新しく成立した町名。「青山」の山は「諏訪山」や「石堀山」に由来すると思われる。住宅地となる前は畑や荒れ地だった。
旧字に「平部山」「上小川」「下小川」「長坂」「中根」がある。「上小川」「下小川」の小川は、前後関係がはっきりしないが「緒川」とも書いたとのこと(東浦の緒川は「小川」が先)。このあたりには手越川の支流である「緒川道川」がある。太鼓田川とも呼ぶが、本来の太鼓田川は別にあった。緒川道川は平部のあたりから分かれ、大高緑地に沿うようにして流れている。「緒川道川に沿って大高を通り、知多半島東岸の緒川に至る主な道であった」とのこと(榊原邦彦,2021)。大高緑地の南方に位置する、現在の東浦町の「緒川」はかつては「緒川村」として栄えていた場所。「中根」は中の尾根の意味で、江戸時代には「向山」と呼ばれていた。「向山」は鳴海村の向かいの山を意味する。
【余談】
「長坂」は山に由来すると思うが……。
参考文献
榊原邦彦(2021)『名古屋史跡巡り一 鳴海史跡巡り』 名古屋市 中日出版株式会社
JLogos 『角川日本地名大辞典』中部地方>愛知県 2024年12月1日閲覧
JLogos 『角川地名大辞典(旧地名)』愛知県>名古屋市 2024年12月1日閲覧
榊原邦彦(1984)『緑区の歴史(名古屋区史シリーズ;6)』愛知郷土資料刊行会
Japanknowledge 『日本歴史地名大系』県別閲覧>愛知県 2024年12月1日閲覧 平凡社
名古屋市ホームページ「地区防災カルテ」2025年1月3日閲覧
榊原邦彦(2000)『緑区の史蹟』 名古屋市 鳴海土風会