地震学者、石橋克彦氏の講演を聞いて。
2024年1月25日、もっかい事故調オンラインセミナー「日本の原発の全廃を迫る能登半島地震」の中で、
「原発安全審査の根本的見直しを迫る能登半島地震」というタイトルの石橋克彦氏(地震学者・神戸大学名誉教授)の講演を聞きました。
今回の能登の地震では志賀原発は大きな地震に遭い、変圧器のオイルが多量に漏れる、一部の外部交流電源が機能しなくなるなどの被害がありました。 幸いにも、同原発は長期の運転停止状態だったためもあり、大量の放射能を放出する事態にはなりませんでした。しかし、規制で想定する加速度に近い揺れを経験しています。
私は、石橋氏の福島事故のあとの講演音声を入手し、何度も聞いていました。 今回の講演は、先の講演の趣旨と同じです。 氏の考えでは、「そもそも、我々の社会は地震のことをよくわかってはいない。 全国どこでも、大方の予想を超える地震が起きる可能性がある。 「そのようなことは稀」と考える向きがあるだろうが、原発については、[起こりうることは、必ず起きる]と考えて対処しなければならない」というものです。 花島は。地震や地質の研究者ではありませんが、物理を学び、物づくりに考えがある者として、石橋氏の考えに100%納得していました。
しかし、日本社会、特に原子力関係者にはそのような認識は薄いか、無い状態です。 今回の講演では、能登で大きな地震が起きたからと言って、石橋氏から新たな考えの提示はなく、これまでの氏の考えそのものでした。 花島なりに単純に言いかえれば、「こういうことが起こりうることは、前からわかっていなければならない。 もっとひどいことが起きる可能性がある。 早く気づけ。 今度こそ気づいて欲しい」と言いたいのでしょう。
花島自身について云えば、阪神淡路の地震で、1000ガル近くの加速度が測定されたという話を聞いて、地震に対して危機感が強くなりました。 当時の原発の耐震基準について、いくらか聞いていたからです。 その後、新潟県中越沖地震が起き、柏崎刈羽原発で想定を超える加速度が検出されたことで、日本の規制体制が、地震についてまったく弱いと認識したものです。
ところが多くの原子力関係者は、そういう認識には至らず福島事故が起きました。 そして福島事故が起きても、小さな手直しだけで、根本的な見直しをせずにいます。 さらに、2011年に交通や通信のインフラが機能しなくなったことを経験しているにも関わらず、複合災害を考えない避難計画で良しとしようとしています。稀なことに対する考えが、いまだにずさんなままなのです。
福島事故の様にまた大きな被害がないとわからないのでしょうか?
原子力関係者よ、政府よ、早く気づけ! 愚かなギャンブルは考えるな!
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2022年11月26日、高萩市内の集会で話した時のメモです。
日本共産党茨城県員会 原発問題リーフレット:あなたの「?」を聞かせてください(2022年に作成)
原発問題のいくつかの疑問に答える日本共産党茨城県委員会の資料:
花島は作成の中心メンバーでした。 2021年に作成しました。
6ページ目からの Q8とA8、関連コラムはぜひご覧ください。
東海第2原発再稼働に関して那珂市議会に出された請願に対して、本会議で意見を述べました。意見の記述に若干の説明を加えたものです。