & Tatsuta, 2022 ジャバラカラカラグモ
Theridiosoma paludicola Suzuki, Serita & Hiramatsu, 2020 ミナモカラカラグモ
Wendilgarda ruficeps Suzuki, 2019 ムナアカナルコグモ
献名
Masirana suzukii Ballarin & Eguchi, 2022 ティラガマヒナマシラグモ