担当科目「実験統計学」のためのページ
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統計解析の基礎

まずは統計解析について、ざっと説明します。

 例えば、犬の体重データがたくさんあるとします。その数字の羅列を眺めるだけでも、「このくらいの重さの犬が多いみたい、、、」などとデータの傾向を感じることはできそうです。でも、その傾向を他の人に説明するとき、これでは不安ですし、説得力もないですね。図や表、あるいは平均値や最大・最小値、標準偏差など代表値を使って、データ全体をひと目で分かるように記述する工夫が必要です。これが統計解析の1つ、記述統計です。

 あなたがやりたいことが、この犬のデータから「そのデータの傾向」を知りたいというだけであれば、記述統計だけで十分です。けれども、とくに研究をする人は、「そのデータの傾向」から、いわば「データになっていない全体像の傾向」も推し量りたいと考える場合がほとんどです。研究する人がデータをとる理由が、そもそも全体像の把握を目的としていることが多いからです。

 (多くの研究と同じように)この犬のデータから、犬たち(例えば、日本全国の犬)の全体像を推測したいのであれば、推測統計という、また別の発想に基づく統計解析が必要となります。

 記述統計と推測統計は、統計解析の代表的な柱です。そこで、ここでは記述統計と推測統計の基本を説明していきます。まずは記述統計でも推測統計でも重要なデータの種類について。画面右下の矢印で移動してください。

他のウェブページなどの紹介

記述統計学と推測統計学の概要については、以下のウェブページなどの解説も理解に役立ちます。統計学の入門的内容について「だいたい分かってるよ」という人にも、とくに、改訂増補版:統計検定を理解せずに使っている人のためにI ダメな統計学」はオススメです(本ウェブサイトをある程度読んでからのほうが良いかもしれませんが、忘れないうちに勧めておきます)。ぜひ読んでおきましょう (どちらも、まずは最初のほうだけでもよいです)。

改訂増補版:統計検定を理解せずに使っている人のためにI

統計学とは? 

記述統計学と推測統計学の違い 

標本と母集団