大きな尾根の意味。1980年以前は現「松が根台」の一部も「字大根」だった。
大根はもともと蛭谷と呼ばれており(三王山の旧字だが明治初年の字名制定の際、一時期大根の区域を三王山としたことがあるため、本来は大根の中に蛭谷があったそう(蛭谷と呼ばれていたのは上ノ山の高地の南にある谷)。梅の名所でもあった。地形については「急傾斜の山坂」「崖になつてゐるやうな恐ろしいやうな所で、清水がちよろちよろ出てゐた」などの記載がある。「ひる」は湿原湿地を指し、蛭が居たから地名になったのではなく、湿った谷だから結果として蛭がいた事はあるかもしれない、とのこと。
「大根」「三王山」の一部は「潮見坂」と呼ばれており、海の見える坂を意味する。鳴海には山間部の標高の高い場所に海が見える事に因む旧地名・通称が散見される。
【余談】
大根塚という古墳や、大根貝塚などの史跡があったそう。
参考文献
榊原邦彦(2021)『名古屋史跡巡り一 鳴海史跡巡り』 名古屋市 中日出版株式会社
榊原邦彦(1984)『緑区の歴史(名古屋区史シリーズ;6)』愛知郷土資料刊行会
榊原邦彦(2000)『緑区の史蹟』 名古屋市 鳴海土風会