タップダンス用語
ここでは日本での用語とアメリカでの用語の違い、
また様々なスタジオでの違いを(あくまでも個人的に調べて思った事を)書いています。
下記の用語について ”いや、そうではない”などのご意見がありましたら是非ご連絡を下さい。
はじめに
用語を覚える事が決して全てではありませんが、スタジオを移る際や海外でタップを学ぶ時の弊害になっていると
私自身が感じたために、このページを作ることにしました。
ここでは特にダンスのことではなくタップステップを中心に用語を並べていきたいと思います。
日本タップ界というのは”ジョージ堀”という人(中川三郎・吉田タケオの先生)が始めて日本でタップダンス教室を開き、
その人がその時に使っていた用語、ステップが今も継承されています。
現在もそうですが、タップを教える時に生徒さんに分かりやすいようにそのスタジオでの呼び方ややり方を決めている
と思いますが、その始まりがジョージ堀という人だっただけで何の問題もありません。
日本よりも早くにタップダンスを行なっている国では同じように、始めに決めたものが今も受け継がれています。
その点でどちらがどうと言うことではなくそれらの違いを分かる範囲で書いていこうと思います。
タップダンスの用語には、体重の移動・飛び方・蹴る部位、そしてそれらを組み合わせたものなど様々です。
特に組み合わせたものに関しては、多種、多様な名称があります。
主に見た目が何かに似ているものや、また考えた人の名前等でステップの名称がつけられています。
微妙なニュアンスで用語が区別しにくかったり、体重の乗り具合で変わってしまうような事がありますが
あくまでも個人的解釈の上で説明をしていきたいと思います。
また、文章だけでは伝わりにくい点が多々あると思いますが、その点はご了承の上、読んでいただければ幸いです。
(詳しく知りたい方はメールを下さい。)
まだまだ勉強不足な為、至らない点が数多くあると思いますが、少しでもこのページを訪れた人の参考になれば、
またこれをきっかけに用語に対する認識、タップの輪が広がればと思っています。
説明でのRは右足の事でLは左足の事
靴の裏の金具(TAPS)の前の部分をボール、後ろの部分をヒール、つま先をトウと呼ぶ。
ボールの先の方を特にトウと呼ぶ場合もありますが
ここでは特に細かく分けずに上記3つの区分けで説明していきます。
TAP(BALL TOUCH)
タップ (ボールタッチ)
主に体重の移動をせずにタップス(タップチップ)のボールの部分で床に触れる、または叩く事。全ての方向に使われボール以外にもヒール、トウ等で呼ばれる事もあるが、ここではボールタッチの意味で使い分けたい。(ヒール、トウで使うときには前後にHEEL,TOE,と付く事が多い)
STEP
ステップ
ボールの部分で体重の移動が行なわれるもの。簡単に言うとかかとを上げて歩く事。
BRUSH
ブラッシュ
ボールの部分で床を蹴る事。蹴る方向によって、フロント・バック・サイドと使い分ける事もある。特にバックブラッシュの事をスパンク(SPANK)と言う事もある。
SHUFFLE
シャッフル
フロントブラッシュをしてバックブラッシュをする事。サイドで行なう事もある。(あらゆる場所で行なう)英語で言うと”シャッホー”
PLANE TAP
プレーンタップ
要するにタップの始めということ。だけど一般的にシャッフル、ステップの事。単にリズムの取り方から三連と呼ばれる事がある。
(リズムの取り方は三連だけではないのだが・・・)
”タップの基本はこれからだ”とよく言われるステップ。ステップの置くところにアセントをつけたり、アクセントを付けずにきれいに踏んだり、使い方は様々だがスタジオによってはどちらかに統一されている場合が多い。そういうことではなく、何でもできるようにして欲しい。
SLAP
スラップ
ブラッシュ、タップの事。体重の移動が行なわれない。基本的にその場で行い、体重の移動がないのでまた、同じ足を使える。(逆の足を使うこともできるが)
FLAP
フラップ
