本作品は、360°動画の間違い探しである。この体験も普段の生活も、私たちが一度に見られるのは世界のほんの一部だけである。見ているようで見えていないことがいかに多く、すべてを見渡すことがどれだけ大変なのか気付くきっかけを得てもらいたい。気軽にぐるぐると見回してみよう。あなたはいくつ間違いを見つけられるだろうか。
井上智晶, 阿部修一郎, 佐久間響子, 佐藤結佳子, 日隈脩一郎, 瑞穂嵩人, "360◯°", 第22回東京大学制作展 "弛む", オンライン, 2020年11月. [URL]
360-degree camera (RICOH Theta V)
体験者は、ヘッドマウンテッドディスプレイ (HMD) やスマートフォンでぐるぐるとあたりを見回すことで、間違い探しゲームをプレイする。通常の2Dの間違い探しと比較して、極端に高難易度であることが面白い。体験を進めるうちに、日常生活でも同様の見落としが常にあるのではということを考えていただけたらと思って作成した。
2タイプの間違い探しを作成した。
一つは、360度映像 A と 360度映像 A' が順に流れて、2つの違いを見つける体験である (Lv. 2, 4)。
これは、集中力や記憶力を酷使する体験である。
もう一つは、180度映像 A と180度映像 A' を繋ぎ合わせた一つの360度映像を視聴し、左半球と右半球を見比べて違いを見つける体験である (Lv. 1, Lv. 3)。
これは、体や首を頻繁にひねる動作を必要とし、体力を酷使する体験である。
第22回東京大学制作展 "弛む", オンライン, 2020年11月. [URL]