Research Project②
モノの社会学の体系化:
脱・人間中心的アプローチによる社会理論の組み直し
モノの社会学の体系化:
脱・人間中心的アプローチによる社会理論の組み直し
【概要】
アクターネットワーク理論(ANT)をはじめとする脱・人間中心的アプローチの知見を踏まえ、あらためて人間社会におけるモノの位置付けを問い直す作業が必要となっている。他方で、社会学の分野において、現段階では、こうした知見を体系化し、それを伝達するような試みは国内ではまだあまり存在していない。個別具体的なケーススタディの蓄積が重要であると同時に、それらをどのようにして関連づけたり、連携させたりするのかを考えるにあたっては、理論的な見取り図もまた必要となる。
本プロジェクトでは、脱・人間中心的アプローチから、社会学の古典的な理論的主題(自己、相互行為、空間・時間、権力、労働、医療...etc.)を新たに捉え直すことを通して、社会学理論の組み直しをはかる。そして、そうすることを通して、学生をはじめ、とくにこれから「社会」について問い、考えていく「わたしたち」が利用できる足場を作り上げることを試みる。
なお、本プロジェクトは、『アクターネットワーク理論入門:「モノ」であふれる世界の記述法』での成果を土台の一つとしている。本書が、ANTの解説に特化したものであったのに対し、本プロジェクトは、ANTを含むより広い脱・人間中心的アプローチの知見を整理・検討することとなる。
(2025/4/27)
【News】
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【成果等】
『アクターネットワーク理論入門:「モノ」であふれる世界の記述法』(2022)』の第1章「ANT成立の時代背景と人文学・社会科学における『人間以外』への関心の高まり」
本プロジェクトは、ここで示した時代背景や議論の潮流に加えて、さらに多くの文脈と理論的立場を整理・検討することで、社会学の理論的な視点の組み直しを目指すこととなる。