4月のテーマ:グナ
4月のテーマ:グナ
ヨーガ哲学によると自然界のあるあらゆるものは3種の性質(グナ)でできているそうです。
タマスは動きの鈍さ、静かさ、落ち着き、休む事、あるいは無気力、自分の殻に閉じこもる事、自分以外のことや人に興味を持たない事など。守りの姿勢ですね。
ラジャスは動きの激しさ、落ち着きのなさ、(過)活動、頑張り、やりすぎ、不安や怒り、渇望など。攻めの姿勢です。
サットヴァはバランスのとれた活動、落ち着きながら行動をとれること、周囲とのつながりを感じる事、幸福感、平和の姿勢です。
私たち生き物もタマス(鈍質)、ラジャス(激質)、サットヴァ(純質)という3つの性質を帯びて生まれてきて、ある性質が優勢になったり異なる性質が組み合わさったりしながら生きているそうです。この3つの状態、どれもなんとなく経験あるかも、って思いませんか?上の写真の猫ちゃんたちはグナでいうとどんな状態だと思いますか?(答えは一番下に)
ぱっと見サットヴァがバランスのとれた良い状態に思えますね。実際にそうなんですが、タマス(休む事)もラジャス(頑張ること)も人間が生きていくのに欠かせない性質です。この3つの性質を揺れ動くからこそ生きている感じがするとも言えると思います。
ヨーガではこの3つの状態を揺れ動きながら各状態にいることへの気づきを練習します。
紀元4〜5世紀に書かれたと言われているヨーガ・スートラに出てくる歴史の長いグナの概念ですが、最近のヨーガ研究では迷走神経、特にスティーブン・ポージェス博士が1990年代に提唱したポリヴェーガル理論と関連づけられて議論されています。(注1)
ポリヴェーガル理論をもとにグナを読み解くと、
タマス:
自分の殻に閉じこもり、不動になること(背側迷走神経複合体)=世界と自分とのつながりが完全に絶たれた孤独な状態
ラジャス:
逃走/闘争モードに入って激しく活動すること(交感神経)=世界は逃げるもしくは戦う場所として認識される
サットヴァ:
周りの人や世界とつながり、協働すること(腹側迷走神経複合体)=世界は自分にとって安心な場所として認識される
となります。ポリヴェーガル理論がヨーガにもたらした成果で特に私が大切に思っている点は、
グナが自律神経との関連で理解できたこと
人と世界(や社会や人)とのつながりというわりとボヤっとしていた(だけどとても大切な)概念が、神経系の理論を介して科学的に説明できたこと
です。
4月はこのグナの概念を取り入れながら、体(体性感覚)、気分(内受容感覚)、頭(思考)でグナがどんな風に感じられるかをテーマにしてみたいと思います。
(注1)https://www.frontiersin.org/journals/human-neuroscience/articles/10.3389/fnhum.2018.00067/full
(答え)猫ちゃんたちはタマス(休息)の混ざったサットヴァ(つながり)の状態にいるんだと思います^^