AfterEffectsのメニューにスクリプトを表示する

スクリプトメニューに表示させるには手順が必要です

ここではAfterEffectsにスクリプトを登録する方法を説明します。Photoshopの説明はこちら

はじめに

初心者のためのAfterEffectsスクリプトの導入方法です。

AfterEffectsでは、様々なコマンドをスクリプトとして書くことで自動化できます。標準機能だと手動で、あれやって、これやって、次にこうやって、その次にこうして、こうして...って何十秒、何分かかっていたものが一瞬で処理できます。

拡張子はjsxやjsxbinになります。AfterEffectsのメニューからこれを実行することで楽ちんになります。

ファイルの保存場所と起動方法

ファイルはどこに置いていても実行できますが、既定の場所に置いていると、AfterEffectsのメニューに表示されるのでアクセスが楽です。

アプリケーションインストールフォルダにある、

C:\Program Files\Adobe\Adobe After Effects CC 2018\Support Files\Scripts

(AfterEffectsのバージョンに合わせてフォルダ名は変わります)

もしくは環境設定のフォルダ内にある、

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Adobe\After Effects\17.1\Scripts

17.1の部分はインストールしているバージョン毎にフォルダできているはず。

どちらかにスクリプトファイルを置いてからAfterEffectsを起動すると、「ファイル」メニューの「スクリプト」の中に表示されます。これをクリックで実行できます。メニューにないものは、「スクリプト」内の「スクリプトファイルを実行...」からスクリプトファイルを選ぶと実行できます。

昔は前者だけでしたが、いつからかスクリプトファイルをAE上にドロップすることでもインストールできるようになり、それを使った場合は後者にファイルがコピーされます。

「Scripts」フォルダを見ると、他にもフォルダがあります。(環境設定の方にはScriptUI Panelsフォルダは存在しないかもしれないが、作成すれば同様に使える)

・Startup

この中に置いたスクリプトはAfterEffectsの起動時に自動的に実行されます。

・Shutdown

この中に置いたスクリプトはAfterEffectsの終了時に自動的に実行されます。

・ScriptUI Panels

AfterEffectsのUIは「プロジェクト」「コンポジション」「レンダーキュー」などいろいろなパネルが組み合わさっていますね。この中においたスクリプトは、それらのような「ドッキング可能パネル」として起動できます。ただし、どんなスクリプトでもいいわけではなく、パネル起動を想定してスクリプトが作成されている必要があります。

「ScriptUI Panels」フォルダに置いたスクリプトは「ファイル/スクリプト」メニューの中には現れません。「ウィンドウ」メニューの一番下に出てきます。「ウィンドウ」メニューはもともとAfterEffects標準のパネルの表示/非表示を選ぶためのメニューです。それらと同じ様に扱えるScriptUI Panelsもそこに表示されるというわけですね。

CCのどこかのバージョンからは、プロジェクトパネルにスクリプトファイルをドロップするだけで登録出来るようです。わたくし未だCS6メインなので詳しい事情は分かりかねます。もっと偉い人たちいっぱいいるからググってください。

ショートカットを割り当てると楽

よく使う機能をスクリプト化して時短を図っているのに、毎回「ファイル/スクリプト」メニューを辿って実行するのは面倒です。「スクリプト」メニューに表示されているスクリプトにはショートカットキーを割り当てることができます。

KeyEd Up.jsx というスクリプトを使うと、UI上でショートカットキーを設定できます。設定後はAfterEffectsを再起動したら適用されます。昔デフォルトで入ってたような気がしますが、気のせいか?覚えてないけど、ググれば出てくるでしょう。

CC2018から?か知らないけれど、ショートカットキー割り当てを編集出来る機能がつきました。「編集/キーボードショートカット」メニューを実行すると、なんやかっこいいウィンドウで設定できるっぽい。

なんかシャレた感じで設定できる

本当にパソコンが苦手な人はこれらのツールを使って編集するのが無難です。

しかし個人的に一番慣れてるのは「設定ファイルを直編集」です。下手にいじると、限りなく存在するAfterEffectsのショートカットが崩壊しますので注意ですが、そこまでしてしまう人は逆にすごいですね。

ショートカットのファイルは、CS6の場合、

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Adobe\After Effects\11.0\Adobe After Effects 11.0 ショートカット.txt

