「経済同友会インターンシップ」第1期生座談会
― 思い切って行動することで、自分のキャリアが動き始める ―
― 思い切って行動することで、自分のキャリアが動き始める ―
2025年度 経済同友会インターンシップへのエントリー、ありがとうございました。
「経済同友会インターンシップ」は、日本を代表する有力企業が、全国の大学や高等専門学校と連携して行うインターンシップ・プログラムです。受け入れ先は、誰もが知る金融機関、メーカー、小売企業など。
東洋大学では、経済同友会と連携し、毎年このプログラムに学生を派遣しています。エントリーには選考があり、参加学生には事前研修、事後研修、成果報告会での発表が課されます。
2019年に本学の第1期生として参加した先輩たちは、大学2年次の「経済同友会インターンシップ」で何を経験し、何を得たのでしょう?
3年次以降の就職活動への流れも含めて、語り合ってもらいました。
田中 あや香さん
理工学部 都市環境デザイン学科 卒業
インターンシップ先:住友林業株式会社
期間:4週間
就職先:東日本旅客鉄道株式会社
原 ゆめかさん
理工学部 生体医工学科 卒業
インターンシップ先:デュポン株式会社
期間:4週間
就職先:三輪精機株式会社
前田 直哉さん
経済学部 総合政策学科 卒業
インターンシップ先:第一生命保険株式会社
期間:2週間
就職先:イオンリテール株式会社
社会学部 社会心理学科
川井雅大 講師
NUTS株式会社
榊原 大学2年生といえば、大学に慣れ、就職活動もまだ先という、一番自由を謳歌(おうか)できる時期だと思いますが、皆さんが「経済同友会インターンシップ」に参加したきっかけを教えてください。
田中 高校時代まで、さまざまな活動をするときに、いつも動き出しが遅くて、満足のいく結果を出せずにいました。そこで、大学では、納得のいく就職をして、活躍できる社会人になることを目標にしていたんです。そのため、1年次から他のインターンシップにも参加していて、2年次の「経済同友会インターンシップ」も自分で探して応募しました。
榊原 募集はどこで見つけましたか?
田中 ToyoNet-ACEの掲示板です。派遣先企業がすごい会社ばかりなので、「これは参加しなければ!」と思いました。
榊原 原さんは何かきっかけはありましたか?
原 私は単純に時間があったからですね。高校時代と違って、大学の休みは長いので、何かに挑戦したい!と思ったんです。
榊原 アルバイトでもサークルでもなく、なぜインターンシップを?
原 やはりどこかで就職活動は意識していたと思います。こういう経験はなかなかできないので、大学のつながりで参加できるところに魅力を感じました。
川井 不安はありませんでしたか?
原 不安よりも「楽しみ!」という気持ちが勝っていました。3年生の就職活動だと失敗は許されない雰囲気ですが、2年生なら失敗しても大丈夫! という感覚がありました。
前田 それは私も同じです。ワクワクしか感じなかったです。
川井 前田さんは、まさになんでも挑戦するタイプですよね?
前田 実はそんなことはなくて、高校時代までかなり保守的なタイプだったんです。そこで、大学では自分を変えて、成長したいと思い、1年次から学生ボランティア団体を立ち上げて、活動していました。団体の仲間と話す中で、自分の強みや得意分野を意識することもありました。ただ、もっと自分の気づかない強みを見つけたいと思って、それを社会人と接しながら見つけられる機会だと思い、「経済同友会インターンシップ」に参加しました。
田中 私も高校までは何ごとにも受け身だったので、大学生になったら自主的に行動しないと成長できない!という意識はありました。それもあって、ToyoNet-ACEの掲示版はよくチェックしていました。
「経済同友会インターンシップ」で学んだこと
原 大げさじゃなくて、本当に「経済同友会インターンシップ」で自分が大きく変わったと思っています。現場で仕事を学ぶというだけでなく、社会人としての生き方を学びました。
川井 具体的に覚えていることはありますか?
