2025/9/4
2025年8月24日から30日に中国西昌市で開催された、第19回宇宙素粒子・地下物理国際会議(TAUP2025)において、吉田将特任研究員がポスター賞を受賞しました。TAUP国際会議は2年に1回世界各地で開催され、宇宙論、素粒子物理、暗黒物質、暗黒エネルギー、重力波、ニュートリノ物理、ニュートリノ天体物理、高エネルギー天文学、宇宙線物理など幅広い分野の研究交流が行われます。
発表タイトル:「The XENONnT Neutron Veto(XENONnT実験の中性子反同時計測検出器)」
受賞のコメント:
私は昨年の神岡施設への着任を機にXENONnT実験に参加しました。XENONnTは5.9トンの液体キセノンを標的として暗黒物質の発見を目指す国際共同実験でイタリア・グランサッソ国立研究所で実施されています。今回のポスターはXENONnT実験において最終的に最も重要な背景事象となる中性子事象を識別し除去するために主検出器を覆っている中性子反同時計測検出器(nVeto)に関するもので、着任直後から主軸として取り組んできたテーマでした。nVetoは神岡施設で培われたEGADS、スーパーカミオカンデのガドリニウム水チェレンコフ検出器の技術を暗黒物質探索に応用した検出器であり神岡施設および日本グループからXENONnTへの極めて重要な貢献です。そうしたテーマで今回TAUPという重要な会議においてポスター賞をいただけたことはひとえにXENONコラボレーションおよび神岡施設の皆さまのおかげであり大変ありがたく、今後の研究にも身が引き締まる思いです。