そもそも憲法ってなに?
「憲法」は国の基本的なルールとして、国が国民におよぼす力の範囲を規制する文章です。国民の自由や権利を守るために、国家権力を縛っているルールです。
憲法は、「ライオンの檻」に例えられることがあります。強力な力を持つライオン(権力)が暴走して国民を襲わないよう、檻(憲法)に入れて縛っておく必要があるのです(=立憲主義)。
その上で憲法は、国が国民に保障しなければならない様々な権利を「人権のカタログ」として列挙しています。
日本国憲法の基本ルールは、①国の政治のあり方を最終的に決めるのは国民である、②人間が生まれながらに持っている自由や権利(人権)は、永遠に守られるべきである、③戦争をしない、戦力を持たない の3つです。
憲法がなくなったらどうなる?
憲法がなくなると、国家の権力を縛るルールが消滅するため、政府や権力者が国民の権利や自由(思想・良心の自由、表現の自由、生存権など)を制限し放題となり、人権侵害が横行する深刻な事態に陥ります。
人権の喪失: 政府を批判する自由や、職業を選ぶ自由、プライバシーなどが保障されなくなり、不当な逮捕や弾圧が行われる危険が生じます。
権力の暴走(独裁化): 憲法によって制限されていた国会や内閣の権力が無制限になり、国民の利益よりも権力者の都合を優先した法律や政治がまかり通るようになります。
法の支配の崩壊: 国家権力は憲法に従わなければならないという「立憲主義」の前提が崩れ、すべての国民生活の安定が脅かされます。
九条ってなに?
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
日本国憲法九条は、国際紛争を解決する手段としての戦争を永久に放棄し、そのために、軍隊を保持せず、国の交戦権も認めないという規定です。平和主義を掲げる日本において、軍事力の行使と保持を厳しく制限する根本原則となっています。
この規定は、憲法前文で謳われている、平和的生存権の規定と相まって、国民の平和な生活を守る役割を担っています。平和的生存権は、すべての基本的人権保障の基礎となる人権であり、戦争や暴力の応酬が絶えることのない今日の国際社会において、全世界の人々の平和に生きる権利を実現するための具体的規範とされるべき重要性を持っています。
これらの規定は、ただ単に理想として作られたものではありません。明治維新以来、日本は侵略戦争と植民地政策を続けていました。そのもっとも大きなものが、1937年に本格化した日中戦争であり、1941年に日本の奇襲攻撃で始まった太平洋戦争でした。アジア・太平洋戦争では、戦闘・飢餓・虐殺などで3000万人以上の尊い人命が失われました。憲法九条の規定は、この過去と犠牲の上に、永遠の非戦の誓いとして作られたものです。