Research

これまでの主な研究内容です。

金-シリカヤヌス粒子(電子顕微鏡像)

ヤヌス粒子が鎖状につながったstable cluster相

Phase behavior of patchy particles

パッチ粒子の相挙動

パッチ粒子とは、微粒子の表面に物性の異なる領域(パッチ)を持つコロイド微粒子です。パッチの存在のため粒子間の相互作用が異方的になり、均一なコロイド粒子とは大きく異なる分散・凝集状態を示します。我々は異方的な相互作用の制御、新規な凝縮相の探求やその物理的起源の解明に取り組んでいます。

両親媒性正多角形粒子のエマルション液滴

Self-organization of amphiphilic particles

両親媒性コロイド粒子の自己組織化

パッチ粒子が水を嫌う疎水的な部分と水に馴染む親水的な部分を持つ場合、セッケン分子のような両親媒性コロイド粒子となります。我々はパッチ粒子の両親媒性構造や形状をデザインし、水-油との混合系(エマルション)で現れる自己組織化構造などを研究しています。

自己駆動する棒状粒子の運動

Anisotropically-shaped active particles

異方形状粒子の能動運動

表面の物性や形状に異方性を持つ粒子にエネルギーを注入すると、自ら泳ぐ粒子となります。このような能動運動を示す粒子やその集団系はアクティブマターと呼ばれ、現在活発な研究が展開されています。我々は異方性に由来する興味深い運動状態などについて調べています。

水中に作成した液晶の泡(偏光顕微鏡像)

(Ultra)thin liquid crystal films in water

水中液晶(超)薄膜

界面活性剤と液晶を混ぜると、シャボン玉のような液晶の泡を水中に創ることができます。この液晶の膜をエリプソメトリーにより観察し、液晶の超薄膜が液晶の一分子層ずつ薄くなっていく様子を捉えることに成功しました。

ラメラ→スポンジ相転移におけるラメラ相のフォーム(泡)構造(偏光顕微鏡像)

Phase transition kinetics of lyotropic liquid crystals

リオトロピック液晶の相転移キネティクス

界面活性剤(両親媒性分子)からなる液晶をリオトロピック液晶と呼びます。リオトロピック液晶の等方液体相(スポンジ相)とラメラ相(スメクチック相)の間の相転移において、相転移キネティクスと液晶秩序が結合し、様々な興味深いパターンが現れることを解明しました。

光ピンセットで測定したラメラ相の線欠陥の張力

光ピンセットによる液晶の欠陥操作

レーザ光などの光を対物レンズなどで強く集光すると、光で物体を捕まえ、自在に動かすことができます。我々は1マイクロメートル程度の微粒子を捕まえ動かすことにより、リオトロピック液晶のラメラ相の位相欠陥が持つ微小なエネルギーを測定することに成功しました。さらに微粒子を操作し、欠陥構造のパターンを自在に形成できることを示しました。