ブラッシュ、ステップの事。体重の移動が行なわれる。バックフラップと使い分ける意味でフロント・サイドの動きを伴うもの。さらに細かく分けてフロントフラップ、サイドフラップと分けられるがそこまではせず、ここではフラップとバックフラップの2つに使い分ける事にする。体重の移動を行なうので、走ったり(ランニングフラップ)次に逆の足を使いやすい。(もちろん同じ足もつかえるが)スタジオによって体重の移動にかかわらずスラップかフラップかのどちらかで統一しているところがほとんどで、ちゃんと使い分けているところはあまりなく、また使い分ける事で生徒さんが混乱するおそれもあるので個人的にはいいと思う。ただし、傾向として日本ではスラップ、アメリカではフラップと呼ぶ事が多い。(もちろん全てではない)
BACK FLAP
バックフラップ
バックブラッシュ(スパンク)、ステップの事。フラップしながら後ろに下がるのとは違いあくまでもバックブラッシュを行なう。
日本ではホールとも呼ばれている。フラップとバックフラップをうまく使い分けられるように。
HOP
ホップ
片足で跳んで同じ片足で降りる事。ボールの部分で行なう。ホップをうまく使えるために飛んで降りるのではなく自分の意志で強く打つ事が出来なくては。
HAMP
ハンプ
飛び方は様々だが、下りる足がスタンプで行なうもの。要するにスタンプの事。(ホップ、リープ、ジャンプと同じで飛ぶ動きを表す)古い用語で現在はあまり使われていない。特にハンプと言わず、単にスタンプと言っている。
LEEP
リープ
片足で跳んで反対の足に降りる事。ボールの部分で行なう。日本の用語ではこれをジャンプと呼ぶことがある。音的にはステップ!
LAMP
ランプ
LEEPの動きで下りる足がスタンプ。~(A)MPと付くとスタンプで降りる事を指す。う~ん、実に日本人的な解釈・・・・・。
JUMP
ジャンプ
両足で飛んでどちらか一方の足(または両足)に降りる。ボールの部分で行なう。ホップ・リープ・ジャンプはあくまでも飛ぶ動きの事で全て単にステップといっても間違えではないが動きを分かりやすくするためにあえて使い分けをしている。
DIG
ディグ
床に突き刺す事。DIGには掘る、削るなどの意味がある。ヒールで行なう場合はヒールディグ。ボールで行なう場合はボールディグ。
動作の終りがすばやく引っ込めるというものと床に置いて(はなさず)終わるというものがある。床に置いて体重がかかるとヒールステップになってしまうので微妙な事だがすばやく引っ込めるものだと思う。
DROP
ドロップ
ヒールを床に付けたままボールを持ち上げてボールで打つ事をボールドロップ。反対をヒールドロップ。ヒールかボールの片方を打つもので必ずどちらか一方は床についている。アクセントの付け方は様々。
STAMP
スタンプ
足の裏全部で床をたたく事。体重の移動がある。打った足が床に残っていて音のアクセントになるもの。はんこのスタンプを思い出すと覚えやすい。
正確にスタンプをすれば必要以上に力をいれて強く踏む事はない。
STOMP
ストンプ
足の裏全部で床をたたく事。体重の移動がない。打った足が上がっている。音のアクセントになる。うまく使いこなせると音の幅が広がる。ブラッシュでもスカッフでもない音。
STOMPLE
ストンプル
ストンプをした後でバックグラッシュを行なう。スカッフルになりやすいのでちゃんとストンプで打てるように。
STAND
スタンド
各部位で立つ事。トウスタンド、ヒールスタンド、ボールスタンドなど。片足での事を指す場合もあるが、ステップとの区別をつける上で両足で行なうものとする。
CHUG
チャグ
ボールを前へ押し出す感じでヒールを上げて(ボールは床から離さず)ボールを少し滑らせてからヒールドロップを打つ。片足でも両足でも行なわれる。ヒールドロップを打つ前に、前へのボールの移動を伴うもので約3インチ(7.5cm)と言われるがあまり長さが重要ではなく移動する事が大事なようである。
SLAM
スラム
片足のボールでひざを伸ばして上~下にたたきつける動き。両足で行なわれる事もある。ボールでもっとも強く音(アクセント)を出せるもの。ラフに打ち鳴らすとカッコイイ・・・。
DRAG
ドラッグ
片足で立ち、もう一方の足を床から離さずに引き寄せる動きの事。こする音がかすかにあるがこれは動きの事で音のことではない。あたりまえだが足のスタンスがある程度なければ行なわれない。足の閉じた状態の時には出来ない動きである。ドロー(DRAW)と言う時もある。
GRIND
グラインド
