第4回ワークショップ:「負担と給付の経済学:給付付き税額控除・マイクロシミュレーション・国民移転勘定」
近年の公共経済学・財政学において、実証研究の主流は、「政策効果」を厳密に検証する計量経済学的分析が中心となっています。一方、税・社会保険料や社会保障の政策的議論としては、「誰がどう負担し、誰がどう給付を受けているか」あるいは「制度・政策変更は、現在の負担・給付のあり方をどう変えるか」という問いに機動的に答えていくことも重要です。しかし、日本の社会保障・財政研究では、そのような視点からの学術研究は、近年はむしろ停滞しています。今回は、このような問題意識から、公共経済学・財政学において「負担と給付」の実証的研究を進めている3人の研究者に研究報告して頂きます。(文責:安藤)
開催日時: 2026年3月9日(月) 17:00-19:00
場所:オンライン
注:立教大学での対面開催はありませんのでご注意ください
セミナー参加登録はこちら (締め切りはとくになし)
プログラム
17:00-17:40 林正義(東京大学) 「所得課税における控除について」
17:40-18:20 大野太郎(信州大学)「個人所得課税における控除の負担軽減効果:GATRDアプローチによる分析 」
18:20-19:00 中田大吾(RIETI)「NTA(国民移転勘定)で見る日本の公的および私的再分配の長期的変遷」
コメント:安藤道人(立教大学)、小林庸平(三菱UFJリサーチ&コンサルティング) (参加者からの質問も受け付ける予定です)
報告要約
林正義(東京大学) 「所得課税における控除について」
TBA
大野太郎(信州大学)「個人所得課税における控除の負担軽減効果:GATRDアプローチによる分析 」
「日本では所得税・住民税を対象に、給与所得控除や公的年金等控除による税負担の違いについて議論されてきた。特に、グループ間における税負担の違いを捉えるにあたっては、所得分布の違いと累進課税体系によってもたらされる垂直的要因と、同一所得階層内のグループ間で生じる水平的要因に分けることが重要であり、Slemrod(2022)はGroup Average Tax Rate Differential (GATRD)と呼ぶ要因分解の方法を提示している。本報告では『全国家計構造調査』(1989~2019年)の個票データを用い、このGATRDアプローチに基づき、控除の負担軽減効果について考察する。具体的には、現役個人・高齢個人間における税負担(所得税・住民税)の違いについて垂直的要因と水平的要因を計測する。また、マイクロシミュレーションを活用して、特に給与所得控除や公的年金等控除がこれらの要因にもたらす影響を計測し、当該控除が水平的要因に与えている真の寄与を考察する。 」
中田大吾(RIETI)「NTA(国民移転勘定)で見る日本の公的および私的再分配の長期的変遷」
TBA
第5回ワークショップ:「医療政策研究の現在地:公衆衛生学・行政学・経済学の視点から」
「国民皆保険」という言葉に象徴される戦後日本の医療政策は、「常に転換期」といってよいほど、皆保険達成後も不断の改革や見直しが進められています。そして、様々な改革や見直しを重ねるたびに、また医学や医療技術が進歩するたびに、医療政策をめぐる議論は複雑化し、見通し難くなっています。そこで今回は、公衆衛生学・行政学・経済学という複眼的な視点から医療政策を考えるために、それぞれの分野の研究者に報告して頂きます。(文責:安藤)
開催日時: 2026年3月23日(月) 17:00-19:00
場所:オンライン
注:立教大学での対面開催はありませんのでご注意ください
セミナー参加登録はこちら (締め切りはとくになし)
プログラム
17:00-17:40 伊藤ゆり(大阪医科薬科大学) 「医療政策研究に必要な公平性の視点: 公衆衛生学の立場から 」
17:40-18:20 三谷宗一郎(甲南大学)「医療政策の形成・決定過程に関する研究―政治資金データの記述的分析(仮)」
18:20-19:00 高久玲音(一橋大学)「日本の医療制度に関する論点と課題 ―自維連立合意書を踏まえた政策展望―」
コメント:安藤道人(立教大学) (参加者からの質問も受け付ける予定です)
報告要約
伊藤ゆり(大阪医科薬科大学) 「医療政策研究に必要な公平性の視点: 公衆衛生学の立場から 」
TBA
三谷宗一郎(甲南大学)「医療政策の形成・決定過程に関する研究―政治資金データの記述的分析(仮)」
TBA
高久玲音(一橋大学)「日本の医療制度に関する論点と課題 ―自維連立合意書を踏まえた政策展望―」
TBA