For Safety

 本学院自転車部は、「自転車競技に事故や怪我はつきもの」と安易に考えることなく、安全第一・事故防止を徹底しながら活動しています。このページでは、自転車部の安全管理の取り組みについて紹介しています。

1.安全講習会の実施/救急救命講習の受講

 ルールを遵守すれば事故発生率は大幅に下がります。公道走行時に守るべき交通法規や集団走行時のマナー、公道上の様々なリスクについて学ぶ講習会を定期的に行っています。また、日々の活動の振り返りの中でも、発生したアクシデントやリスクについて部員間で共有し、安全への意識を高める努力をしています。部員は消防署が実施する救急救命講習を受講し、CPRの方法やAEDの使用方法について理解しているほか、非常時の連絡手段についても常時確認しています。

2.事故事例の収集と事故発生メカニズムの研究

 事故を防ぐためには、過去に起こった事故の原因を調査・分析し、リスク要因を回避することが重要です。新聞データベースや災害共済給付事例を網羅的に調査し、全国の自転車部で起きた事故事例を収集するとともに対策を立てています。事故には傾向があり、①交差点で自動車が絡むもの(特に高齢運転者)、②リスクが高い道路での練習、③前方不注意による追突が多くみられます。技術的に無理がなくリスクの少ない練習コースを選定すること、適切な車間距離をとること、前方を常に注意すること、制限速度を含むルールを守ることでほとんどの事故を防ぐことができます。

3.事故防止のための練習計画策定と技術訓練

 レース参加に向けて必要な技術を習得するため、元プロのコーチによる指導を受けながら、計画的・段階的な練習を行っています。トレーニングによって登坂力を鍛えるだけでなく、下り急勾配・急カーブでも安全に走行できるように、部員の実力に合わせて難易度の低い練習から徐々にレベルを上げていくようにしています。また、リスクを伴うダウンヒル練習の際などには、万が一の事故時にもすぐに対処できるよう救護の準備をしています。

4.気象リスクの管理

 自転車競技の練習における主な気象リスクは熱中症と落雷です。本庄市周辺は夏に気温35℃を超える猛暑となる日があり、落雷も集中します。天気予報では警報・注意報、予想最高気温や降水確率だけでなく暑さ指数(WGBT)も毎日確認しています。暑さ指数が高い日は負担の少ない練習メニューを考え、無理な練習参加も禁止しています。練習中は水分・塩分を積極的に補給し、頻繁な休息を取り入れています。雷注意報の発令中は一定時間ごとにレーダーを確認し、近郊で雷活動が予測されている場合は雷鳴が聞こえたらすぐ屋内に退避できるように計画を立て、警戒しながら活動しています。また、雷探知機も活用しています。

5.ハラスメント・いじめ・事件の根絶

 誰もが安心して部活動に参加できるようにするため、人権侵害となるようなハラスメントやいじめを許さない部活づくりを志向しています。目標や実力に違いはあっても、部員が互いに尊重しあって活動することが第一です。また、練習にあたっても無理をさせない、強要しないのは当然のこと、自由に意見を言いやすい雰囲気を維持しています。加えて、盗難事件の被害を防ぐための貴重品管理なども心掛けています。

 部活動は、学校生活に活力や潤いをもたらすものです。部員が良き友人関係を作り、それぞれの目標をめざしてともに楽しく活動していけることが大切です。安全管理の一環としても、いわゆる「スポ根・スパルタ」を排除して、科学的・合理的かつ部員ひとりひとりが個人として尊重される部活動の在り方を追究しています。