今回お話を伺ったのは、農学部2年の遠藤てまりさんです。
遠藤さんは主に宮城県の山元町で活動している「HARU」という団体の副代表をされています。
これまでどのような活動をされてきたのかや、今後行いたい活動などについてお聞きしました!
ーはじめに、これまで具体的にどのような活動をしてきましたか?
一番最初にやったのは「やまもと浜マルシェ」という、山元町でのマルシェのイベントの出店ブースのお手伝いです。また、「はじまるしぇ」という秋にやるマルシェで、東北学院大や東北福祉大、IVUSA(注:NPO法人国際ボランティア学生協会)と一緒に学生ブースを出しました。そこで子どもたちや地元の人たちと触れ合ったり、仲良くなったりしました。
さらに山元町では二ヶ月に一回、種まき会議というイベントがあり、そこで山元町についてワークショップをしたり、話し合いをしたり、交流したりするのですが、そこでボッチャをやりました。ボッチャを山元町の人たちとやって仲良くなり、その流れで地域活性化のためにはどんなことをしたらいいのかということをワークショップでやりました。
また、「コダナリエ」というイルミネーションイベントが山元町にあり、飾りつけの準備などを行ける時に行ってきました。
あとは、山元町ではなくて亘理町なのですが、NPO法人の虹色たんぽぽさんで月に一回イベントのお手伝いをしたり、子どもたちと触れ合うイベントで子どもたちの面倒を見たりします。
他には、その時によってやる事は変わるのですが、足が悪くてあまり重労働ができない農家さんの農業のお手伝いなどに月一で行ってます。
また、山元町に普門寺というお寺があり、住職さんが災害技術系のボランティアの育成や、自分たちでの災害技術系のボランティアをやっていて、その方に東日本大震災の時の話や、復興の話、これからボランティアをどうやっていくのかといった話をしました。
さらに今後、震災遺構の中浜小学校の語り部のガイドを行う予定で、その研修に今度行ってきます。大まかな活動だとこれくらいです。
ーその地域の子供や高齢者に向けてのボランティアをやってるということですか?
はい。その方たちが何をして欲しいのかや、どんなことを課題に感じているかを聞いて、それに合わせて「こういうのをやってもいいですか?」と提案したり、あちら側がお願いをしてくれたりします。
ーボランティアを始めたのは大学生になってからですか?
はい、そうです。
ーなぜHARUを選んだのですか?
ボランティアに全然興味がなかったのですが、サークルをなにか一つ入りたいと思った時に、今の一代前の副代表の人が優しそうだったので、この人がいるサークルに入ったら怒られなくてよさそうだなと思ったという、最初はそれぐらいの理由で入りました。
やっていくうちに意外と楽しかったり、やりがいがあったりするなと気づいて、やるようになりました。
ーボランティア活動をしていて、どんなところに魅力を感じていますか?
一つは、いろんな年齢層の人たちと関わることができることです。
子どもから大人まで、自分とは全然違うような考えを持った方たちがいっぱいいて、その方たちと交流すると自分の考えが全然狭いということに気づいたりします。ボランティアそのものも楽しいし勉強になることが多いですが、ボランティアを通じて自分も成長できることが多いと、すごく感じます。
また、シンプルに来てくれてすごく喜んでもらえたりとか、学生さんが来てくれるのが嬉しいといったことをよく地元の人たちに言われたりすると、純粋にうれしいです。
あとは、学院大や福祉大、IVUSA、東北大の人たちと関わって、一緒に何かを企画するのもすごく楽しいです。やはり東北大だけだとできることに限りがありますが、大学が違うだけで「そんなことできるんだ」や、「そんな活動できるんだ」といったことを感じます。
HARUの活動のほぼ半分ぐらいは、学院大の人がもともとやっていた活動や、福祉大の人に誘われて行った活動などが多いので、そのような人たちがいなかったら先ほど挙げた活動はおそらくできていないと思います。こんな風に、活動をしていく中でいろんな人たちの輪が広がっていくように感じられて楽しいです。
ー活動をしていく中で具体的にどんなことを学びましたか?
人によって何をボランティアと考えるかが違うということです。これは地元の人たちにとっても結構違っていて、ボランティアをお手伝いと捉える人もいれば、そうではなくて自分ごとに捉えて活動してほしいと考える地元の方たちもいます。
HARUもそのような地元の方たちに挟まれて、どっちのスタンスで活動したらいいのか悩んだことがありました。ですが、人によってボランティアの考え方が違うからそこは認めて、自分たちでメンバーの中にも「ボランティアはこうあるべき」というのが違っていいといったことを通して学びました。
最初ボランティアを実際にやる前は、ボランティアって震災復興やお手伝いのような、それぐらいの認識しかなかったのですが、実際そういうものに関わってみるといろんな形のボランティアがあって、自分たちでそういうものは作っていくのだろうといったことを学びました。
ーボランティアの概念が変わったということですか?
そうです。だからボランティアに対してハードルが高く感じている人とかもそういうのを知ってほしいです。
ボランティアってお手伝いだけじゃないんだよ、といったことを感じています。
ーボランティアの活動頻度はどのくらいですか?