原 事前研修で講師の川井さんから3つの「きく」について教わったことをよく覚えています。
川井 受け身の「聞く」、アクティブリスニングの「聴く」、相手の真意に踏み込んでいく「訊く」という話ですよね。インターンシップの現場では、経験からどれだけ知識を吸収できるかが問われます。それだけに、事前研修が大きな意味を持つんです。
原 私の派遣先は、栃木県内にある外資系メーカーの工場だったのですが、今までまったく接点がなかった社会人の方々と出会って、自分の視野の狭さに気づかされました。
榊原 やはり日系企業と外資系企業のカルチャーは違いますよね。そんな幅広い現場を体験できるのも「経済同友会インターンシップ」の魅力だと思います。
田中 私も川井さんの事前研修で、「どういう意識で派遣先に行くべきか」を言語化してもらえたことが大きかったですね。毎日、派遣先から戻った後、自分が何に気づき、何を得たのかを考え、具体的に書き起こすことができました。
川井 他大学の学生と比較して、事前準備をしてよかったことはありますか?
田中 やはり、メモもせず、なんとなく参加しているだけの学生とは大きな差がついたと思います。ここでも自主的に行動することの大切さを学んだ気がします。
前田 インターンシップだけでなく、事前研修→事後研修→成果発表会という一連の流れを経験しないとこのプログラムの本質がわからないと思います。やはり、成果発表会で、身についたものを言語化することで、記憶に強く残るんですよね。それがないとせっかくそのとき成長してもすぐに忘れて元通りになると思います。
榊原 この一連の流れは、社会人になっても繰り返すことになるので、必ず役立ちます。取引先に訪問する際は、その企業の情報を調べて、新聞で関連する業界についてチェックする。訪問した後は、上司や同僚と情報共有するための報告書を作成する。これって、まさに皆さんが今回のプログラムで体験したことですよね。
前田 私もその後のインターンシップや就職活動で、どの企業を訪問する際も必ず事前学習・事後学習の流れを実践していました。
川井 その後、他のインターンシッププログラムに参加して、「経済同友会インターンシップ」との違いを感じましたか?
田中 私たちの代は、3年次からコロナ禍に入ってしまったこともあって、他社のインターンシップは、オンライン中心でほぼグループワークをするだけだったり、説明会と同様だったり……という感じでした。やはり、4週間という長期で、現場の仕事を体験できるプログラムはなかなかないと後から知りました。早めに動いてよかったです。
原 オンラインでも構わないと思うのですが、短期よりも長期のインターンシップのほうが、受け入れ先企業に溶け込めるのは確かだと思います。コロナ禍が落ち着けば、やはり現場での体験型インターンシップには、一度は参加すべきだと思います。
前田 私も3年次以降にいろいろなインターンシップに参加しましたが、「経済同友会インターンシップ」は、圧倒的にフィードバックが多いと思います。それは、参加者が絞られていることが理由だと思います。他のオンラインインターンシップでは、100名同時参加ということもありました。それでは、個別のフィードバックは受けられません。
川井 100名のインターンシップとなるとほぼ説明会ですよね。そこはどうやって見分けましたか?
前田 私の経験では、やはり厳しめの選考があるところは、得るものが大きいと思います。
田中 私も必ずエントリーシート提出を求められるインターンシップだけに参加しました。原則全員参加できるオンラインインターンシップは、残念ながら説明会と変わらないと思います。
榊原 逆に長期のインターンシップだと「怖い」といって、尻込みしてしまう学生も多いですよね。
原 それは私のまわりを見ていても思います。ただ、私たちは、「経済同友会インターンシップ」が基準なので、こういうものかと思っていましたね(笑)。
前田 やはり大変な経験をしたほうが成長できるのは、間違いないと思います。
榊原 皆さんは、「経済同友会インターンシップ」に参加した後、どのような就職活動をしましたか?
田中 私は、理工学部で土木工学を学んでいて、2年次の夏休みに「経済同友会インターンシップ」で住宅メーカーの仕事を経験した後、デザイン会社のインターンシップなどにも参加しました。
川井 デザイン会社はまたどうしてですか?