かかとを軸にボールを持ち上げてボール部位(つま先)を左右に動かす。音ではなく動きの事で、これを上手く使う事で足の見せ方が広がり、動きが大きく見える。ここでは特にヒールグラインドについて・・・。
SCUFF
スカッフ
ヒールの部分で蹴る事。ボールで蹴ればブラッシュ。ボールで行なわれる事はヒールでも行なわれる。タップやステップの事をヒールではヒールタッチ、ヒールステップと呼ぶ事もある。
SCUFFLE
スカッフル
スカッフにバックブラッシュが入ったもの。~フルと着くとバックブラッシュが入る。
RIFF
リフ
ブラッシュ、スカッフの事。トウ、スカッフという事もあるが細かな部位的にはブラッシュだと思う。ただしボールの事を”トウ”と呼ぶ人もいるのでその違いだと思う。(ボールの部位をさらに使い分けて特に先の方をトウと言う事も稀にある)
RIFFLE
リフル
リフにバックブラッシュが入ったもの。3つの音が出る事からサードと呼ぶ事もある。
CLICK
クリック
ボールどうし(ボールクリック)、またはヒールどうし(ヒールクリック)をぶつけて音を出す。空中に飛んでヒールどうしを打つ事を”ベルキック”と呼ぶ。タップスどうしをあてて”カチ”と打ち鳴らしたい。
CLIP
クリップ
反対足のボールとヒールをぶつけて音を出す。クリックもクリップもアイリッシュの木靴で行なわれていたものが始まりで、タップスがまだない時代のステップなのだが、現在タップスがある以上あてていきたいなあ。
BUFFALO
バッファロー
Rでフラップ、Lでシャッフル、ステップを行なう。その際にLのステップをRの足の後ろに置き、足に動きをつける。もちろん反対足もある。最初のフラップをステップだけで行なう動きもある。主に横に移動する時に使われるもので、ボードビルなどで袖にはける時によく使われたらしい。
DRAW BACKS
ドローバックス
Rで後ろにステップをして(ヒールは着かない)前に残されたLでバックブラッシュそしてRのヒールディグの3音で次に反対の繰り返し。打ち始めはどこからでもよい。後ろに下がる事からバッステップと呼ばれているもの。必ず1つのステップが終わると同時に次の準備(Lのかかとに体重を乗せてボールを持ち上げて置く)がとても大切。全てのステップに言えることだが・・・。
CRAMP
クランプ
アクセントの強いヒールドロップを行うこと。これにボールが加わったものがクランプロール。ロールとは基本的に連続した動きが続く事を言う。
CLUNK
クランク
靴の内側または外側のボールヒールを打ちおろすこと。2つに分けたり、同時に鳴らしたりする。
SLIDE
スライド
靴を床につけたまま様々な方向に滑らす動き。あくまでも動きのことで音はでないが床が凹凸であれば滑らせて音を出すこともある。
CRAMP ROLL
クランプロール
基本形はRステップ、Lステップ、,Rヒールドロップ、Lヒールドロップ。もちろん反対足もある。ももをケイレンさせながら4つの音をすばやく打ち鳴らす。Rステップ、Lステップ、Lヒールドロップ、RヒールドロップまたはRステップ、Rヒールドロップ、Lステップ、Lヒールドロップなど、これらも含めてもクランプロールと呼ぶ時もある。
FAKE CRAMP ROLL
フェイク クランプロール
基本形はRステップ、Lステップ、Lヒールドロップ、Rヒールドロップ。もちろん反対足もある。一瞬で4つの音を出すのでどのパターンで踏んでいるか見分けにくいが、次の動きに二度足にならないように使い分けるのが普通である(強引に踏んでいる人も多いが)
CHANGE CRAMP ROLL / ALTERNATING CRAMP ROLLとも言う。
PRESS CRAMP ROLL
プレス クランプロール
基本形はRステップ、Rヒールドロップ、Lヒールドロップ。 もちろん反対足もある。
体重移動がないため素早く打つことができる。クランプロールと違い音が1つ少ないため、しっかり聞き分けて使うことが大切。
BROADWAY
ブロードウェイ
基本はRフラップ、Lヒールドロップ、Rヒールドロップ、Lバックブラッシュ、Rヒールドロップ、Lトゥ、Rヒールドロップ 反対も。最初のLRがスタンプになったりなど様々なバリエーションがある。アレキサンダー、シャーリ-テンプルと呼ばれることもある。
TRENCHES
トレンチス
