逸脱行動や攻撃行動の心理的メカニズムを解明することに関心を持っています。加害行為のリスク要因,加害者が抱える感情や苦悩,被害者支援について研究しており、再犯防止や加害者の立ち直りといった社会課題の解決を目指しています。
特に,加害者の更生や立ち直り,社会復帰の支援,被害拡大を防止するための被害者支援,犯罪の未然防止といった,臨床心理学的視点からアプローチした研究を行っています。
ストーキング事案の加害者・被害者・第三者という多側面に注目して研究を行っています。
富山県警察の委嘱を受け,ストーカー加害者に関するアドバイザーを務めています。被害者を守るためには,加害者が再びストーキングや加害行為をせず,社会生活に適応していくことが重要です。そこで,警察と連携してストーキング加害者カウンセリングを実施し,加害者の更生や立ち直りを促す取り組みを行っています。
▼加害者研究
ストーキング加害者の臨床的ニーズを明らかにし,再加害防止と立ち直りに効果的な心理学的アプローチを考案することを目指しています。先行研究の知見を統合して,ストーキング関連行動(Stalking-Related Behavior; SRB)という包括的な行動概念を提唱しました。行動パターンに基づいた加害者の類型化,加害者のメンタルヘルスの解明,加害行為に影響を与えるリスク要因の検討,臨床事例研究などを行っています。
▼被害者研究
ストーキング被害者に着目して,被害が深刻化することを防止することを目指しています。警察等の公的機関に援助を求める行動(援助要請行動)の促進・阻害要因,ストーキング加害に対する被害者の対処法略の効果などに関心があります。
▼第三者(未然防止)研究
ストーキング事案の当事者ではない人々に着目して,被害を未然に防ぐことを目指しています。ストーキング事案に関する認識や認知バイアス,ストーキング防止教育の開発と普及などに関心があります。
加害行為や犯罪行為の動機にもなる”うらみ”という心理的状態を解明することに関心があります。うらみとはどのような気持ちであるのか,どのような加害行為につながるのか,うらみ体験の心理的プロセスや,それに伴う苦悩や葛藤の解明,うらみに苦悩する人々への支援のあり方について研究しています。
▼日本文化・日本人心性
うらみは日本人の伝統的・文化的な価値観からも強く影響を受けている心情です。日本人心性や日本文化との関係にも着目し,うらみの心理的構造を明らかにすることを目指しています。これにより,日本人に合ったアプローチを見出し,うらみに囚われ,苦しんでいる人々への支援につなげていきたいと考えています。
公認心理師/臨床心理士として,さまざまな悩みや心理的な問題を抱える方々に心理支援を行っています。これまで,精神科クリニック,保健所(精神科デイケア),大学の学生相談室で,うつや不安などの心理的問題,対人関係の悩み,休職者の復職支援(リワーク),発達障害を持つ方の学習支援などを行ってきました。
▼心理支援のスタイル
大学院では認知行動療法の訓練を受けてきました。認知行動療法とは,問題を持続させる行動パターンや考え方のクセを見直し,修正することを通して,うつ症状や不適応行動などを改善することを目指す心理療法です。
現在では,認知行動療法を中心としながら,相談内容のニーズに合わせてクライエント中心療法,解決志向アプローチ,マインドフルネスなどを組み合わせて支援を行っています。特定の技法に限定せず,問題解決や支援に役立つ方法を積極的に取り入れていくことを心がけています。
▼加害者臨床
加害者臨床とは,被害者保護を目的として,加害者の再加害を防止することを目指すアプローチのことです。警察と連携してストーキングの加害者にカウンセリングを行い,再加害防止と社会適応を促す取り組みを行っています。
加害者臨床では,リラプス・プリベンションとグッドライフモデルに注目しています。リラプス・プリベンションは,加害行為や問題行為を再発させないための方法を探り,習得していく認知行動的アプローチです。グッドライフモデルは,自分の人生の価値(生きがいなど)を見直し,獲得していくことを通して,加害や犯罪を伴わないその人らしい「良い人生」を送ることを支援するアプローチです。
リラプス・プリベンションとグッドライフモデルは加害者の異なる側面にアプローチしていますが,長期的に再加害を防ぐためにはこれらの両輪が必要だと考えています。また,ストーキングの加害者臨床では,被害者との関係を手放す支援として,グリーフセラピー(喪失体験の受容)の視点を応用することも試みています。
性加害,DV,ハラスメントといった対人加害行為
薬物依存,アルコール依存,ギャンブル依存といったアディクション
喪失体験,モーニングワーク,グリーフセラピー
進化心理学
文化心理学
経験サンプリング