丹波修験復興への想い
丹波修験復興への想い
豊かな海の生態系は豊かな山にあり。
豊かな山からの恵みは水として豊かな大地をつくる。
森里川海の有機的なつながりを意識し、
その環境を守り伝える事は我々の生き方を
改めて考え直すきっかけになる。
丹波地域の豊かな自然環境が大切に守られてきた精神や仕組みには、古来より存在した山岳信仰は欠かせないものである。
それを体系的に行なっていた文化の一つに「修験道」があった。
全国のどこの地域にも修験の行場があり、山伏たちが山を修行し自然を護り、薬草などの知識や験力から里の人々を病気や災難、憑物から救ったとされる。
明治に行われた廃仏毀釈、それに引き続きて修験道廃止令によりその姿はほとんど見られなくなった。
何千年もの間に先人たちが培ってきた自然との共生のあり方を引き継ぎ、未来へ繋いでいく事が行者としての重要なミッションである。それが自然環境保護であり、文化再興であり地域自治、生き方の改善につながると考えています。
広く丹波地域(丹波国、丹波国造)の修験道を「丹波修験」として位置付け、歴史・文化を掘り起こし、次世代へ継承できる文化として復興する。
丹波修験をきっかけに、日本古来からの生活文化の再興を目指す。
古来の生活文化を伝える事で、
命の尊さ
食の大切さ
自然環境との関わり方
地域自治のあり方
家族のあり方
を改めて考えるきっかけをつくる。
律令制以前は現在の丹波、丹後、但馬を"丹波国造"領域とし、
律令国成立後明治維新直前までは
京都市右京区京北、左京区広河原、
亀岡市、南丹市、京丹波町、綾部市、福知山市、
丹波篠山市、丹波市などが挙げられる。
我々は修験道を宗教という枠組みではなく、
「自然と関わる日本人の生活文化」として捉えており、
個人が信仰される宗教や宗派宗門に関わらず、
人生を歩む上での一つの道標として捉えていただけたらと考えています。
・参考までに各宗派宗門の「修験道」について、各WEBサイトより抜粋しました。
■修行して験徳を顕わす「修験道」
日本人は古来から山には神々が宿ると信じ、山の神を信仰する山岳信仰、自然崇拝に源を発した独特の民間信仰を持っていました。
「修験道(しゅげんどう)」とは山岳崇拝を基とし、厳しい山々で修行し、困苦を忍び、心身を修練し、仏果を得衆生済度を目的とする、出家・在家を問わない菩薩道、即身即仏を実修する日本独自の宗教です。
【聖護院門跡 Webサイトより】
■修験道とは、“野に伏し 山に伏し 我 仏とともに在り”という強い自覚のもとに修行を続ける山伏の世界であり、家にありながら(在家)、誰でも修行に参加できる道でもあります。
厳しい山岳修行・祈りの世界に身を投じて、自己に秘められた無限の可能性の開発を願いながら、自分の霊性を高め、山を下りては、社会とのかかわりの中で、民衆の願いへ応えるべく生きていく、まさに“実修実証”の世界であります。
【醍醐寺 Webサイトより】
■現代のように科学文明が進んだ世の中になっても、自然と親しむことへの人気は一向に衰えをみせません。 休日ともなれば人々は山へ川へと足を運びます。 しかし、自然はいつも美しく人々を包み込むだけではありません。 時には荒々しく人命を失わせるほどの残酷な姿をわれわれの前に顕わします。 大自然はわれわれの築いてきた文化や世界とは全く異なった「異界」なのです。 そこでは人間の論理は通用しません。 古代の人々は、そこに神の顕現を見、畏怖の感情を育んできました。 世界中の宗教は自然の神聖性を崇めることから生まれたと言っても過言ではないかも知れません。
修験道とは、こうした日本古来の山岳信仰が仏教に取り入れられたもので、 日本各地の霊山を修行の場として、過酷な苦行を行い、 超人的な験力をたくわえ衆生の救済を目指す実践的な宗教です。 なかでも多くの霊山の中心となったのが修験道の開祖と仰がれる役行者(役小角)が開かれた 熊野から吉野にいたる大峰山系です。
【三井寺 Webサイトより】
■修験道は、人間誰もが持っている自然に対する畏敬の念、いわゆる自然崇拝に外来の仏教、道教、陰陽道などが融合して成立した我が国独自の宗教です。修験の修とは苦修練行、験とは験得の意味で、苦修練行することによって霊験を得て、衆生を済度する道といえます。修験道の修行者は「修験者」あるいは「山伏」と呼ばれ、役行者をその開祖と仰いでいます。森羅万象悉くを神仏の応化神とする修験者達は、苦修練行の場を山に求め、中でも吉野の山々に分け入り、深山幽谷に身を置いて修行することとを尊び、吉野大峯は修験道の根本道場とされています。
【金峰山寺 Webサイトより】
■日本で発生し成立した山の宗教。神霊の宿る山岳を行場とし、自然崇拝を根幹とする呪術的な日本固有の信仰 (古神道)を、ありのままの自然を究極の仏の世界と捉え、山の大自然の中に身を投じ自然と一体化する(密教)という世界観によって体系づけ、全てに仏性がある(法華経)という自覚と、往生思想(浄土教)を融合し、呪術(陰陽道)を用い、神仙術(道教)を駆使することによって、除災・招福・治病・延寿の呪禁力を発揮する宗教。
【出羽三山神社 Webサイトより】