になります。バージョンによって11.0の部分は変わります。CC2018だとフォルダ階層が増えて、

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Adobe\After Effects\15.0\aeks\After Effects のデフォルト.txt

になりました。複数のファイルで保持しておくことが出来ます。

単なるテキストファイルですので、メモ帳で編集できます。念の為、編集前のファイルをコピーして取っておくのが無難です。ファイル名は適当に変更してください。

ショートカットのファイルをメモ帳で開いて、Ctrl+Fで検索をウィンドウを開き「script」で検索します。2回位「次を検索」すると "ExecuteScriptMenuItem01" = "()" と書かれた行が出てきます。この "( )" の中に割り当てたいショートカットキーを書くと、ショートカットキーを設定できます。書き方は他の行を参考にしてください。各キーの綴りは、このファイルの最初にリストされてますのでそちらも参考に。

ショートカット割り当て時の注意

さて、"ExecuteScriptMenuItem01" = "()" の下の行には "ExecuteScriptMenuItem02" = "()"、"ExecuteScriptMenuItem03" = "()"、...と続き、20までありますね。スクリプト20個までショートカットが登録できます。ちなみに自分で"ExecuteScriptMenuItem21"を作っても無視されます。

ここでの登録は「このスクリプトのショートカットがこれ」という割り当てではありません。「ExecuteScriptMenuItem01」を訳してみると「スクリプトメニューの1個目のアイテムを実行」てな感じですね。「ファイル/スクリプト」で表示されている1個目のスクリプトを実行するショートカットになります。

つまりスクリプトメニュー内での表示順序が重要になります。折角ショートカットキーを割り当てても、新しいスクリプトを導入したり要らないものを削除して表示順序が変わってしまうと、違うスクリプトが実行されてしまいます。

表示順を変えないために「Scripts」フォルダ内のファイル名の先頭に01、02、...のように数字をつけることをおすすめします。スクリプトを削除するときは、数字が中抜けになってしまわぬよう、代わりに適当なスクリプトを置いておくのがいいでしょう。

AfterEffectsにはとんでもない数のショートカットキーが最初から割り当てられています。それらとカブらないように注意しましょう。ショートカットが競合してしまうと、スクリプトが実行されなかったり、逆に本来の機能が働かなくなったりします。

AfterEffectsの扱いに慣れてきて、初期設定で割り当てられてるけど使わない、というなら奪ってしまっても構いません。

ちなみにショートカットが割り当てできるのは20個までですが、「ファイル/スクリプト」メニューへの表示は21個以上でも可能です。

スクリプトメニューの例

オススメのショートカットキー

ショートカットに割り当てできる組み合わせは、テキストファイル冒頭に書いてある各キーを基本としてそれぞれに修飾キー(Ctrl,Shift,Alt)の組み合わせが可能です。

  • キー単独

  • Ctrl+キー

  • Shift+キー

  • Alt+キー

  • Ctrl+Shift+キー

  • Ctrl+Alt+キー

  • Shift+Alt+キー

  • Ctrl+Shift+Alt+キー

1種類に対して8通りの候補があります。

しかし先程も書いたようにAfterEffectsの初期設定でかなりのパターンが埋まっています。空いている組み合わせを探すのも大変です。そんな中、個人的にオススメの組み合わせがあります。

  • Ctrl+Pad1(~9)

です。「Pad◯◯」というのはテンキー側のキーを指します(ノートPCの場合使いにくいですが)。

Ctrl+0だけは初期設定で割り当てがされているのでそれ以外です。(「RAMプレビューを保存」のショートカットが要らないならCtrl+0も使っていいかと。)

いろいろな組み合わせを覚えるよりも「Ctrl+数字」のほうが覚えやすいしすぐ押せるし迷いにくいかと。足りなくなったら、Ctrl+Shift+1(~9)も空いてるのでどうでしょう。

スクリプト本体を持っていかない

一般的には「Scripts」フォルダにjsx/jsxbinファイルを置けばいいのですが、社内用ツールのように大勢が使う想定の場合、スクリプトの更新がある度に各PCに上書きして回るのはめんどくさいです。「各々で上書きして!」と言っても絶対にやらない人がいます。ですのでスクリプト本体を持っていかずに、スクリプトファイルへのショートカット作成し、それを「Scripts」フォルダや「ScriptUI Panels」フォルダに置きます。そうすることで、更新時にサーバー上の本体ファイルを上書きするだけで全員にアップデートを適用することができます。