9月8日、東洋町ではレーダーによる解析で、午前9時50分までの1時間に約120ミリの猛烈な雨が降ったと見られ、記録的短時間大雨情報が発表されたと全国ニュースでも大きく報道されました。
県の水防観測情報データを確認すると、甲浦の観測地点においては10時から11時の1時間に82ミリの雨が降っていたことがわかります。日が変わる前日7日未明の41ミリから積算すると1日ちょっとで532ミリの積算雨量を記録していますが、ドローン防除でパイロット山に設置している簡易雨量計を見てみると9月2日のドローン防除後、今回の大雨までほぼ降雨が見られなかったにもかかわらず800ミリ程度の積算雨量を記録してることから、ポンカン山では相当の雨が降ったと見られます。
全国ニュースでも大々的に取り上げられました
県の水防観測情報グラフ
簡易雨量計の積算雨量は800ミリ
大きな被害に遭われたK園では、メインロードと側道の間の全5段が崩落し、各段2樹ずつ合計10樹のポンカンが流失しました。さらに崩落箇所はモノレール設置区間であったため、レールが5段分流失し(5.5m✕5本分)、最下段に停車・保管させていたモノレール本体(エンジン、荷台)が道路の反対側まで吹き飛ばされていました。幸い、エンジンは始動しましたが、台車は若干ねじれており補修が必要となっています。流失したポンカン樹は大半が土砂に埋もれ、2樹のみ確認できる状態となっていました。
甚大な被害を受けたK園
側道から下方を望む
5段目に2本だけ残る上から流れてきたポンカン樹
5段目から上方を望む
切断されたモノレール
園主さんの向かいにモノレール置き場がありました
すでに道路上に膝ほどあった土砂は業者が撤去
崩落前のK園の空撮画像(矢印が崩落箇所)
崩落前のS園の空撮画像(矢印が崩落箇所)
同様に崩落が見られたS園は、崩落幅が狭かったことから流失したポンカン1樹と、崩落5段目の樹の主枝が土砂の圧力で折損、その他各段の樹の株元には土砂が堆積する被害が出ています。
遠目に見ても被害の大きさがわかります
崩落3段目から上方を望む
崩落3段目から下方を望む
株元が土砂で埋まるポンカン樹
むき出しとなった定置配管
むき出しとなった定置配管
下段へ押し流されたポンカン樹
5段目は土砂の圧力で片側の主枝が吹き飛んでいます
その他、土が洗い流されて根がむき出しになった樹や、樹への影響はないものの、側道が土砂崩れで通れない箇所も見られています。
過去に時間雨量110ミリに見舞われた際には農道30数箇所が崩落する被害が出たようですが、今回の大雨では崩落箇所数は少ないものの、特定の園地に甚大な被害が起こっているとのこと。今後、被害に遭った園地の速やかな回復に向け、東洋町役場、県、JAでは各種事業の提案等を行い支援していきます。
根がむき出しとなった樹
土砂で鳥獣ネットが倒壊
側道が埋まり通行止め