演目『忘れた涙は明日の終わりを語れない』
◆GM:深山うつつ(@ututumiyama)
◆イメージ:切ない/葛藤/お別れ/愛/選択
◆特記事項:NPCとの死別を含む別れの要素があります。
スタンダードな演目とは異なる視点での御標の取り扱いがあります。
展開に大きくかかわる選択を迫られる場合があります。
◆各種対応
◆今回予告◆
果たして、紡ぎ手(えいゆう)は異形となり討伐された。
国を救うために差し出した己(はいやく)と引き換えに、
世界を歪める脅威となったから。
代償は誰かだった命。
あの日世界に満ちた忘れてしまえる悲劇のひとつ。
明日のためのめでたしめでたしほどの価値はない。
だから、きっとそれでいい。
モノトーンミュージアム
「忘れた涙は明日の終わりを語れない」
――かくして、物語は紡がれる。
◆ハンドアウト◆
■PC1 クイックスタート推奨サンプルキャラクター:高潔なる後援者(『MMM』P126)、または守護の騎士(『MMM』P116)
パートナー:カルロッド 推奨感情:友情
キミは涙忘れの国の貴族だ。
13年前国を破壊した異形は、キミの友人カルロッドの兄であり、キミの姉マルガレーテの婚約者だった男だ。
当時まだ紡ぎ手ではなかったキミは何もできず、姉が嘆き、友人が国を追われるのをただ見ているしかできなかった。
時は過ぎ、国には新しい領主がやってくることになった。新しい領主の隣に、キミはカルロッドの姿を見つけた。
再会を喜ぶ間もなく、国に御標が下りる。
「13年前を思い出せ」と。
※マルガレーテは血のつながらない姉です。
※種族は人間であることが望ましいです(義肢型以外のからくり非推奨)。
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■PC2 クイックスタート推奨サンプルキャラクター:黒き災厄(『MMM』P120)
パートナー:アレンバード 推奨感情:恩義や尊敬
キミは黒点の日に異形化を発症し、紡ぎ手になった。
キミが紡ぎ手として生きることが出来ているのは、アレンバードのおかげだ。キミの先輩紡ぎ手だったアレンバードがキミを助け、逃がしてくれたから、キミは今日まで生きている。
キミの命はアレンバードがくれたものだ。だから、アレンバードが守った国のほつれを払うために、13年ぶりにキミは涙忘れの国にやってききたのだ。
※13年前に紡ぎ手にはなったもののアレンバードを救う力はなかったという導入から始まります。
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■PC3 クイックスタート推奨サンプルキャラクター:歯車仕掛けの従者(『MMM』P132)、または叡智の探究者(『MMM』P124)
パートナー:マルガレーテ 推奨感情:忠誠
キミは貴族の令嬢、マルガレーテに仕えている。
マルガレーテは13年前に大切な人を亡くしている。キミが仕える前のことであるため、キミはその人物のことを知らない。
この国の人間は皆、彼女の大切な人のことを語るのを避ける。
しかし、国に13年前のことを思い出せという御標が下りた。
御標を聞いたマルガレーテの顔が悲しみに染まったのを見たキミは、彼女のために力になろうと決意する。
※13年前の事件以降に国へやって来た(または生まれた)ために当時のことを知らないという設定が付きます。
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■PC4 クイックスタート推奨サンプルキャラクター:御標の守護者(『MMM』P114)
パートナー:ファドマーク 推奨感情:尊敬または不安など
キミは涙忘れの国に新しい領主が赴任するのを見届けるために聖都から派遣された職員だ。
新たな領主が神に承認された人物であることを住民たちに証明するためである。
ファドマークは真面目で清廉な人物であるということはキミ自身もよく知っていることだが、赴任にあたりいままで以上に厳格さを増しているようだった。
そして、国に御標が下り、ほつれが生まれたことで新領主による異形狩りが始まろうとしていた。
どこか思い詰めたようなファドマークの様子にあなたは不安を覚えるのだった。
※ファドマークのとの関係性や距離感はある程度自由に決めていただけます。胃が痛くなる可能性があります。
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■PC5 クイックスタート推奨サンプルキャラクター:針の魔女(『MMM』P112)、または宵闇の怪盗(『MMM』P130)
パートナー:アレンバード 推奨感情:懐旧または興味
キミは上司に命じられてアレンバードという紡ぎ手の故郷に向かっていた。
アレンバートは13年前の黒点の日を起点に発生した歪みと戦い、命を落とした紡ぎ手だ。
その最後は、力を使い異形化を発症し、共に戦った仲間を逃すため自ら異端審問官に捕らえられたと聞いている。
アレンバードの故郷を救うため、キミは涙忘れの国へ足を踏み入れるのだった。
※上司は公式パーソナリティのアリアかプラトーかのどちらかお好きなほうを選んでもらいます。
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※コンストラクションの場合の全てのハンドアウトに指定クラスはありませんが、迷う場合は以下を推奨クラスとします。
PC1:貴人
PC2:異形
PC3:従者、またはからくり
PC4:僧侶
PC5:裁縫師
迷わない場合は、推奨クラスを含まなくても構いません。
◆GMから一言◆
GMを務めさせていただきます。深山うつつと申します。
今回ご用意しています演目『忘れた涙は明日の終わりを語れない』は、公式の設定でもある“黒点の日”に起きた悲劇に心を囚われ続けてるNPC(もしかしたら一部のPCも)達と明日を見つけることを目指す演目です。
変えられない過去や別れや悲劇。紡ぎ手であることや左の地で生きることのままならなさ。それでも、諦めきれない大切なひとりひとりの一部である『配役』についての物語です。そして、紡ぎ手の皆さんが出会わなければいずれ悲劇に至る物語でもあります。
曇りのないハッピーエンドは遠いものに見えるかもしれません、けれど、紡ぎ手だから掴める、引き寄せられる「めでたしめでたし」を探していただければ幸いです。
葛藤や、すれ違い、ままならさ、そしてちょっぴりのしんどいが好きな方はとくに楽しんでいただけるかと思います。
演者レベル5を予定している演目ですが、経験者向けというわけではなく、はじめてのかたも、もちろん経験者の方も歓迎の演目です。サンプルキャラクターを使用する場合はGMの方で公式のサンプルキャラクターを2レベル分成長させたものをご用意します(書籍がお手元にある場合は、サンプルキャラクターを2レベル分成長させていただいてもOKです)。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
©TasukuSugano/FarEastAmusementResearch Co.,Ltd.「モノトーンミュージアムRPG」