月によります。
私が入ったばかりの頃は月1か2の活動と月1のミーティングでした。そのため大体月3ぐらいでしたが、12月は月6、7ぐらいありました。人によっては月8でした。ほぼ土日どっちも行ってる感じでした。
活動に行った時にその地元の方たちに「こういうのあるんだけど、来月来れる?」などと聞かれて増えることもあるので、月によってまちまちです。
あと月1のミーティングと、他の新しく考えている企画のミーティングなどで今月は月10いかないくらいだと思います。
来月はもっと減って、月7ぐらいには減るんじゃないかなって思ってます。毎回変わるからわからないけどそれぐらいです。ちょっと今月は忙しかったかなっていうぐらいです。
ー活動にかかる費用はどのくらいですか?
費用は交通費ぐらいです。
お昼は自分たちで持ってきてもらうこともあるし、ボランティア先が出してくれることもあるのでそれは日によって変わりますが、交通費でだいたい1000円ちょっとぐらいです。
ー活動場所は具体的に山元町のどこですか?
まちまちです。最寄り駅はだいたい山下、坂元、浜吉田のどれかです。
そこから徒歩で行けるところもあれば、車で行かなくちゃならない時は地元の方たちが送迎してくれますが、基本山下、坂元、浜吉田付近です。
ー何かボランティア以外に力を入れていることはありますか?
バイトを2個掛け持ちしています。塾講師と研究室でお手伝いしています。
基本的には夜の時間帯に行っていて、多くて週4です。そんなに忙しい時期とかではなかったら週1、2ぐらいになることもあります。
1回の時間は研究室の方は2時間ぐらいで、塾講師の方は3時間半ぐらいです。なのでそこまで大変ではないので、力を入れてるかと言われると…。
でもボランティアのサークル以外は入っていないのでそれぐらいです。
ー授業が忙しいといったことはありますか?
今は自科総と学問論演習がこの時期にあるのでちょっとだけ忙しいですが、無理という感じではないです。
サボらなければ大丈夫っていうぐらいです。
ー他の大学の人や団体と一緒に活動されているとのことでしたが、そういった方たちとは最初どのようにつながったのですか?
私の個人の話になってしまうのですが、最初こでらんねという山元町の夏祭りみたいなイベントの時に、私ともう1人の2人しかHARUからは活動に行けなくて、そこで学院大の人たち3人と福祉大の人たちと一緒になって、自然と一緒に活動する時間ができたんです。
そこでHARUの話をしたりとか、自分の大学の話をしたりとかしていたら仲良くなって、「次こんなのあるんだけどどう?」といった感じで広がっていった感じです。
ー他の大学の人との打ち合わせとかはありますか?
あります。はじまるしぇの時は学院大と福祉大と一緒にブースを出したので、学院大でのミーティングとかがありました。
ー遠藤さんはHARUで副代表をされているとのことでしたが、副代表になったのはなぜですか?
人数不足です。今は活動にコンスタントに来れるって意味だと2年生1人、1年生6人です。
私が入った頃は私の前に2人もともと入っていた子がいたのですが、多分会ったことなくて、私が入って1ヶ月ぐらいしたらもうやめちゃって、それまで一人でした。その後授業で一緒になった子を誘ったら入ってきてくれて、それが広がってちょっと人数増えて6人みたいな流れになりました。
1人の時期は本当に「誰が引き継ぐんだろう」みたいな感じでした。でも、1年生だから副代表できないとなってしまうのもこのままだとまずいと思って、代表は引き継ぐ人は2年生の方で決まったのですが、「副代表どうする?」ってなった時に、なかなか引き継がれないのがもどかしかったので、「自分やってもいいから、先輩たちが良かったら副代表やります」といったことを言ったらそのまま引き継がれてました。
その間ずっと活動が滞っちゃうのがすごく嫌だったので、それだったら「副代表じゃなくてもいいから1人で活動に行けるような、活動実施届出したりとか、報告書出したりとかといったことは教えてほしい」って言っていたら、いつの間にか副代表になってました。
ーHARUは何年生が主体ですか?
1、2年生です。1学期と2学期の間に引き継ぎをする感じなのですが、3年生は就活が忙しいのでやはり1、2年生が主体となります。
ーHARUで一番印象に残っている活動は何ですか?
はじまるしぇは1ヶ月半ぐらいずっと準備を学院大の人たちとやってきて、時間も長かったし、IVUSAからはたくさん人が来てくれて、SCRUMからも何人か来てくれて、そういうのを考えると密度が濃かったと思います。
でも、1番印象に残っているのはこでらんねかもしれないです。こでらんねで仲良くなった学院大の人と福祉大の人がいるからはじまるしぇも参加していて、こでらんねの時に「はじまるしぇにHARUも参加していいですか?」って聞いていなかったら参加していないです。はじまるしぇとコダナリエは、こでらんねで「HARUも参加したい」ってお願いしました。だから、そういう意味ではこでらんねが印象に残ってます。
ー遠藤さんが一番力を入れているのはHARUでの活動ですか?
はい。HARUでの活動を優先してシフトを組んでます。
ー最後に、これから「特にこの活動を頑張りたい」とか、「こんな活動をまだやったことないけどやってみたい」といったことはありますか?
中浜小学校の語り部は結構緊張しているのもあって、「そんな大事なことを自分にできるのかな?」といったことを結構ハードルが高い活動なので感じています。でも、真剣に取り組んで頑張っていきたいと思っています。
あと、HARUのOBの方が「山元町にある八手庭っていう地域を盛り上げたい」といった話を持ちかけてくださって、これから学生で企画を考えてやりたいと思っています。
ーインタビューにご協力いただきありがとうございました!