縄文時代の黒曜石利用
縄文時代の黒曜石利用
石器といえば「黒曜石の矢じり」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
黒曜石はマグマが急冷されてできたガラス質の火山岩で、皆さんが想像するガラス同様に鋭く割れます。
黒曜石は元のマグマに由来して様々な成分でできています。
黒曜石の成分を分析することで、その黒曜石がどこの場所でできた黒曜石なのかを推定することができます。
黒曜石の蛍光X線分析
※X線の被ばくを避けるため蓋を被せて分析します
黒曜石の産地はいくつかありますが、関東圏で流通した黒曜石の一大供給地として長野の黒曜石があげられます。
日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」でもおなじみです。
川や山に落ちている黒曜石を拾う時期から、地面を掘って黒曜石を採掘する時期に移り変わると、採掘された産地の黒曜石はそれまでよりも大量に流通すると考えられます。
遺跡で発掘された黒曜石がどこの産地の黒曜石なのかをたくさん調べることで、長野での黒曜石の採掘が縄文時代前期後半から開始されたのではないかと考えています。
長野県産の黒曜石を使った石鏃
黒曜石が産地から遠く離れた遺跡から出土するということは、その黒曜石を運んだ人がいたことを意味しています。
縄文時代、石器石材として貴重な資源であった黒曜石はどのように流通したのでしょうか?
産地まで採取に行く人がいれば、他の誰かからもらう人もいたでしょう。
この黒曜石の流通について、地形データから得られる移動の簡単さ(急な斜面より平地のほうが移動しやすい)をもとに研究しています。
星ヶ塔黒曜石原産地遺跡からの移動しやすさ