ステップとしてはRL交互に前後の動きをして入れ替えるときにスライドするもの。横で入れ替えて行うものもある。通常よくトレンチ、と言っているもの。
フーファースタイル(横スライド)ブロードウェイスタイル(手も使い前後大きく)
BOMBERSHAY
ボンバーシェイ
様々なバリエーションの総称で、主にヒールグラインド(GRIND)などのコンビネーションが多くみられる。スージーQといったステップも含まれる。日本のタップ界でもよく観られるのでただ今違いを調べています。
SUSIE-Q
スージーQ
Rの足の前にクロスしてLをスタンプして、同時に手を握り横に動かす(スウィングする)。反対も同じ。1937年に流行ったダンス。ヒールグラインドを使って、手とつま先が反対方向になるように動かす。
CINCINATI
シンシナティ
Rホップ、Lシャッフル、ステップ、(同じ足で)Lホップ、Rシャッフル、ステップ。ホップがヒールドロップのバリエーションもある。後ろに下がりながら行なうバリエーションの1つ。応用などではいくつかのステップが増えて来る。
PADDLE and ROLL
パドルエンドロール
片足でヒールディグ、バックブラッシュ、ステップ、ヒールドロップの4つの音を出し、左右交互に行なう。またヒールドロップから打ち始めることもあり、その際は2つ目のヒールディグをスカッフに近い打ち方に変えた方が良い。このようにアクセントの付け方でかなり違うように聞こえる。パドルとだけ簡単に言ってしまう事がよくあるがパドルとは片足でヒールディグ、バックブラッシュを続けて行なう事。
IRISH
アイリッシュ
Rシャッフル、Lホップ、Rステップの4サウンドの組み合わせで左右交互に行なう。ステップから始める場合もあり左記の組み合わせの総称。最近では”リバーダンス”でよく使われている。アイリッシュダンスからの流れで付いた名前。
THIRD(SLURP)
サード(スループ)
足の力を抜いてステップ、ヒールドロップ、ボールドロップを続けて行なうこと1アクションで3つの音を出すものの総称でRIFFLEやSLURPなどの事を指す場合にも使われる。ここではSLURPの意味として使い分けをしたい。
PULL BACK
プルバック
ホッピング(音のことではなく、飛ぶ動作の事)、バックブラッシュ、ステップの事。ピックアップ(PICK UP)とも言う。両足・片足・左右のずらしたもの、入れ替えるもの等、バリエーションは様々。厳密な使い分けでは床に靴の裏全体を置いた状態(スタンプ)からかかとに体重を乗せてボールを少し浮かした状態からバックブラッシュ、ステップをするものとは違う。あくまでもホッピングという動作が入るのでヒールアップをした状態で行なう。GRAB OFF(グラブオフ)とも言う。
MAXIE FORD
マキシーフォード
Rスタンプ(ステップ)、Lシャッフル、Rバックブラッシュ(ホッピング、バックブラッシュ)Lステップ、Lヒールドロップ、Rトウ(Lの足の外側で)の事。反対足もある。あくまでも様々なバリエーションの1つ。ヒールドロップがあったり、なかったり、トウの後だったり・・・・・。日本ではジャックナイフと呼ばれているもの。このステップはマキシー・フォードさんが考えたバリエーション。日本ではナイフの種類でジャックナイフというものがあり、ナイフを閉じる動きが似ているのでそう名づけられた。ナイフのように鋭く一瞬で・・・・。ボードビルの時代に出来たコンビネーション。
FOUR STEP
フォーステップ
シャッフル、ステップ、ヒール。パドルロール。スタンプ、ステップ、ステップ、ステップ他。同じようにファイブステップ、シックスステップ・・・等ある。特にこれといったステップの用語ではなく、4つの音を出すものの総称である。
WING
ウィング
サイドにこするようにして足を持ち上げ、バックブラッシュ、ステップ。シャッフルウィング(ホッピング、シャッフル、ステップ)、ファイブウィング(片足で着地をせずに2回続けて行なう)等もある。プルバックと同様なバリエーションがある。この用語は日本でもアメリカでもさほど変わらぬ解釈なので(口で説明のしにくいもの)、先生に聞いてみよう。シャッフルウィング、ファイブカウントウィングなど。
その他、まだまだたくさんあるのですが、整理がつかずとりあえず・・・・。
今後も随時更新していきます。(気長にお待ちください)