山田歯科医院

予防歯科とは？

患者様の口腔内の健康を守り、健全な状態で、むし歯のない綺麗な歯を保ち続ける事を目的としていきます。当歯科医院では悪くなってからの治療よりも、悪くならないための予防に力を入れ、新しいむし歯ができないように、または歯周病を進行させないように、皆様と一緒に努力しています。

むし歯を科学する、カリオロジー

カリオロジーという言葉をご存知でしょうか。カリオロジーとは、むし歯(ウ蝕)の実体を把握してコントロールする事を目的とした学問です。

カリオロジーの研究が進み、むし歯の発生するプロセスが明確になってきました。人間の口腔内には無数の細菌(ミュータンス菌、ラクトバチルス菌など)が潜んでいて、これらの細菌は食事の際に摂取される糖分から酸を生み出します。この酸によって歯は溶け出します。このプロセスを「脱灰」と呼びます。しかし、溶け出した歯はそのまま溶けたままでは無く、分泌される唾液の作用により「再石灰化」されます。口腔内では、この「脱灰」と「再石灰化」を繰り返すというプロセスを踏んでいます。下記のグラフはステファンカーブと呼ばれ、口腔内のpH値の変化を測定したものです。

食後における脱灰と再石灰化の流れ

1　｢脱灰｣　細菌により食物中に含まれる炭水化物が代謝され、酸が作られる。その結果、プラークのpHが低くなり、歯の表層下からミネラルイオンが溶け出す。

2　唾液による糖質や酸の浄化作用、緩衝作用、中和作用などにより徐々に元のpHへ。

3　｢再石灰化｣　唾液が中性に戻ると、溶けだしたカルシウムなどが再び結晶化する。

細菌によって一方的に歯が溶かされているわけではなく再生も行われているのに、なぜむし歯になるのでしょうか？それは、上記の「脱灰」と「再石灰化」のプロセスの中で、食事時間の不規則化、病気によるものなどの様々な原因により口腔内が絶えず「脱灰」状態におかれている事が原因と考えられています。

上記のように、食生活の影響により脱灰状態が続いてしまうと、酸による歯の溶解が進みむし歯になってしまいます。当歯科医院ではこれらのカリオロジー理論に基づき患者様の口腔内の健康を維持する事に努力しております。

ＤＭＦＴ指数で見る世界の流れ

日本以外の国々は、ＷＨＯの勧告に従って積極的にむし歯予防を実施したためにこの20年間でむし歯を急速に減らすことに成功しています。

ＤＭＦＴ指数とは、一人あたりのむし歯（Ｄ）、むし歯で抜いた歯（Ｍ）、むし歯で修復した歯（Ｆ）の合計で、集団のむし歯経験を表す指数です。とくに永久歯が生えそろった直後の12歳（中学校1年生）のＤＭＦＴ指数が、世界的にむし歯経験を評価する標準的なものさしとなっています。

現在、日本における12歳児のカリエスフリー(むし歯無し)の児童は10％程度。予防歯科の先進国スウェーデンのひとつの州では12歳児の90％以上がカリエスフリーです。これは個人個人のリスク診断を行い、個人にあった予防プログラムを行っている結果です。

むし歯は予防できます。

むし歯は努力次第で予防可能な疾患です。当医院ではむし歯ゼロを目指し、個人個人に合った予防プログラムを患者様毎に立案しています。 当歯科医院では、下記の流れでむし歯ゼロを目指しています。

ＰＭＴＣ

PMTCとは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で、患者様ご自身で行なう歯磨きでは落ちない汚れを専用機器を用いてきれいにクリーニングすることです。毎日、知らず知らずのうちに磨き残してしまった部分や歯ブラシでは磨くことができない歯周ポケット（歯と歯肉の間）内の歯の根の部分もキレイに磨き上げて汚れを取り除きます。歯石を取るような治療ではなく、使用する機材はゴムやブラシなど柔らかい材質の物ばかりであり、心地よい範囲の刺激で行なわれます。

フッ素塗布

むし歯予防のため、フッ素塗布を行います。フッ素は海外では広く一般的にむし歯予防のために使われており、水道水に添加している国もあります。フッ素塗布による効果は次のようになります。
歯質を強化し、むし歯になりにくい健康的な歯にする。 むし歯になりかけた箇所の自然修復（再石灰化）を促進する。抗菌作用や抗酵素作用により、むし歯菌の活動を抑制する。
口腔衛生指導
口の中の健康保持、増進のための歯磨き指導や、食事、生活習慣などのアドバイスを致します。