里山とは、自然と都市の間に位置する地域で、人間との繋がりによって環境が維持されてきました。
しかし、現在では里山を利用する機会が減ってきたことで、多くの里山が荒れてきています。
2008年に発足した「吉田山の里山を再生する会」の活動場所である吉田山は、市街地にある標高100mほどの小さな山です。
ここには多くの動植物が生息し、山頂の公園にはお子様からお年寄りまで多くの方が日々訪れます。
私たちは、この吉田山が憩いの場・安全な場であり続けられるよう、様々な活動をおこなっています。
衛星写真からもわかるように、吉田山は市街地のなかにポツンとある、孤立丘という山になります。
標高は100mほどと低い山なので、すぐに登ることができます。
入り口はたくさんあり、いろんな方向からの散歩を楽しむこともできます。
大通りである今出川通(北側)の鳥居から登るルートでは、途中の展望台からは大文字を眺めることができ、標高は低いといえども良い眺めを楽しめます。
また、様々な動植物も生息しており、一年を通じて自然を楽しむことができます。
月に一度、吉田山山頂公園付近で整備活動をおこなっています。具体的には以下のような活動が挙げられます。
吉田山には毎日多くの方が訪れますが、人間が手を加えないと荒れ果てて危険な山となってしまいます。
例えば、暗くて湿った場所にはカエンタケという非常に危険なキノコが生えてしまいますし、ヤブがあるとスズメバチが巣を作ってしまいます。
また、近年はナラ枯れやマツ枯れ、台風などにより大きな木も倒れてしまうことがあり、このような木を放っておくと、非常に危険です。
安心・安全な里山環境を維持するために、危険木の伐採・下草刈りなどを定例活動としておこなっています。
吉田山は平らな盆地に広がる市街地にポツンと佇む山です。
山からは市街地を一望できるとともに、大文字山や比叡山を眺めることができます。
しかし、何もしないとヤブや大きな木によって景観が悪化してしまうことがあります。
それだけでなく、うっそうとした森は見通しが悪く、治安の悪化にも繋がります。
このため、適度に人間が手を加え、ヤブと切り払ったり、木を切り倒したりなどの活動をおこなっています。
また、このことが明るい林をつくり、ツツジやツバキの花が咲きやすくなったり、サクラやモミジが成長しやすくなったりします。
最近では京都市動物園さんと協力し、吉田山で出たアラカシやアカメガシワなどの伐採木を動物園のキリンやゾウのご飯として提供することで、木を切り出す川上から、それを動物が食べる川下までのサプライチェーンを構築するという試みもおこなっています。
間伐・下草刈り 伐採した枝葉はチッパーで粉砕し堆肥に
動物園への伐採木の提供 ラアカシ、アカメがシワ、エノキ、トウネズミモチ、笹などを毎月の作業日に届けています。
山中の歩道に階段を設置。伐採した木の太枝を桁にして、樫などの硬い樹木の枝を杭にします。急傾斜地の歩行者が転ばないために設置していますが、木の階段は3年もたつとすげ替える必要があります。
危険木の伐採:高所作業や急傾斜地での伐採などは素人には太刀打ちできません。そのような場合は、林業の専門業者さんに委託作業をお願いしています。40メートル級の大木もクレーン車が入ってあっという間のお仕事に会員一同拍手喝采。あたりが明るくなり、高木倒壊、枯れ枝の落下などの危険がなくなりました。
京都府
京都市
京都東ロータリークラブ
イオン環境財団
平和堂財団 夏原グラント
吉田神社・吉田氏子講社
ボーイスカウト京都第42団
京都・薪ストーブ友の会
吉田山を美しくする会