XENON実験への参画
XENON実験への参画
宇宙線研究所では、古くから暗黒物質直接探索実験を進めて来ました。XMASS実験では、1トンの液体キセノンを用いて探索を行いましたが、感度が十分でなく、暗黒物質の証拠を見つける事ができませんでした。2017年に、XMASSメンバーがXENON実験グループに参加を開始し、これまでの経験と知識を活かして暗黒物質の発見や、太陽アクシオン、ニュートリノの特殊な性質等、これまで分野を切り開いてきた実績を踏まえて物理学の発展を推進してゆきたいと考えています。暗黒物質の証拠の兆候が見られれば、さらに大型の装置を建設し、存在の証拠のみならず、性質の解明を行っていきたいと考えています。日本の独自技術を用いて神岡でそういった研究を発展できることを目指しています。
現在、日本グループからは約18名の研究者が参加しています。宇宙線研7名、カブリIPMU4名、名古屋大学5名、神戸大学2名(2025/3/3現在)。
とりわけ東大からは中性子バックグラウンド低減のために、スーパーカミオカンデのために開発された技術を借りて、暗黒物質の信号の兆候がみられたときに確定的な証拠であることを示す切り札を用意してきました。
また、液体キセノンの純化に関しても専門家が揃っており、世界最高純度の液体キセノンの実現を果たしてきています。
2025年3月現在、XENON実験は観測を続けています。