三王社から。古くは山王山で、三王は当て字。かつては「さんわう」と読んだそう。三王社は現存しない。
旧字は「潮見坂」「緒畑」等。「潮見坂」は海の見える坂。「緒畑」は緒畑稲荷社に因む。
【千鳥塚】
芭蕉の「星崎の闇をみよとや啼く千鳥」を立句として、鳴海六俳仙との歌仙千句が完成した記念に連衆が建てたもの。芭蕉の直筆とされている。松尾芭蕉の存命中に建てられた唯一の翁塚(芭蕉句碑)。俳文学史上稀有の遺跡と言われている。享保十八年に細根山に塚を建て、宝暦十四年に山王山に移したのが現在の千鳥塚。千鳥塚一帯は千句塚公園となっている。
【緒畑稲荷社】
鳴海の稲荷で最も古いもの。緒畑の名は伊勢国小俣村(伊勢市小俣町)の豊受大神宮摂社小俣神社に由来。創建は室町時代で、伊勢の緒畑原から勧請された社。祭神は倉稲魂命で、五穀豊穣を願う農耕神である。
参考文献
名古屋市ホームページ「緑区誌」1月1日閲覧
名古屋市ホームページ 1月1日閲覧
榊原邦彦(2021)『名古屋史跡巡り一 鳴海史跡巡り』 名古屋市 中日出版株式会社
榊原邦彦(2000)『緑区の史蹟』 名古屋市 鳴海土風会