吉田病院緩和ケア
研修プログラム
Last update 2025.09.03
吉田病院緩和ケア
研修プログラム
Last update 2025.09.03
📣新着情報
2025. 9.3 臨床研究ページをアップしました (※ページメニューからご覧になれます)
2025. 4.12 遺族調査(JHOPE5研究)の結果をアップしました
2025. 4.9 スタッフ紹介を更新しました
2025. 4.1 専攻医インタヴューページをアップしました(※ページメニューからご覧になれます)
吉田病院は日本緩和医療学会の認定研修施設です。緩和ケア病棟を中心に訪問診療、緩和ケア外来も行っており、シームレスな緩和ケアの実践について研修することができます。病棟は看取りが多いですが生存退院する患者も約4割おられ早期の症状マネジメントおよび在宅療養に向けての多職種連携についても学ぶことができます。また当院は内科病棟および精神科病棟を併せ持つ地域に密着した中規模病院であり、認知症や非がん慢性疾患を抱える高齢患者の緩和ケアについて研修する機会も豊富です。
・緩和医療学会認定緩和医療専門医の取得を目指す医師
・緩和ケアの研修を希望する医師
・2年間の初期臨床研修を修了した3年次以降の医師
・厚生労働省基準の「がん診療にたずさわる医師に対する緩和ケア研修会」を修了していることが望ましい
・当院の歴史は古く、1928年、吉田正一氏が俸給者の極楽郷としてサラリーメンスユートピアを目指し「あやめ池サナトリウム付属脳神経病療養所」として奈良県初の精神科病院としてスタート。1931年「吉田病院」と名称を改め、内科・外科・大腸肛門科・婦人科・眼科・整形外科を併設して「こころ」と「身体」を共に治療ができる病院として診療開始しました。
・現在の病床数は312床(一般99床(緩和ケア病棟・地域包括ケア病棟・急性期一般)、精神213床(精神科救急急性期・精神一般)
・場所は近鉄大和西大寺駅から徒歩15分(送迎バスもあります)と、比較的アクセスはよく、大阪や京都方面から通勤する人も多いです。
・入院診療
当院緩和ケア病棟への入院目的は、最期の療養だけでなくレスパイトや在宅療養にむけての調整目的での依頼理由も多く、個々の目的に応じた治療計画の立案について学ぶことができます。質の高いケアの提供には多職種連携が不可欠であり、それぞれの職種の役割や特徴を知り円滑な多職種協働を行うための方法を学ぶ機会にもなります。
・訪問診療
吉田病院の連携診療所エリア内に在住する患者の自宅を定期訪問し診療を行います。MCSなどのツールも用いながら訪問看護スタッフと連携し、症状悪化時にも在宅療養を継続できるようなマネジメントや必要に応じて入院調整を行うなど臨機応変な対応力について学ぶことができます。
・外来診療
緩和ケア外来に通院する患者および家族に対して、症状マネジメントや意思決定支援などの支援を行います。信頼関係を築きながら苦痛病状のアセスメントや治療を行うとともに、病状に応じて受診の頻度を調整したり入院診療や訪問診療への切替えを行うなどの柔軟な判断力を養う機会となります。
・教育・研究・発表
医療スタッフや地域住民等への緩和ケアの啓発・普及・教育に協力します。当院の職員向け研修や地域の医療者向けの研修会でのレクチャーや学会発表や論文作成など機会は豊富です。緩和ケアに関する臨床研究にも積極的に参画しており、興味や関心に応じて様々な機会を提供できます。
緩和ケア病棟入院件数 245人(うち死亡退院者145人(59%))
(2023年9月~2024年8月)
がん患者在宅看取り数 75人※(※あやめ池診療所、とみお診療所、ならやま診療所の合計)
(2023年4月~2024年3月)
専門医取得を目指す者は2年間以上の研修が望ましいですが、研修の目的や事情により研修期間については柔軟に対応させていただきます。
研修の目的や期間などにより柔軟にご相談に応じさせていただきます。
部長 加納麻子(かのうあさこ)
資格
日本緩和医療学会認定緩和医療専門医
ひとこと
病院ラジオのような出会いと感動に日々感謝!
医員 松本篤(まつもとあつし)
資格
日本消化器病学会消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
ひとこと
病気だけでなく人をまるごと診ることのできる医者でありたい
医員 羽多野裕(はたのゆたか)
資格
日本緩和医療学会認定緩和医療専門医
日本精神神経学会認定精神科専門医
ひとこと
おごらずリスペクトの気持ちを忘れずに
医員 坂東直樹(ばんどうなおき)
資格
総合診療専門医
家庭医療専門医
ひとこと
がん患者および非がん患者が抱える苦痛を全身的苦痛(total pain)として包括的に理解し、患者・家族のQOL向上のために緩和ケアを実践する。また本分野の教育や臨床研究について必要性を認識し実践する。
1包括的アセスメント
患者の苦痛を全人的に理解するとともに、痛み、痛み以外の身体症状、精神症状、社会的問題、スピリチュアルペインなどそれぞれの苦痛に対して適切なアセスメントを行い治療・ケアの計画ができる。
2家族ケア・遺族ケア
家族の背景や患者との関係を把握し、家族の病状認識や見通しに応じて適切に情報提供やケアを行うことができる。また予期悲嘆や死別後の悲嘆について理解し適切な支援計画をたてることができる。
3コミュニケーション
SPIKES, NURSEなどのコミュニケーションスキルを理解し患者・家族の心情に配慮しながら、適切な情報提供や意思決定支援を行うことができる。また医療スタッフと円滑なコミュニケーションをはかり協働していくことができる。
4倫理的問題
臨床倫理の基本原則を理解し、治療の中止や差し控えなどの倫理的問題について多職種のスタッフと検討することができる。
5意思決定支援
ACPの概念を理解し、患者・家族と治療やケアについて話し合い、ともに計画作成を行うことができる。また患者・家族の自律性を尊重し療養場所の決定についての意思決定支援を行うことができる。
6予後予測
がんおよびその他の進行性慢性疾患の病気の軌跡を理解し、予後予測ツールを用いながら患者の生命予後を予測することができる。また看取りの時期を適切に判断し、患者および家族に対し臨死期の適切なケアを提供することができる。
7苦痛緩和のための鎮静
鎮静の適応となる症状や生命予後について適切にアセスメントし、患者・家族の希望および医療スタッフの考えを踏まえて合意形成することができる。また患者の安楽が保たれるよう適切な鎮静の計画立案ができる。
8チーム医療、スタッフケア、コンサルテーション
チーム医療について理解しチームの一員として協働するとともに、時にリーダーシップを発揮しチーム全体の能力向上に貢献する。またスタッフの心理的状態やストレスにも配慮することができる。コンサルテーション活動として、依頼元の医療者とコミュニケーションをはかりながら、ガイドライン等に基づいて適切な推奨を行うことができる。
9地域連携
地域のリソースを把握し、患者・家族の希望や病状に応じて適切な療養場所の支援をすることができる。
10非がん疾患の緩和ケア
心不全、認知症、神経難病などの進行性慢性疾患患者に対して適切な緩和ケアを提供することができる。
11腫瘍学
がん診療(がん薬物療法、外科療法、放射線療法)および腫瘍学的緊急症(高カルシウム血症、脊髄圧迫、SIADHなど)について理解し、専門家と協働し適切に対処することができる。
12教育・研究
地域における緩和ケアの教育・啓発・普及活動に参画することができる。
また臨床研究の重要性を理解し緩和ケアに関する学会・研修会に積極的に参加し、診療・研究業績を発表することができる。