田中 まちづくりに興味があったので、デザインもものづくりの延長線上として興味がありました。その後、3年次にもオンラインでいくつかインターンシップに参加して、最終的に運輸業界への就職を決めました。就職先では、主にインフラ整備の仕事に就くことになると思います。
原 私は、理工学部生体医工学科に所属していたのですが、もともと車が好きで、自動車部品メーカーへの就職を決めました。私も「経済同友会インターンシップ」に参加後、1dayも含む、さまざまなインターンシップに参加しながら、志望を絞り込みました。一時は、大学職員の仕事にも興味を持ったのですが、最終的に地元・埼玉で働きたいという気持ちもあり、今の就職先に決めました。
前田 私の所属は経済学部で、もともとは生命保険業界に興味がありました。というのも「経済同友会インターンシップ」の派遣先が生命保険の会社だったので、その影響は多きかったですね。
榊原 前田さんは最終的に志望業界を変えましたよね。
前田 はい。3年次以降も選考がある企業に絞って、さまざまな業界のインターンシップに参加しながら、自分の志望と合致する業界はどこか考えました。目指したのは、人の役に立つ仕事、人に喜んでもらえる仕事——。「経済同友会インターンシップ」の経験もあり、生命保険業界の面接でアドバンテージはあったのですが、「この業界で働きたい」と本気で思えるのは、内定先である商業施設を運営する会社でした。
川井 職種への興味、業界への興味だけでなく、実際にその会社で自分自身が活躍できるかどうかも企業選びのポイントになります。新たなアイデアが求められる小売業界のほうが、前田さんの情熱をダイレクトに受け止めてくれるかもしれませんね。これも早い段階から、インターンシップに参加して、業界研究をした成果だと思います。
榊原 「経済同友会インターンシップ」に参加して、学生同士の横のつながりもできましたか?
田中 事前研修があったので、インターンシップ期間中は、グループLINEをつくって、互いに励まし合っていました。
榊原 研修には一人ひとりで参加するので、仲間との会話は安心材料になるでしょうね。
前田 本当にそう思います。その後の就職活動でもとにかく仲間がいたほうがいい。面接の練習相手になってもらったり、エントリーシートへのアドバイスをもらえたりしますからね。
川井 2年次という早い段階で、自分のキャリアについて考える機会があったことはどう捉えていますか?
原 「経済同友会インターンシップ」のおかげで、私は本当にいいスタートが切れたと思っています。この話をした友達からも「私も参加したかった」「うらやましい」と言われました。このインターンシップで人生が変わる人もいると思うので、ぜひ積極的に参加すべきだと思います。
前田 私も「経済同友会インターンシップ」でいいスタートダッシュができました。他の学生にとって、3年夏休みのインターンシップが本選考の練習だとすれば、本選考の練習の練習ができるわけです。ここで鍛えられたことで、自己アピールの要素がかなり増えました。時給1000円のアルバイトをするより、経済同友会と連携する東洋大学の学生だから参加可能な機会を活用するほうが、リターンは大きいと思います!
田中 最初にみんなも言っていましたが、2年生なら「失敗してもOK」というのが大きいですよね。私も「インターンシップってなんだろう?」くらいの気持ちでしたが、本当に参加してよかったと思います。
原 成功すれば「2年生なのにすごい!」ってほめられるし、失敗しても「2年生だからまだまだ大丈夫」とフォローしてもらえる。これって、すごいチャンスですよね。
榊原 では、最後に「経済同友会インターンシップ」に興味を持っている後輩たちにメッセージをお願いします。
前田 先ほども言いましたが、就職活動には仲間が必要です。辛いことがあっても仲間がいれば、乗り越えることができます。ぜひ「経済同友会インターンシップ」で、将来を一緒に考える仲間をつくってほしいです。
田中 「経済同友会インターンシップ」に限らず、大学発信のあらゆる機会を自分のチャンスにしていく心がけが大切です。家でゴロゴロしているのはもったいない。どんな小さなアクションでも積み重ねると自分の成長につながると思います。
原 私は本当に「経済同友会インターンシップ」が今の自分をつくっていると思っています。大学生活の早い段階で、何かに本気で挑戦する楽しさを知ってほしいです。「経済同友会インターンシップ」は、その絶好の機会だと思います。