ひとり親世帯の家で生活する1か月間

2020年末、東京のひとり親家庭に1ヶ月間入所した(36歳のシングルマザーと2歳3ヶ月の女児からなる家族)。毎日見たり、出会ったり、参加したこの家族の日常を、会話や日記、写真を通して観察・記録していったのだ。 これらの日常的で些細な記録を通して、私はシングルマザーの日常を再認識し、実際のシングルマザーとその子供の生活の一部と、彼らが今日直面しなければならない困難さを示している。


2020年、世界中コロナの報道で溢れかえり、各界の皆さんにとっては大変な一年だったと思う、 私は一人で東京に滞在になってた。 その年の夏、あるニュースが私とても気になっている。 東京都大田区のシングルマザーが、3歳の娘を一人で家に閉じ込め、生きたまま餓死させたという事件があった。


この悪質な事件の後、ネット上ではほとんどがシングルマザーの怠慢と残酷さを非難する声であふれ、「鬼母」と呼ばれるシングルマザーの個人情報までが大量に出回った。 発掘された写真の多くは、子供と母親が一緒に笑い、楽しそうにしているものです。

この事件からちょうど1カ月後、中国湖南省の若い母親が2人の子供を13階から突き落とし、自らも飛び降り、1万字の遺書を残していった。

2020年1月、市原市の母親が「育児放棄」によって生後10カ月の娘を栄養失調と心不全で死亡させ、警察に虐待容疑で逮捕された。 シングルマザーの彼女は、5歳の娘と3歳の男の子の面倒も見ていた。

その2カ月後、中国の四川省でうつ病を患ったシングルマザーが、子供を自分に縛り付けて川に身を投げ、数日後に遺体が発見された。

2010年に大阪で、シングルマザーが1歳の息子と3歳の娘を自宅に放置して餓死させる事件が発生し、当時日本中に衝撃を与えた。

2016年1月には埼玉県で22歳のシングルマザーとその同棲相手が一緒に4歳の娘を自宅に放置して死亡させる事件が発生している。

2019年6月、仙台で26歳のシングルマザーが2歳の娘を9日間も一人で家に残し、餓死させる事件が発生した。


子どもは、完全な人格を持ち、生きるための完全な権利を持つ独立した生物であり、誰もそれを自由に奪うことはできない。 しかし、たまにこういうニュースが流れると、悲しくなる一方で、なぜこの母親たちは、母親から我が子を殺す犯罪者になってしまうのだろう、と思ってしまうのです。 問題を解決するための一見良い方法がたくさんあるのに、なぜ彼らは最も苦痛で極端な方法で母性を終わらせることを選ぶのでしょうか。 なぜ、彼らは母性を終わらせるために、最も苦痛で極端な方法を選んだのでしょうか? 子供との絆を終わらせるために? 何が彼らをその気にさせたのか。


"HALF THE SKY  "という本には、"人は突然起こった出来事だけに注目し、日々起こっていることには気づかない "と書かれています。

悲劇が起こるまでの間、母親の心理状態、職場環境、家庭環境、収入、子供の健康問題、生活雰囲気、人と交流などはほとんど無視された。

中国のシングルマザーは1940万人(2020年統計)、日本は132万3000人(2016年統計)


事件発生した後ニュースに載せた写真

私は母親一人に育てられたので、このようなケースを関心する理由の一つかもしれない。

私成長の間に、シングルマザーである母の日々の目撃者として、お母さんは若い元気な女性から、今のような病弱な中年女性になったプロセスをみた。 シングルマザーが子育てにかける肉体的・精神的な労力は言葉では言い表せないほどです。 時間や力を割くだけでなく、その子育ては健康や心にも大きな負担をかける。 なぜなら、家族が同じ時間でやらなければならないことを一人でやらなければならない、分担もせず、話し合いもせず、会話もせず、保護もせず、他人の理解もほとんど得られない。 (中国の政策ではシングルマザーに対する生活保護はあまりすくない)。

シングルマザーの生活がいかに大変かは知っているけど、子供頃の記憶が遠すぎて、自分が母親とどのように育ったかを正確に思い出せない部分もあるし、時代はすぐに変わり、国によって政策も異なる。 今の時代、シングルマザーというのはどういうものなのか、私が住んでいるところ(東京)ではどうなっているのか、流行の影響を受けているのかいないのか、毎日何が起きているのか、よくわからない。 彼らの現実の生活を知るために、「ひとり親世帯の家で生活する1か月間 」という活動を企画した。

2020年東京のひとり親家庭(36歳のシングルマザーと2歳3ヶ月の女の子)に1ヶ月間入り、この家庭で毎日目にしたものを会話や日記、写真で観察記録する。 会話や日記、写真を通して、出会い、遭遇し、参加した家族の日常を観察し、記録する。 これらの日常的で些細な記録を通して、シングルマザーの日常を再現し、シングルマザーとその子供の生活の一部と、同居人である私との関係のあり方を示している。