Mosyle(モズル) Managerとは、米Mosyle社が提供しているMDM (Mobile Device Management) サービスのことです。他のMDMと違うのは教育機関向けに"無料"で使えるプランがあること。また、すべての機能が使えるプレミアムプランであっても1台あたり年間700円程度となっており、他社に比べて非常に安価に提供されています。
MDMは遠隔で端末の管理をできるようにするためのウェブサービスです。これを使うことで、iPadなどのデバイスに対してアプリの配信や設定変更を一括で行うことができるため、学校や企業で複数台のデバイスを管理する上では必須のサービスと言えます。
個人的には5台以上のデバイスをMDMなしに管理するなんて、想像するだけで頭がクラクラします。
価格表(https://manager.mosyle.com/pricing)を見ると、無料のベーシックプランであってもiPadとApple TVの管理がサポートされており、機能的にも端末の遠隔制御について基本的なもの(データ消去やアプリのインストール状況の確認・追加削除など)には対応しており、各種制限(アプリのインストール制限やフィルタリング制御)もほぼすべての機能が使える状態です。
プレミアムプランとの比較では、テクニカルサポートがついていない点と、端末のグループ分けの機能が無い点、遠隔制御の命令を一括で実施できない点に注意が必要ですが、どの機能もあまり複雑な管理をしないのであれば問題にならない場合が多く、数百台程度であればベーシックプランでも十分運用可能です。
Mosyleの教育機関向けウェブサイト(https://manager.mosyle.com/)から登録申請を行います。
画面右上の"Sign In"を押すとログイン画面が開くので、画面中ほどの"sign up for free"を押します。(右図参照)
そうするとMosyleの使用開始に向けた登録申請画面が開くので、教育機関の情報を「英語で」記入していきます。
※ Mosyle社のウェブサイトおよびサポートは2022年4月現在日本語に対応していないため、Mosyle社とのやりとりはすべて英語で行う必要があります。
※ ブラウザの日本語翻訳機能(右クリック > 日本語に翻訳)を使うことは可能ですが、登録申請時や設定保存時には英語に戻さないと送信されるデータが予期しない内容となる可能性があります。
プレミアムプランの購入に向けた相談に関しては、日本の代理店であるSentree社 (https://www.sentree.jp/) に日本語で対応してもらうことが可能です。
登録フォームの各入力欄の具体的な記入内容について説明します。
School / District Name
学校名を英語で記入します。学校ウェブサイトに表示されている英語名称と同じにする必要があるため、学校ウェブサイト上に英語表記が無い場合はあらかじめ追加しておく必要があります。
School / District Website
学校ウェブサイトのURLを記入します。
続いて申請者に関する情報を記入していきます。申請者は運用当初の管理者となります。ここでいう管理者とは管理職的な立場の人(校長や教頭等)を指すわけではありません。あくまで実際に運用する際、MDMを操作して管理する人を指します。必ずMDMを実際に操作する人の情報を記入するようにしてください。
First Name
申請者の名をローマ字表記で記入します。
Last Name
申請者の姓をローマ字表記で記入します。
Work Email
申請者のメールアドレスを記入します。メーリングリストなど個人に紐づかないものは使用禁止です。
Phone
申請者の電話番号を記入します。二段階認証で使用するため、SMSを受信できる携帯電話番号に設定することをおすすめします。
次に学校の情報を記入していきます。
Address
学校の住所を英語で記入します。住所を英語変換するウェブサービスの利用をおすすめします。 (https://www.google.co.jp/search?q=住所+英語)
Country
Japan(日本)
Number of Devices Used
運用予定の端末の概数を記入します。ただのアンケートなので、ざっくりで大丈夫です。
How did you hear about us?
これもただのアンケートです。このページを見てMosyleを知ったという場合は"Other"になります。
最後にTerms of Service(サービス利用規約)、Privacy Policy(個人情報保護方針)、Billing Policy(課金方針)に同意した上で、"I have read and agree to the Mosyle Manager Terms of Service, Privacy Policy and Billing Policy."にチェックを入れて"REQUEST MY ACCOUNT"で申請します。
※ Apple School Managerを既に利用できる状態の場合は次のセクション「初期設定方法」へ進んでください。
Mosyle Managerに限らず学校でMDMを利用するにあたって、Apple School Manager(ASM)の利用はほとんど必須となっています。ASMについては以下のサイトが詳しいです。
教育 - 小中高等学校 - ITと導入 - Apple(日本)
ASMは可能な限り大きな組織単位で申請することが運用上望ましいため、公立学校では教育委員会、私立学校では運営母体となる組織が取得することをおすすめします。
ASMのウェブサイト (https://school.apple.com/) から登録申請を行います。
画面上に表示されているの「今すぐ登録する。」を押します。
そうすると所属する組織の登録画面が開くので、必要事項を記入していきます。
所属する組織
所属する組織の情報を入力していきます。
詳細
登録申請者の情報を入力します。登録申請者は運用当初の管理者となります。ここでいう管理者とは管理職的な立場の人(教育長や理事長等)を指すわけではありません。あくまで実際に運用する際、ASMを操作して管理する人を指します。必ずASMを実際に操作する人の情報を記入するようにしてください。
確認用連絡先
組織の代表としてApple School Manager利用契約を結ぶ権限を持つ方の情報を入力します。申請の過程でApple社から確認の電話があります。