戦争のない平和な世界へ思いを込めた「平和な未来へ『私の願い』コンサート」。
始まりは2019年8月、旧小田原市民会館で、俳優の宝田明さんによる戦争体験の朗読劇「宝田明物語」の上演でした。
この舞台で宝田さん作詞・元劇団四季の沢木順さん作曲の「私の願い」が劇中歌として登場。さらには小田原の有志による市民合唱団がこの歌を歌い、宝田さんとも共演し、舞台は感動の嵐に包まれ幕を下ろしました。
再演が熱望されていたものの、コロナ禍で延期となり、残念なことに2022年3月に宝田さんが逝去され、宝田さんと一緒に歌うことは二度とかなわなくなってしまいました。
しかし、宝田さんの遺志を継ぎ、平和への思いがあふれるこの曲「私の願い」を歌い継ぐことはできるのではないか――。そうした思いから、市民合唱団が再結成。朗読劇に出演していた沢木順さんや井料瑠美さんたちとともに、2022年9月のコンサートに挑戦しました。
市民合唱団の活動はさらに続きます。
2022年12月には、同じように平和への強い思いを持って歌い続けるシンガーソングライター小室等さんのコンサートにも出演を果たし、「私の願い」を歌いました。
そして2023年も、再びコンサートを企画。宝田さんや沢木さんと親交のある加藤登紀子さんが賛同し、メインゲストとして出演してくださいました。
コンサートの前半は沢木さん、井料さんら元劇団四季メンバーの華麗な歌、蔦木美津子さん率いるキッズダンシングパフォーマンスの子供たちや、公募による市民合唱団が登場。後半は合唱指導者の鶴岡恵さんの歌に続き、メインは加藤登紀子さんのステージ。「百万本のバラ」や反戦歌など6曲を披露していただきました。
フィナーレでは、出演者全員に加え会場の皆さんもご一緒いただき、「私の願い」を歌いました。
この小田原の地は、1945年8月15日未明、終戦直前、最後に米軍の空襲を受けた地でもあります。こうした背景のある小田原から、歌うことで平和な世界へ向けて発信するコンサート。今後もぜひ、足を運んでいただければ幸いです。
2023「私の願い」小田原実行委員会
2023年12月には、小田原三の丸ホール小ホールで、太平洋戦争の終戦直後に旧満州から日本への帰国を目指した若者と子供たちの姿をつづったTBSドラマ「遠い約束」DVD上映会とミニコンサートを開催しました。くわしくはミニコンサートのページをご覧ください。
2024年11月23日は、加藤登紀子さんとも親交のあるウクライナ出身の歌姫ナターシャ・グジーさんと元劇団四季の皆さんをお迎えしてのコンサート。ロシアとウクライナの対立が2年以上続く中で、故郷を思うナターシャさんの歌声と民族楽器バンドゥーラの音、言葉のひとつひとつが心にしみました。