乳の街 


このインスタレーション作品は、乳の形をした数百個の建物で構成されたミニチュア都市である。

 乳の「建物」の表面にはかわいい紋様が描かれている。この街には主要交通道路が整備されており、電車「小宝」線が定期的に走っている。 明るい色と生き生きとした街の雰囲気の中で、身体の固定観念から離れて、新しい視点で私たちの身体を認識する試みだ。 


作品は固定されておらず、大人も子どもも自由に作品に触れ、移動させて、自分が好きな街を組み立てる。子どものおもちゃのような作品とオープンな環境で遊ぶことで、いろいろな意識を捨てて、人と身体の距離が近くなる。


ほとんどの、自分の身体についての客観的とされる考えは先入観に基づいていて、私たちが身体に与えているさまざまな先入観は、自分自身で身体を知ろうとすることを妨げていると思う。 子どもの性教育に関しては特にそうだ。 

性の危険性、身体の羞恥心などの意識は、社会が子どもへの性教育を避ける原因となり、子どもが科学的な知識に基づいた性教育を受ける権利も損なわれる可能性がある。

作品を通して、身体や性について話すことに人々がまだプレッシャーを感じている環境の中で、性教育に新しい視点を提供し、アートが身体を理解するもう一つの優しい方法とならないだろうか。