文字を書くことは、脳から手へ情報を伝達すると同時に、手から脳へ情報を伝達する呼吸を伴う全身運動です。そして継続することにより書く力も育っていきます。
さて、昨年の公文書写の指導者研究大会での話。
基調講演の山梨大学大学院教授の宮澤正明先生(現代の書写教育の第一人者)がとても興味深い内容を語られました。
宮澤先生は以前からこの力を書字体力と言われてきました。そして、書写書道教育学会で、10数年にわたる研究発表として以下の事項を述べられたとのことです。
『繰り返して手書きをする事つまり書字体力をつける事は、記憶力の強化につながる。』
『手で書いて記憶する事また同時に声に出す事は、人間の営みの中で優れている点である。』
(前頭前野を鍛えるこになるからです。)
『小学校時代に徹底的に文字を書かせたグループは高校生で成績が伸びる。』
以上は、今学んでいる機能性脳科学、認知脳科学の観点からいっても、真実だと確信いたします。
兎に角、パソコンの時代だからこそ、低学年のうちに徹底的に書く事の楽しさを伝えて、手で文字を書き、書いた文字を音読し、前頭前野を鍛え、意欲、創造性、実行力溢れる生徒たちを育てていこうと決心した和多志でした。