9月のテーマ:気分
9月のテーマ:気分
夏休みが終わったと思ったらもう9月!レイバーデーが終わって、これから秋に向かって暑さが落ち着いていく季節ですね。
暑さは落ち着いていきますが、これから冬に向かって行事も増えていきますし、気分的にはそわそわ/ワクワクした時期に入るかもしれません。
9月のテーマは「自分の気分を知る」です。クラスでは「元気の量、エネルギーの量、気分」と呼んでいます。概念的にはわかりにくいかもしれませんが、体ではおそらくみなさんが日常的に感じてらっしゃるものだと思います。例えば、寝不足の次の日の気だるさや、食事をたくさん摂ったあとに何もしたくなくなる感じ。もしくは何かの本番を前に力がみなぎる感覚や緊張感、体は疲れているはずなのになぜかやめられない真夜中の模様替え(笑)。やる気やエネルギーの低さ→高さのベクトルとして言葉で表現すると、次のような言葉が当てはまると思います。
「疲れている→元気がみなぎっている」「エネルギー不足→エネルギーが余っている」「やる気がない→やる気がありすぎ」「力が抜けている→全身が緊張している」「めんどくさい→全部自分でやり切りたい」「逃げ出したい→戦い切りたい」
もちろん、このベクトルの中間にはグレーゾンがあって、おそらく通常ははこの極端な2つの状態の中間のどこかに気分はあるのだと思います。中間を表す言葉は「落ち着いている」「リラックスしている」「心が開いている感覚」「誰かと楽しくおしゃべりしたい気分」「目標のためにがんばりたい」「チャレンジを乗り越えられそう」そんな感じでしょうか。
ヨーガではこのエネルギーの要素をプラーナマヤコーシャと呼び、体と心を結びつける要素とされています。また、呼吸と深い関わりが指摘されています。
気分が体のコンディションに左右されることは、寝不足の時や栄養不足の時に気分がゆらぐことを考えると簡単に理解できると思います。では気分と心の関係についてはどうでしょうか?この関係を理解するには1980年にジェームズ・ラッセルという人が提唱した、感情の円環モデルがヒントになると思います。
上のRusselの感情円環モデルでは、神経の覚醒度/活性度が縦軸に使われています。この縦軸が上記の気分の高低とだいたい重なります。
それに「快・不快」の感覚を横軸として追加し、その周りに分布されるのが、様々な心の状態(=感情)です。
快不快の感覚というのもヨーガ的にはとても大切なコンセプトなのですが、とりあえずこれは置いておくとして、「気分」の縦軸に感情という心の動きが伴っていることが理解できると思います。
ヨーガを修行として行なっている人は、この縦軸のなるべく中心に自分を持っていき、心が左右されない状態で瞑想に入っていきます(横軸の快不快の克服も大きな目標ですので、ヨーガが完成した人は円の中心にいるのでしょうね)。私たち一般人は山の中で一人で修行しているわけではなく、社会生活や家族生活を送っているので、日々色々な出来事に直面しては神経が昂ぶったり、深い疲労感に襲われたりすることを免れません。そんな私たちがヨーガを通して養いたいのは、昂ぶった神経は落ち着きの方向に、やる気をそぐような倦怠感が襲ってきた時はもうすこし元気を感じられる方向に、どちらの方向にぶれてもなるべく中心に戻って来れるような力です。
これが思ったよりも難しいことはみなさんも体験したことがあるのではないでしょうか。やる気のない時に無理に「がんばろう!」と思ったり、すごく神経が昂ぶっている時に眠ろうとしても、うまくいかなかった経験はありませんか?頭で「こうすべき」と思っていても、気分というのは思い通りに調整できるものではないからです。それは気分というものが自律神経というまさに「自分の意思ではなく自律的に調整されている神経」の支配下にあるからです。
ヨーガではこのアクセスが難しい気分の領域を、呼吸法と体を用いて調整します。
呼吸は自律神経で唯一意思的にコントロールできる機能です。呼吸の仕方を意識的に変化させることで、自律神経を介して気分のバランスをとります。そして体を動かして色々なポーズをとったときに体の中で感じる気分の高域(筋肉が緊張して、がんばっている感があるとき)と低域(筋肉が弛緩して、リラックスしている時)をくりかえし観察していきます。観察して自分の気分を意識下におくことで、エネルギーがどの域にあっても体と心のコンディションを自分のコントロール下に置くことができるからです。
ヨーガを実践する医師の先生から聞いた言葉です。「ヨーガとは、自分のエネルギーの上と下を自分で知ること。それこそがセルフレギュレーションです。」
長くなってしまいましたが、9月のクラスでは呼吸法と、自分の今の気分を意識していきたいと思います。読んだこと、あまり気にせずに頭を軽くしてお越しください^^