字名に基づく町名。「字滝ノ水」はこの地にあった滝が由来とのこと。古くからの地名である。十米くらいの落差のある滝があり、二段になって滝ノ水川に流れ込んでいた。飲める水であったそう。昭和30年代までは里山と湧水湿地が点在する土地だったが、昭和50年以降急速に宅地化が進んだ。里山を宅地造成する様子を収めた写真を滝の水公園にある『名市大薬学部創設の地』(名古屋市緑区役所による)で見る事ができる。かつては「小坂」「大形山」とともに、相原村の北の山の意味で「北山」と呼ばれていた。滝ノ水の南部は「大根」に対して「小根」と呼ばれていた。
【滝の水公園】
滝の水公園は現在の篠の風三丁目にある公園で、桃の名所として親しまれている。高台にあり見晴らしが良く、元旦には初日の出を見ようと多くの人で賑わう。昭和6年~昭和26年まで名古屋薬学専門学校(現在の名古屋市立大学薬学部の前身)があった。公園内の記念碑には学校の沿革や校歌が刻まれている。昭和34年の伊勢湾台風の際には災害廃棄物が集積され、その後整備されて公園となった。公園内の北西角にはガス抜き用の配管が残されている。
参考文献
榊原邦彦(2021)『名古屋史跡巡り一 鳴海史跡巡り』 名古屋市 中日出版株式会社
榊原邦彦(2000)『緑区の史蹟』 名古屋市 鳴海土風会
滝の水学区連絡協議会(2009)『滝の水公園の由来』※現地看板
名古屋市緑区役所(2016年)『名市大薬学部創設の地』※現地看板
名古屋市ホームページ(2014年)『滝ノ水緑地管理運営方針』(2025年1月26日閲覧)