平成29年6月~10月 毎月1回(全5回)
① 6月17日(土)13:30~15:30 東北公益文科大学十日町オフィス(山形市十日町3-1-43 オビハチビル2F)
② 7月14日(金)18:30~20:30 山形市霞城公民館(山形市城西町2-2-15)
③ 8月10日(木)18:30~20:30 山形市総合福祉センター(山形市城西町2-2-22)
④ 9月 8日(金)18:30~20:30 山形市総合福祉センター
⑤10月 7日(土)14:30~16:30 東北公益文科大学十日町オフィス
「実践するドラッカー〈思考編〉」〔上田 惇生(監修) 佐藤 等(編著)・ダイヤモンド社/1,620円(税込)〕
成長し続けるためには、どのような「思考」と「行動」が必要か。成果をあげるために身につけるべき能力と心すべきポイントを整理した、セルフマネジメント実践の書。
テーマ:実践するドラッカー思考編 第1章 知識労働者として働く
出席者:10名
内容:初回ということで参加者の自己紹介から始まり、今後の読書会の進め方を説明し、初回のプレゼンターUさんから発表していただきました。
Uさんの分かりやすい発表と進行のおかげで、どのようにして自分自身あるいは社員に対して働く動機や意味づけをもたせるか、経験に投資することの大切さと行動する前の情報収集の大切さ、肉体労働者・知識労働者の区分けとブルーカラー・ホワイトカラーの区分けは同義か?、ファイブストレングスファインダーのテストをした人の結果紹介など、初回から濃密な意見交換を行うことができました。
テーマ:実践するドラッカー思考編 第2章 成長するために
出席者:8名
内容:プレゼンターは、Aさんと、Kさんのお二人にしていただきました。
お二人とも、それぞれ発表を工夫していただき、あっという間の2時間でした。
真摯さは修得できないという言葉について、「真摯さを持った人間になろうとすることで、真摯さを持つ人間に近づくことはできるのではないか」「人生観が変わるほどの大きな出来事や経験によって真摯さを持つようになることはあり得るのではないか」「真摯さを持とうと努力している人は、すでに真摯さを持っている人なのではないか」といった様々な意見がありました。いずれにしても、「真摯さ」という言葉はインパクトの大きい言葉であると再認識する機会となりました。
「仕事こそ自己を成長させる最高の道具である。」という言葉については、「結婚して子供を持つことも自分を成長させてくれるので、若い人には結婚して子供をもつことをお勧めしたい」というお話がありました。
「内なる成長」という言葉も、読書会でのキーワードとなりました。「仕事をとおして人間力を高めていくことが大切」「上司となることで、部下の仕事がうまくいくことについても喜びを味わうことができるようになった」「仕事を通して人の喜びを自分の喜びとすることができるようになった」というお話がありました。
「何をもって憶えられたいか」という問いについては、「答えを出す前に、自分が今でも感謝している人、尊敬している人はどういう人なのかを思い出してみるのも参考になるのではないか」「まずは家族、仕事仲間、友達といった具体的な人から、どのように憶えられたいかを考えると、考えやすいのではないか」という意見がありました。
まだ2回目ですが、一人では考えもつかない発想や、様々な経験に基づく意見が、闊達に交わされ、読書会の醍醐味を味わうことができました。
テーマ:実践するドラッカー思考編 第3章 貢献なくして成果なし
出席者:9名
内容:今回から、東北公益文科大学の佐藤隆也特任教授に参加していただきました。
プレゼンターは、Tさん、Sさん、Hさんでした。
Tさんからは、職場で勉強会を立ち上げたという報告があり、この勉強会の内容をどのようなものにしていくかについて意見交換をしました。参加者からは、異業種交流研修会で「生き生きとした職場づくり」「リーダーシップを発揮するには」というテーマで実施したというお話や、リーダー勉強会で職場で経験したことを発表することが効果的だったというお話がありました。
Sさんからは、「貢献」をどのように理解するしたらいいか難しいという問題提起がありました。参加者からは、「貢献」を「役に立つ」「幸せにする」「笑顔にする」「感謝される」といった身近な言葉で言い換えることが可能ではないかという意見や、「貢献」には評価するメジャーが不可欠だと思うといった意見がありました。
