1.出題
2.事前準備
3.ディベート本番
普段のゼミの時には院生が作問した問題や,過去のディベート大会の問題,司法試験の過去問などを扱います。レポーターと交互に行う方式の場合は,前週のレポーターのテーマに沿った出題がされます。ほとんどが事例形式ですが,まれに一行問題のような問題もあります。
夏合宿では,合宿に参加するゼミの担当教員が持ち回りで出題します(2題)。6月頃に出題される傾向があります。
ディベートの担当になったグループは合憲・違憲側にわかれて事前準備を行います。出題された事例問題を分析し,どのような論点があるか,どんな主張の対立があるか,相手方からどのような反対尋問が予想されるか,問題が判例の射程に入るかどうかなどを検討し,立論シートを作成します。
夏合宿では,初日の午後に対戦するチームと顔合わせをして,立論シートを交換します。夕食後は各チームに分かれ,交換した立論シートをもとに対策会議(勉強会を行います)。
山元ゼミでは夏合宿ディベート大会のルール(早稲田中島ゼミ作成)に準拠してディベートを行います。以下では抜粋して紹介します。
大まかな流れは
立論(合憲側)10分
↓
立論(違憲側)10分
↓
作戦タイム 10分
↓
反対尋問(違憲側から合憲側へ)1人各5分
↓
反対尋問(合憲側から違憲側へ)1人各5分
↓
作戦タイム 10分
↓
最終弁論(違憲側)7分
↓
最終弁論(合憲側)7分
↓
採点・講評
となっています。
1.立論
グループの任意の1名が自グループの主張を述べます。
弁論における態度(1〜3点)と弁論の内容(1〜10点)が評価されます。弁論の内容は論理性に優れているか,理由について十分な裏付けがあるか,複数の理由が矛盾していないか等が判断基準となっています。
2.反対尋問
相手の主張に対して、質問を通じて反論を行います。質問側が応答側の1人を指名し1対1で行います。人数に差がある場合は,尋問は質問側も応答側も必ず全員が1回以上行うことになるため,2回同じ人が質問し,または質問を受ける場合があります。違憲側が全員質問し,合憲側が全員質問を受けた後に,攻守が入れ替わります。
反対尋問のルールとして,
①5分の時間の使い方は質問者に決定権があります。例えば,応答者の回答が質問の趣旨に沿ったものでない場合に,一方的に回答を打ち切り,次の質問をすることができます。
②逆質問は禁止。但し,質問者の質問の趣旨がわかりづらい場合に質問の趣旨を確認することは応答者に認められています。
③反対尋問をしていない他のメンバーは助言等を行うことができません。
反対尋問の採点は,各質問者の質問の内容(1〜5点),議論の活発度(1〜3点),各応答者の応答の内容(1〜5点),議論の活発度(1〜3点),チームの一貫性(1〜10点)で採点されます。
質問で最高評価となる基準は「テーマや自分たちの主張の十分な理解を背景に、防御側の主張に対し的確な質問をした。さらに、防御側の主張の矛盾を証明する、自分たちの主張の方がより優れていることを明らかにするなど、防御側の主張を覆すに足る質問をし、そのための十分な応答を得た」となっています。
応答で最高評価となる基準は「テーマや自分たちの主張の十分な理解を背景に、質問に対し的確な応答をした。さらに、攻撃側の質問に対し、攻撃側の主張を強める材料を一切与えなかった。もしくは、攻撃側の理解の不足を明らかにする、自分たちの主張の方がより優れていることを証明するなど、応答を自分たちの主張を強める機会として非常に有効に扱った」となっています。
3.最終弁論
グループの任意の1名(立論担当者以外)が 立論、反対尋問をふまえた上での自分たちの主張を陳述します。
最終弁論のルールとして以下のようになっています。
①後出しの禁止:立論・反対尋問で提示した以外の新たな論点を提示することはできない
②合憲(妥当)側は違憲(非妥当)側が新たに提示した論点(反対尋問に対する考えや指摘等)に対して、さらに返答することはできない。
最終弁論も弁論における態度(1〜3点)と弁論の内容(1〜10点)が評価されます。内容は立論、反対尋問を踏まえて構成できているかを基準に評価されます。
4.採点
上記の項目の他に,試合全体を通じての説得力・主張の一貫性(1〜10点),チーム全体での努力度・団結力(1〜5点)が採点されます。
複数の採点者が採点し,勝ちと評価した採点者の人数が多いチームがディベートの勝者となります。
採点後,通常のゼミでは院生・出題者・先生からの講評のあと,ゼミ生からのコメントや討議が行われます。