鳥獣被害対策の取り組み

 生産現場ではシカ、イノシシ、カラス、サルといった野生鳥獣による被害が年々増加しています。
 平成◯年に生見パイロット山に町の事業で鳥獣ネットを張り巡らし、一時期被害は減少していましたが、ネットの管理・補修等が行き届かず、その後被害は拡大しています。
 主な被害の1つはシカによるポンカンの樹皮剥ぎです(下記、
画像参照)。幹の一部分だけの被害であればその後回復することもありますが、幹を一周剥がれた場合は枯死してしまうこともあり、長年大切に育ててきた樹を失うことから非常に大きな問題となっています。
 イノシシはほ場の土を掘り起こし園地を荒らします。カラスやサルは収穫期を迎えた果実を食害します(下記、
YouTube動画参照)。
 現在、JA高知県安芸地区ユズ部会が安芸市で鳥獣被害の多いほ場において、トレイルカメラ(暗視カメラ)を設置し、どんな種類の動物がどこから入ってきているのか、また生産者個人が設置したネットや柵の設置の仕方に問題がないかを点検したりする取り組みが始まっています(令和2年度)。
 当地区では協議会メンバーでもあるJAの中原鳥獣対策専門員を中心に、町の有害鳥獣被害対策協議会との連携も含め、今後東洋町のポンカン生産現場で被害を軽減するための取組内容等について検討していくこととしています。
 令和2年度には東洋町で初のわな猟狩猟免許試験を開催し、受験した町民13名が全員無事合格し、うち5名がポンカンの生産者でした。
 令和3年度からは協議会メンバーを中心に、ドローン空撮園地画像をもとに被害本数と被害推定年次を調査し、シカの樹皮剥ぎ被害実態を明らかにしています。令和3年度に調査した約3500本の樹のうち、定植してからこれまでに1度でも被害に遭った樹は約83%にものぼっています(下記、
令和3年度の調査結果参照)。

太い幹の樹皮剥ぎ

ネットにひっかかり暴れるシカ

細い枝の樹皮剥ぎ

令和3年3月11日 設置1日目の様子です

令和3年3月12日 設置2日目の様子です

令和3年3月13日 設置3日目の様子です

※ センサーカメラで撮影したAVIファイルを、MP4に変換し動画作成ソフトで編集する際、3つ以上のMP4ファイルを挿入するとバグが発生したため、3つに分割しています。3日目の深夜には2頭のシカが食べカスを漁りにやってきました。さらに4日目の14日にも別のシカが深夜にやってきました。

被害状況を調査する中原鳥獣被害対策専門員

複数年に渡り被害を受け続けている樹

被害状況をドローン空撮画像にプロット

令和3年度の調査結果