2024/11/22
2024年9月に開催された日本物理学会において、博士課程1年の神長香乃さんが学生優秀発表賞を受賞されました。
神長さんは、「XENONnT実験における85Krのバックグラウンド評価(3)」と題して口頭発表を行いました。キセノン(Xe)を用いた大型暗黒物質探索実験XENONnTでは、暗黒物質や太陽ppニュートリノの信号などの稀事象を探索しており、精度の良い背景事象推定が必要となります。背景事象源の一つである、Xeに含まれるクリプトンの放射性同位体85Krの量をより正確に測定するため、85Krの稀崩壊事象から求める方法と結果を報告しました。
神長さんの受賞のコメント:
XENONnT実験は暗黒物質の探索を世界的にリードしている実験です。神岡で行われていたXMASS実験の技術によって高い探索感度を実現しており、本研究はその一つであるKr蒸留による背景事象低減の効果を最大限に生かすため取り組んだものでした。今回このような賞をいただくことができたのは気にかけてくださる方々に恵まれた研究環境のおかげです。ご指導いただいた全ての方に心から感謝申し上げます。