健全な生態系はヒトの持続的発展に不可欠な生態系サービスを提供してくれるとともに,生態工学的手法開発の基盤としても大切なため,生態系保全を進めていくことはとても重要です。当研究室では,とくに水圏生態系に注目し,生物多様性(様々な種が共存できる健全な生態系の姿)を維持していくためにどのような対策が必要か明らかにするために,九州地方の湖沼や河川などを対象として,フィールド調査を行うとともに,水生動物の飼育実験などを進めています。
図 佐賀県北山貯水池に生息する魚類(ワカサギ:左),動物プランクトン(上段),植物プランクトン(下段)。水生生物の生息状況をもとに湖沼の健康状態を評価するとともに,各水生生物の化学組成(脂肪酸組成,炭素・窒素安定同位体比,炭素・窒素・リン含有量など)を分析し,生態系の構造についても解析を行い,健全な生態系を保全するための管理方針の提言を目指している。
図 大型緑藻Micrasterias hardyi(上)はオーストラリアやニュージーランドの固有種であるが琵琶湖で大量発生しており在来の生態系への悪影響が懸念されている。当研究室では,本種の生理・生態や九州地方の侵入状況を調べている。在来巻貝のマルタニシ(下)は個体数が激減し絶滅危惧種に指定されている。当研究室ではマルタニシの生態系に果たす役割(水質浄化など)や保全対策について研究を進めている。
研究概要