比較ゲノム学や集団遺伝学などを通して、生物の進化と環境適応に関する研究を行っています。生物の進化・多様化の歴史を解き明かすことで、その背後にある地球の環境史に迫りたいと考えています。
News
2025.1.24 論文発表:道東を中心に3地域6サイトの考古遺跡から出土したイルカ54個体のミトコンドリアDNA解読と放射性炭素年代測定を行いました。およそ2000年前に道東釧路沿岸に生息していたイルカ類、特にカマイルカは、現在同地で観察される個体群や4000年以上前に生息していた個体群とは異なる遺伝集団に属しており、過去に大規模な集団の入れ替わりがあったことが示唆されました。[プレスリリース] [本論文に関するオンライン講演(英語)]
2023.11.18 論文発表:称名寺貝塚(横浜市金沢区)から出土した縄文時代後期およそ4000-5000年前のイルカ類のミトコンドリアDNAを解読して、当時の東京湾の鯨類の遺伝的多様性を調べた論文を発表しました。称名寺貝塚に住んでいた縄文人は、主にミナミハンドウイルカとカマイルカを捕獲していたようです。また、当時の東京湾を泳いでいたミナミハンドウイルカは、現在の御蔵島周辺に生息するミナミハンドウイルカ個体群の、母系の直接の祖先に当たる可能性があります。
2022.4.1 JSPS科研費基盤研究(B)「日本の動物相の原風景―集団ゲノミクスと古代DNAによる在来動物の集団史の解明」(研究代表者)がスタートしました。2025年度まで4年間のプロジェクトです。