強迫性障害(Obsessive Compulsive Disorder: OCD)とは、洗浄、確認、心の中のおまじないなどが過剰となり生活を送ることが困難となる病気です。
専門家は
に症状を分類します。
強迫の形は様々です。
手洗い、持ち物を洗う(拭き取る)、入浴、排便後の拭き取り、アルコール消毒、血液、分泌物、見えない汚れ(ばい菌、放射線などの汚染物質)を洗浄する、付着したものを避ける、戸締りを決まった回数行う、コンロが消えているか黙認、触る、電気を決して確認、頭の中で好きな数字と嫌いな数字を思い浮かべる、嫌いな人を思い出すきっかけを避ける、帰宅時に風呂場にすぐに行く、家族にも入浴させる
など、他にもたくさんあります。
その他にも、
motric typeがしっくり感を求めることから、just right feeling(ぴったりくる感じ)を過度に追求することが強迫行為となっています。
強迫性障害の原因は、はっきりとはわかっていません。
近年の脳画像研究には、
など、脳内の情報処理の問題であると指摘するものがあります(眼窩前頭皮質、線条体、視床が関与する)。うつ病などに関連するセロトニン、ドパミンなどの脳内物質の関与も示唆されていますが、はっきりとは解明されていません。
症状を悪化させる心理的要因も少なからずあり、薬物療法だけでは改善しないケースがあります。例えば、他の精神疾患との重複(うつ病、PTSD)、喪失体験、過度なストレス、出産などです。これらのこと発症のきっかけになったり、症状を複雑化させることがあります。家族と同居をしている方は、衝突や生活を円滑化するために、家族が強迫行為をしやすく手伝ったり、生活パターンを合わせること(accomodation=巻き込まれ)が症状の悪化要因として挙げられます。
患者さんの治療意欲は極めて重要なことで、治療の予後を占うと言っても過言ではありません。認知行動療法の治療効果は、他の精神疾患として高いのですが、治療者との相性の悪さ、治療理念の誤解などが理由で脱落する方がいます。一度、脱落してしまうと、治療意欲が著しく低下したり、治療の再開が難しくなります。治療意欲が高まらない場合には、闇雲に取り組んだり、諦めたりせず、その理由が何かを探っていくことが重要です。