メッセージ
MESSAGE TO WORKING STUDENT CANDIDATES FOR OUR LAB
当研究室では,社会人博士を歓迎します.社会人博士をご検討中の方,またその企業様へ,当研究室についてご紹介致します.社会人博士課程修了生からのメッセージもご覧ください.
本学の社会人博士課程制度について
学位を2年あるいは1年で取得する短縮修了が可能
博士後期課程の標準修業年限は3年ですが,修士の学位をすでに持っている人は,研究の進捗状況によっては,3年未満(最短では1年)で学位を取得することが可能(文科省の規定により,博士前期課程(修士課程)と博士後期課程の在籍年数が3年以上あることが必要)です.当初は3年の予定で入学した場合でも,研究が順調に進めば,途中からでも短縮修了に合わせて学位論文の審査のスケジュールが組まれるなど,柔軟な対応を行っています.当研究室では,2018年度社会人2名が修了期間短縮制度を使い博士後期課程在籍1年間で学位を取得した実績があります.
大学院講義 – 受講は必須ではない –
博士論文のための研究(「機械システム工学特別セミナー」)と「特別計画研究」により,学位取得のために必要な単位が充足されます.(「特別計画研究」は,社会人に配慮された内容になっており,限られた時間でも無理なく単位を取得することが出来ます.)したがって,講義に出席する必要はありません.しかし,希望すれば自由に講義を受けることもでき,単位を取得することもできます.
学位審査について - 査読付き論文が3編以上必要 -
指導教員の指導の下に博士論文を執筆し,その論文の内容について学位審査が行われます.まず,予備審査では,指導教員を含む5名の審査員(教員)の前でプレゼンテーションを行い,本審査に進んで良いかが判断されるとともに,博士論文やプレゼンテーションをブラッシュアップするためのアドバイスを受けます.本審査は公開されて行われます.この時点で,博士論文を構成する内容の査読付論文(いわゆる定期刊行ジャーナル論文,査読付国際会議プロシーディングス)が3編以上有ること(掲載済みもしくは掲載可)が条件となります.
当研究室の研究概要について
従来と異なる液体駆動力として衝撃力に着目し,慣性力が粘性力の1,000倍以上大きい超音速マイクロジェット(高Re数流れ)の生成手法を世界で初めて開発しました(図1a, Tagawa et al., Phys. Rev. X, 2012).さらに液体容器への打撃による簡便なジェット生成手法を新たに開発し,高速ジェットに加え,既存技術に比べ500倍以上高粘度の液体ジェットの吐出に成功しました(図1b).本手法(特許第6482658号,国外特許申請JST支援対象(採択率15%))は日経産業新聞(2015年)や日建新聞電子版(2018年),海外サイトEurekAlert(2018年)に特集記事が掲載されるなど注目されており,現在,機能性材料(粘着剤,細胞培養液ほか)の吐出による新技術へ展開しています.一方,学術的には,比表面積10万倍位以上のマイクロジェットにおける動的界面特性の影響の解明などが実現でき,新しい学理構築に貢献しています.衝撃力に着目するという優れた着眼点に基づき,レーザーパルスによる衝撃力および金属打撃による衝撃力により各々次世代技術の基盤を構築していいます.
社会人博士課程修了生からのメッセージ
早坂 啓祐さん(2018年度修了生):株式会社デンソー パワトレイン事業部
私が本研究室を選んだ理由のひとつは,仕事と研究との両立のしやすさです.愛知県で勤務しており頻繁に大学に行くことが困難でした.そこで,自宅で実験できるテーマを選び,Skypeを利用し週1で先生と議論しました.今では当たり前となった在宅勤務ですが,コロナ禍以前に在宅研究を受け入れてくれる柔軟性がこの研究室にはあります.先生方の手厚いサポートにより,業務に支障をきたすこともありませんでした.流体力学を探究したい方はもちろんのこと,自分らしいスタイルで博士課程に挑みたい方にも本研究室をお勧めします.
山元 翔太さん(2018年度修了生):テルモ株式会社 商品開発
田川義之研究室には2度お世話になりました.1度目は研究室立ち上げの初期メンバーとして,2度目は社会人ドクターとして,数多くの貴重な経験をさせてもらいました.学会発表や論文投稿などの成功体験を通して自信をつけることができ,これまでのキャリアップに有利に働いたと実感しております.
社会人博士課程在学中は,会社の業務と大学での研究活動の両立に大変苦労しました.私の場合,1年間で博士号を取得することを目標にしていたため,研究活動は平日早朝と休日であり,今までに経験のないハードな1年間となりました.業務が立て込んでいたこと,勤務地が山梨であったことなどハードルはかなり高かったです.
このチャレンジを達成できたのは,田川先生を始め,実験を手伝ってくれた在学生,共に博士課程を歩む仲間,家族といった多くのサポートのおかげでした.もちろん,勤務先も国際学会参加に伴う有給取得や公聴会近くの業務調整に協力いただきました.
研究サポート体制が整っているので,安心して社会人博士課程に取り組む事ができる環境だと思います.社会人博士課程に挑戦を考えている方は田川義之研究室を是非検討してみてください.