私たちの研究室では、先端微細加工技術、光計測制御技術、および電磁場シミュレーションを自ら開発・統合し、これらを高度に駆使することを研究の基盤としています。この独自のプラットフォームを用いて、プラズモニック構造、メタマテリアル・メタサーフェス、フォトニック結晶等の人工ナノ構造と光との相互作用の学理を「運動量・角運動量・キラリティー」の観点から攻究することで、光と物質が交わる極微スケールに潜む力学・幾何学・対称性の本質を捉え、サイエンスとテクノロジーにインパクトを与える革新的基盤技術の創出を目指しています。ここで生み出される新しい光操作原理は、バイオ応用や物質の秩序構造制御、光駆動アクチュエータに留まらず、光学浮上を用いた共振器オプトメカニクス、超高感度力センサ、非破壊光子検出、巨視的量子性の検証、さらには宇宙空間でのレーザー推進といった多様なフロンティアを横断的に切り拓くものです。研究の遂行にあたっては、電子科学研究所附属ナノテクノロジー研究センターが有する世界屈指の設備と熟練した技術スタッフをフルに活用し、既存の枠組みを超えた独創的研究を推進しています。学生さんには、記者会見で研究成果を説明したこちらの動画、ネットジャーナルの記事も参考になるかもしれません。
1. 人工ナノ構造と光との相互作用の学理
・光の角運動量と光のキラリティ
Phys Rev A (2020), Nanophotonics (2021), APL Photon (2021), Phys Rev Res (2025), Nano Lett (2025), Optica (2026).
・ナノ構造の回転対称性と線形非線形キラル光学応答
Nano Lett (2017), Nanophotonics (2021), ACS Photon (2022).
・新奇な光圧・光トルク
Nano Lett (2013), Phys Rev A (2019), Opt Express (2020).
・固体レーザー冷却の制御
Optica, Vol. 13, 353-361 (2026)
2. 超高精度ナノ計測法の開拓
・空間分解光渦二色性分光イメージング
Rev. Sci. Instrum. (2024).
・ナノ構造に働く光圧・光トルクの3次元計測
Nat. Phys. (2026).
Nature Physics, Vol. 22, 924–930 (2026)
3.ナノ構造光圧アクチュエータの創出とその応用展開
・新奇光駆動ナノアクチュエータ
Sci. Adv. (2020).
・自律制御型光アクチュエータ
ACS Appl. Nano Mater. (2018), APL Photonics (2025).
・ナノ構造による光圧制御とレーザー冷却制御に基づく光学浮上技術
Science Advances, Vol. 6, eabc3726 (2020)