Hさんからは、「主体性を発揮する社員、もしくはチームを作るためにはどうしたらよいか」という問題提起がありました。参加者からは「成功体験が人を主体的にさせる」、「失敗体験も人を主体的にさせる」、「個性を見極めて高い目標を与えて厳しく鍛え、その目標をクリアさせることが必要」、「お客様に喜んでもらった、役に立ったという経験も重要」といった意見がだされました。最後にHさんから、日本理化学工業株式会社の大山泰弘会長の言葉の紹介がありました。「人間の究極の幸せは、人に愛されること、ほめられること、役に立つこと、必要とされること、の4つ。このうちあとの3つは会社で働くことを通じて叶えられる。」社員に主体性を発揮させるためには、会社の中で、ほめられる、役に立つ、必要とされるという実感が必要ではないかというまとめをしていただきました。
テーマ:実践するドラッカー思考編 第4章 強みを活かす
出席者:9名
内容:今回も、東北公益文科大学の佐藤隆也特任教授に参加していただきました。
プレゼンターは、IさんとKさんでした。
Iさんからは、ストレングスファインダーで自分の強みを調べた結果を紹介していただき、今後自分の強みを意識して活かしていきたいというお話がありました。また、「部下のできることは何かを日々考えるようにしていると、いつの間にか、自分のできることは何かも見えてくるようになる」という説明の中で、白い紙の中に書かれた小さい黒い点を例に「人間は他人の小さい欠点(黒い点)ばかりを気にして、他人の持つ多くの長所(大部分の紙の白い部分)に目がいかない。」というお話をしていただき、人の弱みではなく強みを活かす大切さを大変分かりやすく説明していただきました。
Kさんからは、自分が所属している組織の価値観と自分の価値観が合わない場合、その組織を離れたほうがよいのか?という問いかけがあり、それに対して、「会社に入ったばかりなのに、組織の価値観と自分の価値観が合わないといってやめてしまう若い社員がいるが、そういう社員は得てして転職してもすぐやめてしまう。」「価値観が合う合わないという以前に、社会人として身につけるべきマナーや会社の仕事をしっかり身につけることがまずは大切。」「昔は家族や地域が人を育ててきたが、現代では、家族や地域が人を育てる機能を果たさなくなってきており、会社が人を育てる役割を担っている。しかし、会社も人を育てる力がないため、外部に研修や人材育成を頼むことが増えている。」「若いうちは、不条理なことも経験しながら、がむしゃらに働く時期も必要」「組織の価値観と自分の価値観が一致することは同じである必要はなく、方向性があっていれば、組織でがんばる意味があるのではないか」といった意見がありました。
テーマ:実践するドラッカー思考編 第5章 集中する力
出席者:9名
内容:今回も、東北公益文科大学の佐藤隆也特任教授に参加していただきました。
プレゼンターは、Nさん、Kさん、Iさんでした。
Nさんは長年看護師として活躍し、最近までカンボジアでNGOのボランティアをされてきた方です。以前から「心に寄り添える看護をしたい」「気にかけている存在がいることを患者さんに感じてもらいたい」という想いをもって仕事をしており、ボランティアの活動をしていた時はそれを実感できたが、日本の病院ではそれを実感できずに葛藤を感じるというお話がありました。心に寄り添うということは、顧客の創造につながる姿勢なのではないかという参加者の意見がありました。
Kさんからは、「正しい問題提起への間違った答えは修正がきく。しかし、間違った問題提起への正しい答えほど修正の難しいものはない。」というドラッカー教授の言葉を引用し、正しい問題提起に大切さに気付いたというお話がありました。
Iさんは、社会福祉法人のマネジメントをする立場の方で、「非営利組織の経営」をバイブルとして愛読されており、法人運営に活かして来られたという紹介がありました。中でも、非営利法人の目標は「人と社会を変えること」という言葉に衝撃を受けたとのこと。これからも、すこしずつ地域や社会を優しく変えていきたいとおっしゃっていました。
今回で、山形市で初めて開催したドラッカー読書会の最終回を迎えることとなりました。
参加者の皆さんに、改めて感謝申し上げます。
来年も「実践するドラッカー 行動編」をテキストにして、6~10月ごろ読書会を開催する予定です。